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国試・臨床実習対策に照準をあわせた,診療放射線技師を目指す学生“必携”の一冊!

図解診療放射線技術実践ガイド第4版

第一線で必ず役立つ知識・実践のすべて

  • 編集主幹:遠藤啓吾(京都医療科学大学学長)
  • 編集委員:杜下淳次(九州大学教授)
  • 編集委員 小倉明夫(群馬県立県民健康科学大学教授)
  • 編集委員 片渕哲朗(岐阜医療科学大学教授)
  • 編集委員 赤澤博之(京都医療科学大学講師)
  • 編集委員 西谷源展(京都医療科学大学名誉教授)
  • A5判・1044頁・2色刷(一部4色刷)
  • ISBN 978-4-8306-4232-6
  • 2020年2月1日発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

診療放射線技師を目指す学生向けテキスト.新しい指定規則に沿って目次構成・執筆者陣も刷新した改訂版.好評を博した初版(2002年),第2版(2006年),第3版(2014年)の「診療放射線技師に必要な臨床のエッセンスを十分に盛り込む」編集方針を踏襲した.
国試の出題基準を第一義に据えつつ,新指導ガイドラインで重視された臨床実習で実践できる“現場のテクニック”から,AIをはじめとする最新情報まで,現代の学生に必要な知識を満載.前版に比べ写真サイズやレイアウトを大幅に見直し,ビジュアル的にパワーアップ.各学校の先生にとっては授業で使用しやすく,学生にとっては飽きさせないための工夫をちりばめ,本書で得た知識を即実践に繋げられる一冊を目指した.
卒後数年の診療技師にも基礎的内容の確認・最新情報参照資料として活用できる.
改訂第4版の刊行にあたって

 放射線技術学の進歩は目覚ましいものがあります.また診療放射線技師の携わる仕事は年々増えています.例えば胸や骨の単純X線撮影は,日本で年間約1億2千万件行われており,日本国民が毎年1回X線撮影を受けている計算になります.またCTは年間約3千万件,磁気を利用したMRIはその半分の年間約1千5百万件実施されていますので,それぞれ国民4人あるいは8人に1人が,年に1回CTあるいはMRI検査を受けていることになります.核医学検査ではSPECTに代わってPETが主流になることでしょう.
 これらの医療用画像はほとんどすべてデジタル画像です.容易にコンピュータで処理できますので,人工知能(AI)を使った画像診断の研究が世界中で行われています.これからは診療放射線技師もコンピュータ,人工知能の知識が不可欠になります.さらに遠隔医療も実用化されつつあります.
 また放射線治療は手術,抗癌剤を使った化学療法に次ぐ,第三の癌治療法として確立しました.例えば食道癌の治療では,放射線治療と抗癌剤を併用する化学放射線治療が第一選択となりました.これまで研究段階とされていた粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)も,2018年4月から患者数の多い前立腺癌・頭頸部腫瘍に保険適応が拡大され,もはや特殊な治療法ではありません.
 このように目覚ましく進歩する放射線診療に対応して,第4版では内容を大幅に刷新しました.
 1901年第1回ノーベル物理学賞は,X線を発見したレントゲン博士に授けられました.今から120年前のことです.それ以来,放射線の有効性と健康への影響の研究が続けられていますが,今なお低線量放射線の健康影響については十分解明されていません.2011年の東日本大震災,東京電力福島第一原子力発電所事故以来,国民の放射線への目は厳しくなっています.放射線を照射される患者は,心の中では不安な気持ちで一杯なことでしょう.
 大きな医療機器が備えられた部屋に案内された患者は,自分の病気への不安だけでなく,放射線検査・治療に対する不安,さらに自分が照射される放射線の健康影響に対しても不安があります.診療放射線技師は技術だけでなく,患者への説明を含め,患者接遇でもプロでなければなりません.
 2002年の第1版,2006年の第2版,2014年の第3版と本書は大変好評でした.改訂された第4版も放射線技術学を学ぶ学生のみならず,卒業後の臨床現場でも幅広く利用されることを心から祈っています.

2020年1月
遠藤啓吾
序章 放射線部門で働くための基礎知識
  医療人に必要なマナー
  インフォームド・コンセント
  個人情報保護
  放射線部門におけるリスクファクター
  放射線部門の医療安全

