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アスレティックトレーナーを目指す学生・指導者必読のテキストシリーズ新定番!基礎から臨床医学をコンパクトに解説!!

アスレティックトレーナー専門基礎科目テキスト  2

スポーツ科学概論

カバー写真
  • 監修:河野一郎(筑波大学名誉教授)
  • 監修 片寄正樹(札幌医科大学教授)
  • 編集:広瀬統一(早稲田大学教授)
  • 編集 山本利春(国際武道大学教授)
  • A4判・268頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-5197-7
  • 2024年3月22日発行
定価 4,400 円 (本体 4,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの教育カリキュラム改訂に準拠し,その基礎科学に関する内容を補足する教科書シリーズの第2巻.JSPO-AT資格受験を目指す方,また,スポーツ系大学・専門学校で学ぶ初学者,アスレティックトレーナー等関連資格者を対象としている.
第2巻では,スポーツ科学に関する基礎的知識を解説した上で,その応用について,
①競技に必要なアスレティックパフォーマンスと測定評価&向上の取り組み例
②外傷・障害予防への知識の応用
③健康管理(疲労回復,トレーニング負荷管理など)
以上のような項目例を参考にスポーツ科学の知識を活かした実践的な応用例を解説,習得を目指した1冊.
「スポーツ科学概論」序文

 近年,スポーツが社会にもたらす価値について,様々な場所で論じられています.スポーツは気晴らしであると同時に,競技においてはフェアであるということに敏感という本質的な特性を有しています.このスポーツの公平性(equity)は社会のロールモデルとなるでしょう.また,スポーツあるいはプレーヤーがもたらす価値も多大です.米国で過去最高額の契約金を得た日本人プレーヤーは,コロナ禍において再燃したアジア人への差別意識の改善をもたらし,多様性(diversity)を尊重する社会の創生に貢献することが期待されています.さらにスポーツ活動そのものが,障がいをもつ人や外国籍の日本在住者が社会とつながる機会となり,包摂社会(inclusion)の実現に貢献することも期待されています.
 このようにスポーツがもつ本質的な特性から生まれる価値,スポーツやプレーヤーがもつ価値,そしてスポーツ活動そのものが媒体となって生み出される価値に加えて,スポーツやプレーヤーが発展する過程で生まれたものがもつ価値も,豊かな社会づくりに貢献します.その一つがパフォーマンス向上や傷害・疾病予防のためのコンディショニング,そして外傷・障害を負ってから競技復帰を円滑に支援するためのリコンディショニングに関する応用的な知識や技術です.トップアスリート,例えば100m走でオリンピックのメダリストになれるか否かは,0.04秒の差にかかっています.まさに決勝のその時刻に,この0.04秒の差を上回るか下回るかのために,長期,中期,短期的なコンディショニングを綿密に行うのです.また,受傷から競技復帰まで1年以上の月日を要する膝前十字靱帯損傷も,足が接地してから0.04秒程度で断裂に至ることが知られています.「どのように足をつくか」.このために,日々のコンディショニングやリコンディショニングを,予防や再発予防のために継続しているのです.パフォーマンス向上や外傷・障害の予防,すなわち「プレーヤー生命を豊かにする」ための取り組みは,当然のようにスポーツをするすべての人のプレーヤー生命を豊かにするだけでなく,障害の有無にかかわらず広く一般の人たちの健康増進にも貢献します.
 このように,プレーヤー生命の豊かさに直接的に貢献できる応用的知識や技術が生まれた根幹には,運動生理学やバイオメカニクスなど,基礎となるスポーツ科学の知識があることを忘れてはいけません.進化が目覚ましい現代のスポーツにおいて,プレーヤー支援はより高度化,多様化しながら,目覚ましい変化を求められています.このような変化に柔軟に対応し,最適解を導き出すためには,常に仮説を立案し検証し続ける能力が必要です.この仮説立案の根幹をなすのが,スポーツ科学の基礎的な知識なのです.
 本書には,上述した「プレーヤー生命を豊かにする」ための基礎的・応用的知識がわかりやすく示されています.そして本書の最大の魅力は,これらの知識が各分野における最先端の科学者や科学的支援者によって紹介されていることです.本書が,読者の皆様の今後の支援活動の礎になり,豊かな活動に結びつくことを願います.また,その支援活動によって多くのスポーツをする人の活動が豊かになることを,そして日本のスポーツそのものが日本の未来の豊かさに貢献できることを願います.
 最後に,本書の執筆をご快諾くださった先生方,そして本書の発刊にご尽力くださった文光堂の皆様に心から感謝申し上げます.

 2024年3月
 早稲田大学スポーツ科学学術院教授 広瀬統一
第1章 運動生理学
 1.筋生理
 2.神経生理
 3.代謝
 4.呼吸・循環
 5.内分泌

第2章 バイオメカニクス
 1.身体の力学的特性
 2.運動と力
 3.運動と力のモーメント
 4.流体力
 5.よい動きのバイオメカニクス的原則
 6.スポーツ動作の分析
  1 歩・走動作
  2 跳動作
  3 投動作
  4 打動作
  5 方向転換動作
  6 あたり動作
  7 滑走動作
  8 泳動作

第3章 コンディショニング科学
 1.コンディショニングの基礎
 2.トレーニング各論
  1 筋力・筋パワー
  2 柔軟性
  3 持久力
  4 スプリント(スピード)
  5 アジリティ
 3.運動制御・運動学習
 4.発育発達
 5.加齢学
 6.女性(性差)
 7.時間生物学
 8.環境による生理学的変化
  1 暑熱
  2 寒冷
  3 高地

第4章 スポーツ科学の知識を用いたアスリート支援の実践例
 1.健康管理への具体的実践例
  1 身体組成評価と調整(減量・増量など)
  2 リカバリー
  3 体力測定の立案とフィードバック
  4 スポーツ外傷・障害予防
 2.競技種目別の具体的実践例
  1 競技特性の分析
  2 サッカー
  3 柔道
  4 テニス
  5 野球

索 引