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競技現場・医療機関で役に立つ!野球医学の第一人者たちによる治療・予防・トレーニング法を解説した一冊

新版 野球の医学

  • 編集:菅谷啓之(船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター長)
  •     能勢康史(NPO法人野球共育塾理事長)
  • B5判・304頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-5184-7
  • 2017年10月発行
定価 7,560 円 (本体 7,000円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

月刊誌「臨床スポーツ医学」2015年(Vol.32)臨時増刊号として刊行し,大好評をいただいた「野球の医学」が書籍化.書籍化にあたって項目の追加ならびに大幅な加筆を行い,より実践的な書となった.標準的な治療はもちろんのこと,野球選手に特化したリハビリテーション・エクササイズの解説を豊富に掲載し,受傷者の競技復帰支援と障害の再発予防に必ず役立つ一冊である.

「新版 野球の医学」序文
野球現場と医療現場の連携を目指して

 野球の医学的知見は,先人の努力もあり年々進歩しております.特に,若い世代の整形外科医・理学療法士・トレーナーなどの間では,実際に選手をサポートする人,あるいはサポートしようと望む人たちが確実に増えています.野球に関わるこれらの方々が共通認識をもって野球選手の競技復帰に向け共に進むための手引きが必要であると考え,一昨年に私達は『臨床スポーツ医学』2015年臨時増刊号として「野球の医学」を発行しました.幸い,「野球の医学」は多くの読者の皆様から高い評価をいただくとともに,改良点についてのご意見をいただきました.そこで今回,「野球の医学」の内容をさらなる充実させた書として,『新版 野球の医学』を発行することとなりました.
 本書の目的は,野球選手が傷害からの競技復帰に向け野球現場と医療現場が共通見解をもって選手に対応するための基礎的知識を広めることにあります.野球の医学的知識は選手を目の前にすることで身についていくものですが,実際に選手に接する前に野球の医学に関する一通りの基本的事項を予め習得しておくことは必要です.それが傷害で困っている野球選手を目の前にした時の適切な対応のための引き出しとなり,治療成績の向上に寄与でき,野球選手が満足できるパフォーマンスにつながることと確信しております.
 本書では,野球現場や医療現場で選手を目の前にしたときに適切な対応をするための基本的知識に重点を置いて編集してまいりました.「選手の競技復帰に役立つものは何か」という観点で内容を構成しましたので,エビデンスより経験知を重視したものが多く含まれています.選手や指導者は「いつまでに競技に復帰できるか」ということに関心が集中しますので,その回答を出すために必要なエッセンスを集めました.また,見聞を広めることが病態の理解やリハビリテーションに活きると考え,野球現場の声もコラムとして掲載しております.種々の配慮はしたつもりですが,重複する箇所や体裁の悪い部分もあり,これらについては忌憚のないご批判やご要望もお寄せいただきたいです.
 良い本をつくりたいとの気持ちから,無理なお願いをしたにもかかわらず快くご協力くださった執筆者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです.野球に関わるすべての人々に,われわれ一同の野球選手の競技復帰にかける情熱と期待を本書からくみとっていただき,本書が広く利用され,野球選手の活動環境の向上に寄与することを心より念願しています.
 なお,本書の出版に際して賛同し,煩雑な作業を引き受けて下さった,文光堂関係者に謝意を表します.

2017年9月
菅谷啓之・能勢康史

I 投球障害からの競技復帰
 投球障害からの競技復帰のマネジメント-全体像-
 投球動作のメカニクスと投球障害の発症メカニズム
 投球動作解析と野球指導-バイオメカニクス研究を指導に生かすには-
 投球動作のメカニクスと身体感覚-投球動作の着眼点と身体の使い方-
 投球障害からの競技復帰のプロセス-身体機能と投球動作-
 成長期投球障害からの競技復帰
 コラム:あきらめない心
II コンディショニングとセルフケア
 投球障害予防のためのセルフチェックとエクササイズ
 野球動作のためのからだの使い方とエクササイズ
 栄養・水分補給,夏場の筋痙攣対策
 投手のコンディショニング-指や爪のケア,連投対策-
 野球における視機能の重要性
 コラム:医療と現場の繫がり
III 投球障害の運動療法
 投球に必要な肩甲胸郭機能の評価とトレーニング
 投球障害肩および肘に対する理学療法-現状把握と障害原因の追究-
 投球障害肩および肘に対する理学療法-身体機能改善のポイント-
 成長期の投球障害-身体機能のみかた-
 成人期の投球障害-肘関節内側部障害-
 コラム:選手を支える医療
IV 投球障害の治療に必要な基礎知識
 投球障害治療の全体像
 投球肩肘障害の診断の注意点-メディカルチェックで得られた知見-
 野球肩の分類と部位別治療方針-骨年齢と部位による違い-
 野球肘を知るために-さまざまな視点からみた野球肘-
 肘の骨化進行過程
 投球肩・肘障害に対する超音波ガイド下intervention
 -一般的な整形外科注射からHydroreleaseまで-
V 投球障害の病態と治療方針
 成長期の投球肩障害-上腕骨近位骨端線障害(リトルリーグ・ショルダー)-
 成長期の野球肘内側部の外傷・障害
 上腕骨小頭障害の病態と治療
 成長期野球検診の意義と実際
 成人期内側障害-UCL損傷-
 成人期の肘関節後方部・外側部の障害
 上肢の神経障害-胸郭出口症候群,腋窩・肩甲上神経障害,肘部管症候群-
 投球側の脱臼と不安定症
VI 野球傷害の病態と治療方針
 打撃障害のメカニズム
 手関節痛-有鉤骨骨折,TFCC損傷と腱鞘炎との鑑別-
 手指の循環障害
 脇腹痛-肋骨疲労骨折,筋損傷の病態-
 脇腹痛-競技復帰と再発予防-
 野球選手の腰部障害-腰椎分離症と腰椎椎間板ヘルニア-
 股関節痛(鼡径部痛),ハムストリング肉離れによる動作への影響と対策
 足部・足関節痛による動作への影響と対策
索 引