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臨床・スポーツ現場で,物理療法は心強い「武器」になる!

コンディショニング・ケアのための

物理療法実践マニュアル

カバー写真
  • 編集:川口浩太郎(兵庫医療大学教授)
  • A5判・134頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-4540-2
  • 2016年5月発行
定価 2,700 円 (本体 2,500円 + 税)
あり
在庫
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※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

物理療法は,多くの効果が期待できる治療手技である.本書ではまず「実践編」において,物理療法が持つ本来の効果を最大限引き出し,心強い「武器」として使うために,効果のある物理療法別の治療テクニックを,実践に適したマニュアル形式で解説する.また,後半の「基礎編」では,物理療法を駆使するための必須基礎知識として,物理療法の作用機序,適応の詳細などを分かりやすく解説する.



 物理療法の起源は紀元前とされており,現在でも多数の物理療法が診療場面でも用いられ、理学療法の分野では身近な治療法である.しかし,外来診療では理学療法士の治療までの待ち時間に物理療法が行われていたり,病院では旧態依然とした物理療法機器がホコリを被って隅に追いやられたりしているのを目にすることもある.また,「物理療法は助手さんにお願いしているので,使い方がよくわかりません」とか「物理療法を普段の臨床ではほとんど使ったことがなく,どのように使ってよいのかがよくわかりません」などの声も耳にする.
 物理療法に,全く「効果」が期待できないのであれば,物理療法そのものは消えていくであろうが,現在でも物理療法機器は利用されて,新しい物理療法機器も開発されている.筆者らは,臨床現場やスポーツ現場での物理療法の使用経験,自分自身の物理療法による治療経験から,物理療法が著効を示すことをたびたび経験しており,物理療法を上手く使いこなすことができれば,理学療法を行ううえで物理療法は「武器」になると考えている.
 本書は,序論・実践編・基礎編から構成されている.「序論」では物理療法が適応となる病態・問題点把握までの過程を解説し,「実践編」では自分自身の物理療法使用経験や諸先輩に教えていただいた物理療法の実践的な使い方,選手から学んだことをもとに,物理療法が適応となる病態ごとにマニュアルとしてまとめた.「実践編」で使用した物理療法機器は伊藤超短波株式会社製の複合型電気刺激装置EU-940,低周波治療器ESPURGE,携帯型微弱電流刺激装置AT ミニII<sup>*</sup>,Dynatronics社製のSolaris790であるが,他の機器でも応用できるよう,物理療法を使用する際に設定する各種パラメータについては,できる限り細かく記載した.「基礎編」では,最新の知見も含めて,物理療法の作用機序・生体に及ぼす影響などを解説している.
 「実践編」は、理学療法の臨床現場やスポーツ現場でマニュアルとして利用することが可能である.さらに「序論」や「基礎編」を通して,物理療法が適応となる病態・問題点把握までの過程,物理療法の作用機序・生体に及ぼす影響を十分に理解できれば,物理療法が「武器」になる可能性があることを実感でき,その実感の積み重ねにより,多くの臨床家にとって物理療法が「武器」になることを確信している.本書がその一助になれば幸いである.
最後に,本書刊行にあたりモデルを快く引き受けてくれた兵庫医療大学リハビリテーション学部卒業生の来田侑利さん,編集等で大変お世話になった文光堂の中村晴彦氏に深謝いたします.

* なお,携帯型微弱電流刺激装置AT ミニIIに関しては,マニュアルモードがないため,伊藤超短波株式会社のプログラムをそのまま記載させていただいた.

