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がん患者さんのお口の悩みに向き合う全ての看護師のための口腔管理テキスト

がん患者の口腔マネージメントテキスト

看護師がお口のことで困ったら

  • 編集:上野尚雄(国立がん研究センター)
  •     山田みつぎ(千葉県がんセンター)
  •     岩隈好恵(大阪医科大学)
  • B5判・176頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-4679-9
  • 2016年7月発行
定価 4,860 円 (本体 4,500円 + 税)
あり
在庫
電子版販売サイト

※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

がんと診断された時点で,口腔の管理はスタートすべきであるが,現実には医科歯科連関が機能していない場合が多く,臨床の場で患者さんのお口の問題を解決しているのは,ナースであることが多い.一方,口腔に関するナースの知識はほとんどないと言っても過言でない.本書では,看護師が普段学べない口腔領域の基礎知識から,がん患者さんの口腔ケアおよび指導まで,これ1冊で必要な知識が身につくように構成されている.

序文
 がん患者に関わる医療者であれば,患者のさまざまな「お口の問題」に難渋した経験を,誰しもお持ちなのではないかと思います.
 がん患者はその治療の影響により,がん治療中はもとより,治療後も終末期に至るまでの期間で,口腔内のさまざまなトラブルが出現します.口腔の問題は経口摂取や構音会話の問題に直結し,患者のQOLに大きな影響を与えてしまいます.しかし,にもかかわらず口腔の問題は患者の抱えるさまざまな苦痛症状の中で後回しにされがちで,時に対応が後手に回って患者の苦痛が長引いてしまうようなことが,臨床の現場では見受けられます.
 がん治療における口腔の問題は,いまだ他の有害事象と比較して対応が遅れている分野といえます.残念ながらがん治療中の口腔有害事象を完全に抑える予防法や,画期的な治療法はいまだ存在しないことも事実です.しかし適切な口腔のケアを行うことで,感染の制御や疼痛緩和が得られること,重症度の軽減や病悩期間を短縮する可能性が期待できます.このような口腔のケアは,エビデンスに乏しいとされ,重要視されなかった時代もありましたが,今やそのエビデンスも少しずつ積み重ねられて,医療者のコンセンサスとして徐々に認知されてきています.
 少しでもがん患者の口腔の疼痛や不快症状を取り除き,口腔を良好な状態に維持するよう努めること,「食べる」ことや「話す」ことを支えることは,がん治療の質を高め,生きる力を支えること,またその人らしい人生を送るためのお手伝いになると,われわれ執筆者一同は考えています.
 本書は,がん医療に従事する看護師に向けて,がん患者の口腔を支えるための口腔のケアの意義やエビデンス,その具体的な方法やちょっとしたコツ,重要なポイントなどを,実臨床で使いやすいようにまとめました.日々の臨床に少しでもお役に立ち,患者の口腔を守る手助けとなれば,また歯科医療従事者(特に歯科衛生士)との連携を円滑にする端緒となれば,とても嬉しく思います.
 最後に,本書を上梓するにあたり企画立案の段階から校正に至るまで多大なるお力添えを賜りました,京都大学名誉教授・サンスター財団理事長の本田孔士先生に,この場をお借りして深く御礼申し上げます.

2016年7月
編者一同

I がん患者の口腔ケアの基本
 1 口腔の基本知識
 2 口腔のアセスメント
 3 口腔ケアの基本知識
 4 口腔ケア難症例
II がん患者の口腔ケアを支える仕組み
 1 がん治療における口腔管理の大切さ
 2 口腔管理における看護師の役割
 3 歯科との連携
III がん患者に対する歯科支持療法
 1 がん外科療法の歯科支持療法
 2 がん薬物療法の歯科支持療法
  A 一般的な抗がん剤治療
  B 造血幹細胞移植
  C 顎骨壊死に関連する薬剤による治療(薬剤関連顎骨壊死)
 3 頭頸部放射線治療の歯科支持療法
 4 End of Lifeの歯科支持療法
索引

Column
●その口内炎,本当に抗がん剤が原因ですか?~口内炎の鑑別~
●歯ブラシと歯みがき剤の選び方
●一般歯科診療所と医科歯科連携を上手く行うために
●精神的サポート
●口腔粘膜炎の予防と治療戦略
●MASCC/ISOOの粘膜障害ガイドライン
●分子標的薬による口腔粘膜炎対応
●口腔粘膜炎の予防薬
●がん薬物療法中の食事支援
●口腔粘膜炎と半夏瀉心湯(漢方の使い方)
●がん治療と糖尿病
●エンゼルケア