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最新,緑内障診断の決め手!

実戦緑内障 眼底所見で診る緑内障乳頭

カバー写真
  • 監修:東京緑内障セミナー
  • 編集:富田剛司(東邦大学教授)
  • 編集 木村  至 (埼玉医科大学准教授)
  • B5判・166頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-5546-3
  • 2015年10月4日発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

近年,緑内障の概念が変わってきており,従来の眼圧の値で診断する方法から,視神経乳頭の観察に主眼が移っている.本書では,緑内障の乳頭診断に必要な知識を網羅し,眼底所見の読み方のポイントを詳しく解説した.特に最近注目を集めるOCTについて,最新の画像を多用し,その有用性についてわかりやすく述べた.日本臨床眼科学会で人気のインストラクションコースの単行本化.
☆図版15点,表組2点,カラー写真275点,モノクロ写真24点
序 文

 久しぶりに,東京緑内障セミナーから「実戦緑内障」をお届けすることになった(出版社は違うが).今回は,眼底読影の話である.これは,東京緑内障セミナーのメンバーが中心となって長年行ってきた,臨床眼科学会におけるインストラクションコース「スタートアップ! 眼底所見で診る緑内障乳頭」がベースとなっている.臨床眼科学会のインストラクションコースにおいては,多くのコースはレジメとして,スライドのコピーを使用している.
 我々のコースに参加した方々からも,レジメはスライドのコピーにして欲しいとの要望が強いのも事実ある.しかしながら,我々としては,そのまますぐにでも教科書にできるような,後で読んでいただいてもしっかり納得してもらえるようなものを用意したいという強い思いから,頑固にも文章と図で構成したレジメをこれまで作ってきた.
 しかも,毎年,前年の反省を基に,少しずつ改訂を加えて決して同じレジメは提供してこなかった自負がある.このような我々の真面目さ(?)を,見ている人は見ていただいていたようで,思いもかけず,レジメを本にしないか,という有難いお話をいただいた.
 ただ,すぐに本にできるような内容という気持ちではやってきたが,なにせ,10数ページの薄っぺらいレジメを,200ページ近いボリュームにしなくてはならず,大幅な加筆,執筆項目の増加が必要になった.主だったメンバーで討議をし,各メンバーに執筆項目を割り振り,東京緑内障セミナーが総力を上げたプロジェクトとなってしまった.
 お互いで写真や図を融通しあい,気心の知れた間柄であったからこそ,あ・うんの呼吸でこれほどの短時間で完成にこぎ着けることができたと思っている.内容には自信がある.これまでどこにもなかったような本が出来上がったと自画自賛している次第である.
 その特徴を一言で言えば,“ 痒い所に手が届く”,といったところだろうか.多くの皆さんに手に取っていただきたいと思う.そして,セミナーのメンバー一同,読者の方々からの忌憚のないご意見を心よりお待ちしている.

2015年10月
編者一同
第1章 視神経乳頭の局所解剖と正常乳頭所見
 1.網膜と視神経乳頭の局所解剖学
 2.網膜神経節細胞・網膜神経線維消失と視野異常
 3.視神経乳頭の血管構築
第2章 視神経乳頭所見の取り方
 1.視神経乳頭の観察方法
 2.視神経乳頭の大きさの判定
 3.緑内障性視神経症の視神経乳頭所見
 4.視神経乳頭の形態による分類と留意点
第3章 OCT所見の基本的な読み方
 1.OCTの原理
 2.緑内障診療に必要なOCTの基礎知識
 3.乳頭を中心に診る
 4.黄斑部を中心に診る
第4章 緑内障乳頭判定の実際
 1.乳頭・乳頭周囲および眼底全体の観察
 2.OCTの活用
  1)総論
  2)cpRNFLの主な評価点
  3)黄斑部の評価,網膜神経節細胞層の評価
  4)Bモードの活用
 3.pre-perimetric glaucoma(PPG)
 4.網膜神経線維層欠損
第5章 近視乳頭との鑑別
 1.近視と緑内障
 2.傾斜型,非傾斜型近視乳頭の緑内障判定の問題点
 3.近視眼での緑内障診断
第6章 緑内障と鑑別すべき疾患
 1.視神経低形成
 2.乳頭傾斜症候群
 3.視交叉近傍の腫瘍性病変
 4.視神経炎後の視神経萎縮
 5.虚血性視神経症
 6.網膜静脈分枝閉塞症
 7.脳梗塞と緑内障
索 引

●One Point Advice
緑内障と眼血流
視神経乳頭観察のツール
小児の乳頭の診かた
高齢者の乳頭の診かた
異形乳頭の鑑別
視野から考える乳頭所見
隅角所見の重要性
近視による視機能異常と緑内障の鑑別はできるか?
神経眼科と緑内障
緑内障と脳梗塞の合併例