第1章 放射線画像検査技術
 1.画像検査の種類と特徴
  X線画像,CT,MRI,超音波画像の違い
  X線単純撮影の原理と特徴
  CTの原理と特徴
  MRIの原理と特徴
  超音波検査の原理と特徴
 2.デジタルX線撮影
  CR(コンピューテッドラジオグラフィ)
   a.原理とシステム構成
   b.画像処理技術
  FPD(フラットパネルディテクタ)
   a.原理とシステム構成
   b.画像処理技術(トモシンセシス撮影の原理含む)
  I.I.-TVシステム
  デジタル透視システム
 3. 人体の構造
  骨格系
  関節と靱帯
  脈管系
 4.撮像技術
  A.X線単純撮影
   X線単純撮影を始める前に
   頭部撮影
   胸部撮影
   腹部撮影
   脊椎撮影
   骨盤撮影
   胸骨,胸鎖関節,肩鎖関節,鎖骨,肋骨撮影
   上肢撮影
   下肢撮影
   歯科関連・パノラマ・歯科用CT
   乳房撮影
   トモシンセシス撮影
   上部消化管X線検査
   下部消化管X線検査
  B.血管撮影・血管系IVR(インターベンショナルラジオロジー)
   インターベンショナルラジオロジー(IVR)の概念
   頭部血管撮影・IVR
   心血管,胸部血管撮影・IVR
   腹部,四肢撮影・IVR
   非血管系IVR
  C.CT検査
   CT撮影を始める前に
   頭部・頸部のCT撮影
   胸部のCT撮影
   心臓・大血管のCT撮影
   腹部のCT撮影
   大腸のCT撮影(CTコロノグラフィ)
   骨盤のCT撮影
   脊椎・四肢のCT撮影
  D.MRI検査
   MRI検査を始める前に
   脳のMRI撮像
   乳房のMRI撮像
   心臓のMRI撮像
   腹部のMRI撮像
   骨盤のMRI撮像
   四肢関節のMRI撮像
   その他のMR撮像法(MRIによる血管撮影,脂肪抑制法,MR hydrography)
   臨床のMRスペクトロスコピー
  E.超音波検査
   乳腺・甲状腺検査
   心エコー検査
   腹部エコー検査
  F.小児画像検査
  G.救急撮影法
  H.造影剤(各種造影剤とその副作用)
  I.骨塩定量
  J.眼底検査
  K.オートプシー・イメージング(Ai)
 5.生体情報の画像処理
   医用画像処理の考え方と具体例
   デジタル画像の表示
   3次元画像処理
   コンピュータによる画像認知
    a.CADシステムと機械学習の概念
    b.人工知能(AI)の医療への利用
 6.生体情報のネットワークシステム(PACS)
   画像撮影,保存,読影のワークフロー
   画像情報ネットワークシステム
 7.医療(放射線関連)の品質保証

第2章 核医学検査技術
 1.核医学の基礎
  A.核医学検査を始める前に
   核医学検査の特徴と診療放射線技師としての職務
  B.放射性医薬品
  C.核医学装置
   ガンマカメラ・SPECT装置・SPECT/CT装置
   PET装置・PET/CT装置・PET/MR装置
   核医学関連装置
  D.核医学画像
   核医学画像の理論と特性
   画像処理
   画像再構成
   画像補正
    a.SPECT
    b.PET
   トレーサ動態解析
  E.撮像技術
   収集技術
   画像表示
 2.核医学検査法と核医学画像の診断
  A.ガンマカメラによる検査と画像読影
   脳神経系
   心臓
   骨・腫瘍系(骨・関節・腫瘍・炎症シンチグラフィ)
   内分泌系
   呼吸器系(肺換気・血流シンチグラフィ)
   肝・消化器系
   腎臓・泌尿器系
   センチネルリンパ節・血液・造血器
   小児核医学検査
  B.PET検査と画像読影
   脳神経系
   循環器系
   腫瘍系
  C.核医学診療の現状と将来
 3.核医学治療
 4.装置の保守・管理方法
   ガンマカメラ,SPECT装置
   PET装置
 5.付録
   核医学インビボ放射性医薬品一覧
   核医学前処置・負荷検査一覧

第3章 放射線治療技術
 1.放射線治療概論
  放射線治療を始める前に
  放射線腫瘍学の基礎知識
  放射線治療装置・器具
 2.線量測定・評価
  線量の定義,計測原理および線量計測器
  外部照射の線量測定
  小線源治療の線量測定
 3.治療計画・セットアップ
  患者固定と治療計画画像の取得
  標的体積と処方線量の設定
  照射野の設定
  線量分布計算法
  セットアップと位置照合
 4.外部照射術式と線量分布
  X線照射
  画像誘導放射線治療
  強度変調放射線治療(IMRT)
  脳・体幹部定位照射
  電子線照射・術中照射
  全身照射
  陽子線治療
  重粒子線治療
  ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
 5.小線源治療の適応疾患,術式と線量分布
  組織内照射
 6.疾患と照射術式
  脳・脊髄腫瘍
  頭頸部腫瘍
  肺癌
  乳癌
  消化器系腫瘍
  前立腺癌
  子宮癌
  悪性リンパ腫
  小児がん
  対症療法・緊急照射,良性疾患
 7.放射線治療装置の保守管理

第4章 放射線管理
 1.放射線施設の法的規制とその申請
 2.放射線施設の設計
  X線検査室
  核医学検査室
  放射線治療室
 3.安全管理のための線量測定器
  被ばく線量測定器
  環境測定器
  測定とその記録
 4.管理区域の設定
 5.医療被ばくの測定
  医療被ばくの現状とDRL
  医療被ばくの測定法
 6.医療被ばくへの対応
  患者への医療被ばくの説明
  患者からの医療被ばく相談への対応と例
 7.医療従事者の職業被ばく

付 録
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