自律神経検査の実践的ガイドブックが誕生! 専門でなくてもここまでできる!
新刊自律神経検査ハンドブック
ベッドサイドでの評価から専門医連携まで
内容
序文
主要目次
※日本自律神経学会編『自律神経機能検査 第5版』(B5判・508頁)の姉妹版としても活用いただけます.
日本自律神経学会における自律神経機能検査の歴史は,本邦の自律神経学の歩みそのものである.本学会第2代理事長の故・宇尾野公義先生が『自律神経機能検査法 第1版』に寄せられた「序言」には,臨床検査に求められる特異性,再現性,簡便性,低侵襲性という基本理念が示されている.この「序言」は本学会の貴重な遺産として歴代の版に受け継がれ,自律神経機能検査法委員会の歴代委員長ならびに委員の先生方のご尽力により,第1版(1992年)から第5版(2015年)まで改訂が重ねられてきた.『自律神経機能検査』は,本邦における自律神経機能評価の標準を示す体系的な成書として,臨床と研究の発展に大きく貢献してきた.
一方,近年の医療の高度化・多様化に伴い,自律神経を専門としない脳神経内科医,プライマリ・ケア医などの幅広い医療従事者が自律神経疾患の病態把握と治療を適切に実施するうえで,自律神経機能を適切に評価する必要性が増している.日常診療では,専門家へ紹介する前に,どのような症候から自律神経障害を疑い,どの検査を選択し,どこまで自施設で評価すべきかを的確に判断することが求められる.しかし,従来の『自律神経機能検査』は高度な専門知識を網羅した包括的な書物であり,初学者や非専門医が必要な情報へ迅速に到達するには,より簡潔で実践的な手引きが望まれていた.
こうした臨床現場の要請に応えるために企画されたのが,本『自律神経検査ハンドブック』である.本書では,『自律神経機能検査』に蓄積された膨大な知見のなかから,日常診療で重要性の高い項目を厳選し,症候から検査の適応を考える視点,一般の医療機関でも実施可能な検査法,専門施設へ紹介するタイミング,紹介前に確認すべき事項を,初学者にも理解しやすく実践的にまとめられている.さらに,より専門的な検査や新たな知見についてはコラムを設け,『自律神経機能検査 第5版』へと学びを深める道筋も示している.
本書が,自律神経機能評価を学ぶ方々にとって日常診療の確かな道標となり,自律神経学の裾野を広げ,診療の質の向上と患者への還元に寄与することを願ってやまない.
刊行にあたり,ご多忙のなか,企画・編集に尽力された自律神経機能検査法委員会(朝比奈正人委員長)および実務小委員会の皆様,ご執筆・ご査読いただいた先生方,ならびに出版にご協力いただいた文光堂の関係各位に,心より感謝申し上げる.
令和8年8月
自律神経学会理事長
山元敏正
A.自律神経検査概説
1.自律神経検査の意義
B.自律神経の解剖・機能・薬理
1.末梢自律神経系の機能解剖学
コラム 1 中枢自律神経系の機能解剖学
2.自律神経系の神経伝達物質
コラム 2 脳循環の自動調節機能
コラム 3 マイクロニューログラフィ
C.その他
1.代表的な自律神経疾患
コラム 4 加齢と自律神経
コラム 5 月経・閉経と自律神経
コラム 6 睡眠・日内変動と自律神経
コラム 7 心理的ストレスと自律神経
コラム 8 低酸素環境(高地)と自律神経
コラム 9 求心性迷走神経
コラム 10 内受容感覚と自律神経
各 論
A.心・循環系
1.心・脳循環系自律神経検査に関連する症候と鑑別
〔付録資料(Web掲載)〕
2.ヘッドアップティルト試験および能動的起立試験:起立性低血圧の評価
3.神経調節性失神・起立不耐症の評価のためのヘッドアップティルト試験-循環動態とカテコールアミン・内分泌動態-
4.古典的血行力学的負荷手技
5.24時間血圧・心拍測定
6.短時間心電図R-R間隔変動
7.MIBG心筋シンチグラフィ
B.皮膚
1.皮膚自律神経検査に関連する症候と鑑別
〔付録資料(Web掲載)〕
2.温熱発汗試験
3.薬物誘発発汗試験
4.定量的軸索反射性発汗試験
5.交感神経性皮膚反応・交感神経性発汗反応
6.皮膚生検:病理学的評価や表皮内神経線維密度
7.皮膚生検:AIGAの汗腺病理
C.膀胱・性機能検査
1.膀胱・性機能検査に関連する症候と鑑別
〔付録資料(Web掲載)〕
2.尿流測定・残尿測定
3.ウロダイナミクス
4.膀胱尿道造影(ビデオウロダイナミクスを含めて)
D.消化管系
1.消化管系自律神経検査
E.呼吸器系
1.呼吸器系自律神経検査
F.眼球系
1.瞳孔検査
2.調節機能検査
3.光干渉断層計
G.その他
1.自律神経疾患と抗体検査
付 録
1.自律神経質問票
2.総合的自律神経機能評価
索引