2016年5月
川口浩太郎

序 論
臨床現場で物理療法を活用するには…
 A 物理療法は補助的手段?
 B 物理療法を用いることができる病態
 C 物理療法は武器になる
実践編
1 急性外傷に対する物理療法
 1) 急性外傷後の対処法1──RICE処置
  A RICE処置を用いるのは?
  B RICE処置の実際
 2) 急性外傷後の対処法2──微弱電流刺激療法
  A 微弱電流刺激療法を用いるのは?
  B 微弱電流刺激療法の実際
 3) 急性期を脱したら?──超音波療法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
2 筋緊張亢進状態に対する物理療法
 1) 高電圧パルス電流刺激1──軽い筋収縮を用いるもの
  A 高電圧パルス電流刺激で軽い筋収縮を用いるのは?
  B 軽い筋収縮を用いた高電圧パルス電流刺激の実際
 2) 高電圧パルス電流刺激2──強縮に近い筋収縮を用いるもの
  A 高電圧パルス電流刺激で強縮に近い筋収縮を用いるのは?
  B 強縮に近い筋収縮を用いた高電圧パルス電流刺激の実際
 3) 超音波療法──回転法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
 4) 超音波+高電圧パルス電流刺激──コンビネーション治療
  A コンビネーション治療を用いるのは?
  B コンビネーション治療の実際
 5) クラスターレーザー
  A クラスターレーザーを用いるのは?
  B クラスターレーザーの実際
3 関節拘縮,癒着などに対する物理療法
 1) 温熱療法
  A 温熱療法を用いるのは?
  B 温熱療法(湿性ホットパック)の実際
 2) 関節包の短縮・癒着──超音波療法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
 3) 術創部の癒着──超音波療法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
 4) 腱の滑りの悪さ──超音波療法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
 5) 足底腱膜炎──超音波療法
  A 超音波療法を用いるのは?
  B 超音波療法の実際
4 全身の疲労回復
 1) 交代浴
  A 交代浴を用いるのは?
  B 交代浴の実際
 2) 極低温浴
  A 極低温浴を用いるのは?
  B 極低温浴の実際
5 物理療法でこんなこともできる──応用編
 1) 月経痛に対する物理療法
  A 月経痛の分類
  B 月経痛をどう治療するか
  C 月経痛に対する物理療法
  D 経皮的神経電気刺激の実際
 2) 筋・筋膜性疼痛に対する物理療法──超音波療法(固定法)
  A 超音波療法(固定法)を用いるのは?
  B 超音波療法(固定法)の実際
 3) 急性腰痛に対する物理療法──神経筋電気刺激+運動療法
  A 神経筋電気刺激+運動療法を用いるのは?
  B 神経筋電気刺激+運動療法の実際
基礎編
 1 温熱療法
  A 温熱療法とは
  B 熱移動方式
  C 温熱が生体に及ぼす影響
  D 禁忌と注意事項
 2 寒冷療法
  A 寒冷療法とは
  B 寒冷療法が生体に及ぼす影響
  C 急性損傷(炎症期)の適応の根拠
  D 禁忌と注意事項
 3 超音波療法
  A 超音波療法とは
  B 超音波の特性
  C 一般的な超音波療法の使用方法
  D 生理的作用
  E 禁忌と注意事項
 4 電気刺激療法:総論
  A 電気刺激療法とは
  B 電気刺激療法の基礎
  C 電気刺激療法が生体に及ぼす影響
  D 電気刺激療法の種類
  E 禁忌と注意事項
 5 疼痛に対する電気刺激療法:TENS・IFC
  A TENSとは
  B 疼痛とは
  C 電気刺激による疼痛軽減作用機序
  D IFC
 6 筋機能改善のための電気刺激療法:NMES・HVPC
  A NMESとは
  B 電気刺激による筋力増強
  C HVPC
  D ロシアンカレント
 7 治療促進のための電気刺激療法:MES
  A MESとは
  B MESの作用機序
  C MESの実際
 8 光線療法
  A 光線療法とは
  B 光線の特性
  C 光線療法の種類
  D 光線療法が生体に及ぼす影響
  E 禁忌と注意事項
 9 交代浴
  A 交代浴とは
  B 生理的機序と生体に与える影響
  C 交代浴の実際
索引