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周術期の輸液・輸血療法を最新のエビデンスと臨床現場での実践に基づき解説!エキスパートによる周術期管理に役に立つアドバイスや知恵も満載!!

麻酔科プラクティス  2

周術期の輸液・輸血療法 All in One

カバー写真
  • 編集:山本達郎(熊本大学)
  • 責任編集:山本達郎(熊本大学)
  • 責任編集 水本一弘(和歌山県立医科大学)
  • 責任編集 垣花 学(琉球大学)
  • 責任編集 加藤里絵(昭和大学)
  • 責任編集 佐藤暢一(東邦大学)
  • B5判・356頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2848-1
  • 2020年6月26日発行
定価 13,200 円 (本体 12,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

シリーズ第2巻は,「周術期の輸液・輸血療法」を徹底解説.現在,周術期の循環動態の管理には様々なモニターが開発され,患者様の安全性は格段に向上し,輸液・輸血療法の考え方も変化してきている.また,特に輸血療法に関しては、最近多くのガイドラインが作成・改訂され,輸血療法の標準化が進んでいる.さらに,大量出血時の対応についても,ただ輸血するだけではなく,凝固機能のモニターを行いながら,適切な対応を行うことが求められている.このような大きな変革に対応できるような構成となっている.本書は周術期管理を念頭に置いた麻酔科医向けの内容を中心としつつ,輸液・輸血療法のエキスパートによる最新の輸血の知識も網羅.今後の麻酔科臨床の向上に必ず役立つ情報となる.

【シリーズの特徴】
現在の麻酔科臨床で特に注目の集まるトピックスや新たな課題を厳選し,フルカラーの誌面でビジュアルに整理・解説.若手からベテラン麻酔科医までを対象とし,臨床で役立つ最新かつ最良の意義深いテーマを提供する.
「周術期の輸液・輸血療法All in One」序文

 今回,文光堂より麻酔科医を主な対象として「周術期の輸液・輸血療法」出版を企画いたしました.現在周術期の循環動態の管理にはさまざまなモニターが開発され,患者様の安全性は格段に向上しているところです.また,輸液・輸血療法の考え方も,変化してきています.また特に輸血療法に関しては,最近多くのガイドラインが作られ,また改訂され,輸血療法の標準化が進んでいるところです.また,大量出血時の対応についても,ただ輸血するだけではなく,凝固機能のモニターを行いながら,適切な対応を行うことが求められています.
 このような大きな変革の時に,時代に合った内容の「輸液・輸血療法」を出版することになりました.本書は周術期の管理を念頭に置いた麻酔科医向けの内容を多く含みますが,多くの輸血療法のエキスパートに最新の輸血の考え方を紹介いただいております.特に,「日本輸血・細胞治療学会」の先生方にガイドラインをはじめ,多くの内容をお願いいたしました.本書が今後の麻酔科臨床の向上に資するものであると確信しております.

2020年6月
熊本大学 山本達郎
Ⅰ 総 論
 1 体液の生理
  [K&P]“サードスペース” は,ない?
 2 栄養
  1)経静脈栄養
  2)経腸栄養
 3 経口補水
  [T]ERASプロトコル
 4 血液浄化と体液
 5 血液凝固の基礎
  [T]水とグリコカリックス

Ⅱ 輸液製剤の概要と適応
 1 目標指向型輸液療法
 2 細胞外液系輸液剤
  1)総論
  2)乳酸リンゲル液
  3)酢酸リンゲル液
  4)生理食塩液
  5)フィジオ140 輸液(1%ブドウ糖加酢酸リンゲル液)
  6)糖を含んだ細胞外液系輸液剤
  7)重炭酸リンゲル液
  [B]輸液製剤中の乳酸・酢酸の役割
  [B]アニオンギャップ
 3 維持輸液剤
  1)総論
  2)5%ブドウ糖液
  3)1号液(開始液)
  4)2号液(細胞内修復液/脱水補給液)
  5)3号液(維持液-1
  6)4号液(維持液-2/術後回復液)
 4 膠質液(ボルベン
 5 脂肪乳剤
 6 アミノ酸製剤
  [B]アミノ酸輸液と体温

Ⅲ 輸 血
 1 輸血製剤
 2 血漿製剤
  1)免疫グロブリン
  2)アルブミン製剤
  3)アンチトロンビン製剤
  4)凝固因子製剤
 3 不規則抗体
  [OPA]交差適合試験が間に合わない時の対応

Ⅳ 血液供給体制
 1 血液供給の現状
 2 災害時の血液供給体制
  [T]熊本地震時の血液供給体制
 3 ヘモビジランス

Ⅴ 輸血ガイドライン
 1 新しい赤血球製剤の使用ガイドライン
  [T]術前貧血補正と制限輸血(Bloodless Medicine)
 2 大量出血症例に対する血液製剤の適正な使用のガイドライン
 3 小児輸血のガイドライン
 4 新しい新鮮凍結血漿使用ガイドラインと大量輸血における使い方
 5 有害事象の予防と治療のガイドライン
 6 アルブミン製剤の使用ガイドライン

Ⅵ 輸血医療における止血戦略
 1 自己血由来フィブリン糊と止血戦略
 2 抗線溶療法と止血戦略─特にモニタリング方法と対処法─
  [B]クリオプレシピテート
  [B]濃縮フィブリノゲン製剤

Ⅶ 周術期の輸血療法
 1 Patient Blood Management(PBM)
 2 麻酔科医から見た周術期の輸血療法
  [OPA]高カリウム血症時の輸血

Ⅷ 輸血関連合併症・感染症
 1 Transfusion-Related Acute Lung Injury(TRALI)
 2 Transfusion Associated Circulatory Overload(TACO)
 3 血液製剤によるウイルス感染とその対策
  [T]E型肝炎
 4 輸血と細菌感染症―特に血小板製剤による感染―
  [K&P]予期せぬ抗体とその対応
  [B]ハプトグロビンの適応と作用機序

Ⅸ 自己血輸血
 1 自己血輸血の実施指針
 2 整形外科
 3 婦人科
 4 心臓血管外科

Ⅹ 各種手術の輸液・輸血戦略
 1 術中大量出血時の循環動態の管理─特に輸血との関係─
 2 産科領域の大量出血時の対応─特に止血戦略─
 3 成人心臓外科手術
 4 小児心臓外科手術
 5 脳神経外科手術
 6 肝移植・腎移植
 7 小児手術
 8 新生児手術
 9 外傷手術
  [OPA]熱傷時の輸液・輸血管理2

索 引

[T]=Topics
[B]=Basic
[K&P]=Knack & Pitfalls
[OPA]=One Point Advice