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腹部超音波スクリーニングはこの一冊でマスター!

エキスパートから学ぶ腹部超音波検査

基本走査・カテゴリー判定・鑑別診断

  • 監修:竹原靖明(相和会渕野辺総合病院)
  • 編集:岡庭信司(飯田市立病院診療技幹・消化器内科部長)
  • AB判・256頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-3756-8
  • 2019年4月発行
定価 7,150 円 (本体 6,500円 + 税)
あり
在庫
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※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

各種講習会で活躍の執筆陣による解説で,腹部超音波検査による検診判定から鑑別疾患までをマスターできる一冊.基本走査の解説では,実際のプローブの動きと対象臓器の位置関係,その描出画像が一目でわかるような誌面で展開され,カテゴリー判定編では「腹部超音波検診判定マニュアル」に準じたカテゴリーとその画像所見を豊富に掲載.鑑別診断編では代表的な45疾患について,疾患概念から画像所見のポイント,鑑別疾患をコンパクトに解説した.

監修の序

 現在のリニア電子スキャンの原型ができましたのは,1975年の暮れでした.最初にプローブを握り,「肝臓」の中に浮かぶ「胆囊」を見たときの感動は今も忘れられません.受診者には優しいが検者には厳しいこの検査をどのようにして正しく堅実に普及させるか,大きな課題がのしかかってきました.順天堂大,名古屋大,関東中央病院の有志らによって壱岐と沖縄で集検テストを実施して,数々のやるべきことを捻出しました.多くの理解ある人たちとともに,日本超音波医学会では技師認定制度を発足させ,日本消化器がん検診学会では意見交換の場として懇話会を開きました.この時期,日本医師会から初心者にわかる本を作るよう指示されました.したがって,その名を「腹部エコーのABC」としました.
 その後30年,超音波世界は素晴らしい変革を遂げました.特筆すべきものは装置面ではティシュハーモニック技術の導入により解像度が大幅に向上したこと,また,2次元ドプラ技術の開発,実用化によりBモード画像に血流を重ねて見ることが可能になったことです.そして,プローブの形状がリニアからコンベックスに変わり,最近では厚みが薄くなり,プローブの走査が楽になりました.
 一方,臨床面では全国各地で多くのセミナーやライブが開かれるようになり,NPO「超音波スクリーニングネットワーク」運動も拡大しつつあります.2014年には日本消化器がん検診学会,日本超音波医学会,日本人間ドック学会の3学会により「腹部超音波検診判定マニュアル」が発表されました.これにより超音波検診で発見された種々の所見は数字で明確に分類され,事後管理(精査,経過観察,治療など)への道が明示されました.大きな前進です.
 この「マニュアル」をどう活かすか,これは現場の私たちが最も真剣に取り組むべきことと思います.最初のスクリーニングで所見を見落とせば,すべては水泡に帰します.これはプローブを握る私たちに課せられた大きな責任です.今こそ超音波検査の原点にかえり,超音波解剖,プローブ走査など,この検査の基本を見直し,この「判定マニュアル」を有効に利用することを念頭に置いて,本書は企画されました.編集・執筆者および協力者はみんな超音波が大好きで,古くから検診や臨床の現場に下りてプローブを握り,多くのセミナーやライブに参加して意見を交わし,熱心に指導に務めた人たちです.
 本書を一読し,筆者の胸には「もう[ABC]の時代は終り,新しい時代に入った」と,一抹の寂しさのなかに歓喜が湧いてきました.

