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解剖知識に裏付けされた麻酔科臨床手技習得のバイブル!豊富なカラーイラストと画像によりビジュアルに理解できる!!

麻酔科プラクティス  4

スキルアップのための麻酔科臨床解剖

カバー写真
  • 編集:垣花 学(琉球大学)
  • 責任編集:山本達郎(熊本大学)
  • 責任編集 水本一弘(和歌山県立医科大学)
  • 責任編集 垣花 学(琉球大学)
  • 責任編集 加藤里絵(昭和大学)
  • 責任編集 佐藤暢一(東京都済生会中央病院)
  • B5判・224頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2850-4
  • 2021年5月10日発行
定価 12,100 円 (本体 11,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

シリーズ第4巻は,麻酔科医のスキルアップに繋がる「解剖」知識を解説.現代では超音波診断装置が手術室における麻酔診療に欠かせなくなっている等,数年前から医療環境が変わってきている.麻酔科医にとって見えるということはとても新鮮であり,現代の医療環境に合わせて新しい生体への見方・知識が必要になる.従来の生体モニタリングに関連する基礎解剖知識に加え,超音波画像を豊富に掲載し着目ポイントも解説.フルカラーの解剖イラストも満載.解剖知識の裏付けのもと,画像診断や,神経ブロック,気管挿管,カテーテル挿入,周術期管理の技術が向上する.

【シリーズの特徴】
現在の麻酔科臨床で特に注目の集まるトピックスや新たな課題を厳選し,フルカラーの誌面でビジュアルに整理・解説.若手からベテラン麻酔科医までを対象とし,臨床で役立つ最新かつ最良の意義深いテーマを提供する.
「スキルアップのための麻酔科臨床解剖」序文

 麻酔科医の臨床業務の多くを占めるのは,全身麻酔患者の全身管理です.覚醒時の人体は生体の恒常性を維持するために中枢神経を司令塔として,ミリ秒単位で自律神経バランスを厳密に維持し,さらにすべての臓器により酸塩基平衡,電解質バランス,エネルギー代謝などあまりにも多くのバランスおよび相互関係を調整しながら維持しています.麻酔科医は,このような人体の高度な機能をその診療行為により抑制し,人体の生命維持を危険な方向へと向けてしまっています.しかし,麻酔科医の絶え間ない観察と生体モニタリングにより,患者の安全性を担保しながら麻酔管理をしているのも事実です.
 ところで,麻酔科医はこれまで循環や呼吸の機能をモニタリングという手段を用いて,直視ではなく“想像”のなかで見守ってきましたが,現在ではこれまで見えなかったものを見ることができるようになってきました.これまで“想像”の中で診療をしてきた麻酔科医にとって見えるということはとても新鮮であり,また見えるようになってきたことによって生体構造への関心が高まってきたことも事実です.つまり,麻酔科医はこれまでになく生体の構造,いわゆる解剖に興味を抱くようになってきました.
 このような変化に先駆け,旧シリーズの「麻酔科診療プラクティス」において,「麻酔科医に必要な局所解剖」が2002年に刊行されました.多くの麻酔科医の手元に置かれましたが,あれからもう20年が経過しようとしています.この20年の中で麻酔科医を取り巻く医療環境が大きく変わってきましたが,特に非侵襲性,即時性そして携帯可能である超音波診断装置が手術室における麻酔診療に欠かせなくなってきたことが挙げられます.人体の解剖学的構造はこの20年で変化していませんが,これまで我々が見ることがなかった(興味を抱かなかった)部位の解剖学的理解が必要になってきたことから,時代に合った麻酔科医に必要な解剖書籍を創刊したいと考えました.
 今回の「スキルアップのための麻酔科臨床解剖」は,麻酔科医が診療をする上で知らなければならないことのみならず,知っていると麻酔による生体の変化をより理解でき周術期管理に大いに役立つテーマを盛り込んだつもりであり,きっと多くの麻酔科医に役立つものになると確信しています.

2021年4月
琉球大学 垣花 学
Ⅰ 中枢神経および末梢神経
 1 鎮静に関わる解剖
 2 脳波に関わる解剖
 3 鎮痛に関わる解剖
 4 経頭蓋的運動誘発電位モニタリングに関わる解剖
 [T]経頭蓋的運動誘発電位モニタリングの臨床応用の実際(ガイドライン)
 5 体位による末梢神経障害に関わる解剖

Ⅱ 呼吸器系
 1 咽頭・喉頭の解剖
 [B]麻酔科医に知ってほしい上気道と骨格の関係
 2 気管・気管支の解剖
 3 胸郭・肺の解剖
 [K&P]横隔神経走行と臨床
 4 声門上器具留置に必要な解剖
 5 気管挿管に必要な解剖
 6 経皮的輪状甲状膜切開・気管切開に必要な解剖

Ⅲ 循環器系
 1 心房と心室の解剖
 2 心臓弁手術の周術期管理に役立つ解剖
 3 冠動脈バイパス手術の周術期管理に役立つ解剖
 4 大血管手術の麻酔に役立つ解剖
 5 末梢動脈カテーテル挿入に必要な解剖
 6 中心静脈カテーテル挿入に必要な解剖
 [OPA]中心静脈カテーテル挿入による合併症と回避のコツ
 7 末梢挿入型中心静脈カテーテル挿入に必要な解剖
 [T]PICCの適切な位置とその誘導法

Ⅳ 区域麻酔・神経ブロック
 1 超音波ガイド下腕神経叢ブロック斜角筋間および鎖骨上アプロー
チに必要な解剖
 2 超音波ガイド下腕神経叢ブロック鎖骨下アプローチに必要な解剖
 3 超音波ガイド下腕神経叢ブロック腋窩部アプローチに必要な解剖
 [OPA]肩の手術では知覚ブロック以外に運動ブロックも確認しよう!
 4 脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔に必要な解剖
 5 傍脊椎ブロックに必要な解剖
 6 腹直筋鞘ブロックに必要な解剖
 7 腹横筋膜面ブロックに必要な解剖
 8 腰方形筋ブロックに必要な解剖
 9 腸骨鼠径・腸骨下腹神経ブロックに必要な解剖
 10 閉鎖神経ブロックに必要な解剖
 11 大腿神経ブロック・内転筋管ブロックに必要な解剖
 12 腰神経叢ブロック(大腰筋筋溝ブロック)に必要な解剖
 13 坐骨神経ブロックに必要な解剖
 14 前胸壁ブロックに必要な解剖
 15 脊柱起立筋ブロックに必要な解剖
 [OPA]超音波ガイド下神経ブロック技術向上にブロック針ガイドは有効か?

索 引

[T]=Topics
[B]=Basic
[K&P]=Knack & Pitfalls
[OPA]=One Point Advice