 2019年3月
 竹原靖明

I 良好な画像を得るために知っておくべきこと
 1.1 適切な被検者の準備
 1.2 診断装置の条件設定とプローブの選択
 1.3 プローブの走査法
 1.4 注意すべきアーチファクト
II 基本走査を学ぼう
 2.1 撮像の基本的ルール
 2.2 撮像に必要な解剖
 2.3 スクリーニングの基本走査
  2.3.1 基本走査の指標となる走査断面
  2.3.2 基本走査と対象となる腹部臓器
  2.3.3 基本走査 描出と観察のポイント
   ① 心窩部縦走査 1~5
   ② 心窩部横走査 1~3
   ③ 左肋間走査 1~2
   ④ 右肋骨弓下縦走査 1~3
   ⑤ 右肋骨弓下横走査 1~4
   ⑥ 右肋間走査 1~3
  2.3.4 臓器別 描出と観察のポイント
   ① 肝臓の描出と観察のポイント
   ② 胆道の描出と観察のポイント
   ③ 膵臓の描出と観察のポイント
   ④ 腎臓の描出と観察のポイント
   ⑤ 脾臓の描出と観察のポイント
   ⑥ 大動脈の描出と観察のポイント
  2.3.5 記録断面例
 2.4 描出不良例に試すべき走査法
  2.4.1 描出不能と描出不良
  2.4.2 体位変換
  2.4.3 肝臓の描出不良例に試すべき走査法
  2.4.4 胆囊の描出不良例に試すべき走査法
  2.4.5 肝外胆管の描出不良例に試すべき走査法
  2.4.6 膵臓の描出不良例に試すべき走査法
  2.4.7 腎臓の描出不良例に試すべき走査法
 2.5 有所見例の撮像のポイント
  2.5.0 的確な診断や判定に必要な基本的ルール
  2.5.1 脂肪肝の撮像のポイント
  2.5.2 肝臓癌の撮像のポイント
  2.5.3 胆囊ポリープの撮像のポイント
  2.5.4 胆囊結石の撮像のポイント
  2.5.5 膵臓癌の撮像のポイント
  2.5.6 膵囊胞の撮像のポイント
  2.5.7 腎癌の撮像のポイント
III 基本的な超音波画像所見を学ぼう カテゴリー判定編
 3.0 カテゴリーと判定区分
 3.1 肝臓の超音波画像所見
  3.1.1 充実性病変
  3.1.2 囊胞性病変
  3.1.3 びまん性病変慢性肝疾患像
  3.1.4 びまん性病変脂肪肝
  3.1.5 石灰化像
  3.1.6 血管異常
 3.2 胆囊の超音波画像所見
  3.2.1 隆起あるいは腫瘤像
  3.2.2 壁肥厚
  3.2.3 腫大
  3.2.4 結石像
  3.2.5 デブリ
 3.3 肝外胆管の超音波画像所見
  3.3.1 隆起あるいは腫瘤像
  3.3.2 壁肥厚
  3.3.3 胆管拡張
  3.3.4 結石像(気腫像)
  3.3.5 デブリ
 3.4 膵臓の超音波画像所見
  3.4.1 充実性病変
  3.4.2 囊胞性病変
  3.4.3 主膵管拡張
  3.4.4 形態異常
  3.4.5 限局腫大
  3.4.6 石灰化像
 3.5 腎臓の超音波画像所見
  3.5.1 充実性病変
  3.5.2 囊胞性病変
  3.5.3 腎盂拡張
  3.5.4 形態異常
  3.5.5 石灰化像
 3.6 脾臓の超音波画像所見
  3.6.1 充実性病変
  3.6.2 囊胞性病変
  3.6.3 腫大
  3.6.4 脾門部異常血管
  3.6.5 脾門部充実性病変
 3.7 腹部大動脈の超音波画像所見
  3.7.1 大動脈の限局拡張
 3.8 リンパ節の超音波画像所見
IV 代表的な疾患の超音波画像所見を学ぼう 鑑別診断編
 4.1 肝臓
  4.1.1 急性肝炎
  4.1.2 慢性肝炎
  4.1.3 肝硬変
  4.1.4 脂肪肝
  4.1.5 閉塞性黄疸
  4.1.6 肝膿瘍
  4.1.7 血管異常-肝内門脈肝静脈短路
  4.1.8 肝囊胞
  4.1.9 肝血管腫
  4.1.10 肝細胞癌
  4.1.11 肝内胆管癌(胆管細胞癌)
  4.1.12 転移性肝癌
 4.2 胆囊
  4.2.1 胆囊結石
  4.2.2 胆囊炎
  4.2.3 黄色肉芽腫性胆囊炎
  4.2.4 胆囊腺筋腫症
  4.2.5 胆囊ポリープ
  4.2.6 胆囊癌
 4.3 肝外胆管
  4.3.1 胆管結石
  4.3.2 胆管炎
  4.3.3 胆管癌
  4.3.4 乳頭部癌
 4.4 膵臓
  4.4.1 急性膵炎
  4.4.2 慢性膵炎
  4.4.3 自己免疫性膵炎
  4.4.4 膵臓癌
  4.4.5 神経内分泌腫瘍
  4.4.6 充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)
  4.4.7 仮性囊胞
  4.4.8 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  4.4.9 粘液性囊胞腫瘍(MCN)
  4.4.10 漿液性腫瘍(SN)
 4.5 腎臓
  4.5.1 上部尿路結石
  4.5.2 水腎症
  4.5.3 腎血管筋脂肪腫
  4.5.4 腎癌(腎細胞癌)
  4.5.5 腎盂癌(尿路上皮癌)
  4.5.6 腎囊胞
  4.5.7 多発性囊胞腎
  4.5.8 多囊胞化萎縮腎
 4.6 脾臓
  4.6.1 脾の腫大(脾腫)
  4.6.2 脾腫瘤
  4.6.3 副脾
 4.7 大動脈
  4.7.1 大動脈瘤(腹部)
  4.7.2 大動脈解離
V レポートとシェーマの書き方を学ぼう
 5.1 レポートの書き方
 5.2 シェーマの書き方
 5.3 シェーマ例
   ① 脂肪肝
   ② 肝臓癌
   ③ 胆囊ポリープ
   ④ 胆囊結石
   ⑤ 膵臓癌
   ⑥ 膵囊胞
   ⑦ 腎細胞癌
索引