忙しい医師のための,使って覚える漢方チャート!
新刊使ってなんぼ!
外来 漢方診療フローチャート
内容
序文
主要目次
【本書の3大特徴】
①専門領域から即実践:まずは使いたい疾患・診療分野の漢方を試す.
②「使ってから読む」逆転学習法:効果を実感後に【基礎編】で理論を学ぶ.
③臨床の武器が劇的に増加:【実践編】でめまい・ぎっくり腰など31の疾患別処方をチャート化.一目でわかり外来で即役立つ.
「西洋医学に勝るとも劣らない」手応えを外来でぜひ実感してください!
「漢方薬」「漢方医学」に対して,どのような印象をお持ちですか?
①サプリメントのようなもの.効果は曖昧で医療者が使用するものではない
②古典をしっかり勉強して,弁証や脈診などができないと正規の使用はできない
この本を手にした読者のあなたは,①と②のどちらのタイプでしょうか?
日本人は「中庸」が大好きです.しかし,この「漢方」ということに関しては,どちらかの両極端に陥っている方が多いようです.
①の方に
読者自身がどこかに不調があって,本書に該当する症状があるとしましょう.ならば,「立ち読みで結構」ですから,そのチャートにしたがって服用してみてください.おそらく,「本書を購入してみよう」という気がおこるはずです.そして,欲が出てきたら他のページを開いてお読みください.きっと,「西洋医学に勝るとも劣らない」診療領域があることに気が付かれることでしょう.
②の方に
弁証や脈診・舌診・腹診などの基礎理論と漢方診察が有用であることは,決して誤りではありません.しかし,医療者は研究者ではありません.ある程度の習得段階までいけば,必要に応じて漢方薬を利用して問題はありません.ところが,真面目な方は「完璧な使用法から大きくズレないで漢方薬を使ってみたい」と考えて躊躇してしまうわけです.そのときに,自分の使いたい疾患・診療分野だけで結構ですので,本書の後半部分のチャートをマスターして,その漢方薬の処方にチャレンジしてみてください.この第1歩が踏み出せたら,その後に漢方医学の基礎理論を学習しても遅くはありません.畢竟,本書の前半部分(基礎編)は,使ってから読んでもらえば結構です.
①②の両者に,禅宗の「冷暖自知」という言葉で「漢方医学」のアドバイスをします.
「目の前にある水が,冷たいか暖かいか? どうすればわかるか?」
人の噂を聞いたり,あれこれ考えたりしても正しい答えにはなりません.しかし,答えを得ることは簡単なのです.実際に,水の中に手を入れるか飲んでみたら,「冷たさ」「暖かさ」を何の疑問もなく確実に味わうことができるのです.この教えは,すべての学問・人生に通じる名言だと思います.本書は人生には役立ちませんが,漢方医学という「水」の場所へ連れて行くガイドになると考えています.漢方が有用か無用かは,自分で試して判断してください.出身の大阪弁で締めくくります.「使ってなんぼ!」です.
2026年5月
センプククリニック 千福 貞博
本書の目的,読み方
本書のご利用に当たって
フローチャートの使い方
第Ⅰ編 基礎編
01 漢方医学と西洋医学の折衷のすすめ
COLUMN 特別講義:「百人一首」と「アタック25」から学ぶ漢方思考法
02 漢方医学・西洋医学の特徴
03 漢方医学の視点で体質と状態をみる
04 私の漢方診察ルーチン
COLUMN 補足:単按法について
MINI COLUMN 「速効性」と「即効性」
05 漢方を効かせるための工夫
06 副作用と運用上の留意点について
MINI COLUMN 甘草をいじめるのは,もうやめませんか?
第Ⅱ編 実践編
第1章 実践編のはじめに
第2章 頭部の症状
01 頭痛
02 めまい
MINI COLUMN 「朮」に関して
MINI COLUMN 本間棗軒[漢蘭折衷派]
03 耳鳴り
04 口渇・口乾
第3章 胸部の症状
05 感冒
MINI COLUMN 「中風」に関して
06 咽喉痛
07 咳・痰①(柴胡含有)
MINI COLUMN 柴胡湯など「柴」のつく漢方薬について
08 咳・痰②(柴胡非含有)
09 鼻炎・花粉症
10 動悸・心悸亢進
第4章 腹部の症状
11 食欲不振・胃もたれ,胸やけ,げっぷ
12 嘔吐
13 腹痛・胃痛
14 下痢
15 便秘
16 痔
17 頻尿・尿トラブル
第5章 四肢・関節の症状
18 痛み(全身版)
19 痛み(体幹および上肢[三焦]版)
20 腰痛
21 肩こり
第6章 全身症状
22 夏関連(夏バテ,熱中症)
23 虚弱体質
24 むくみ(浮腫・腫脹)
第7章 精神症状
25 不眠
26 イライラ
27 不安症・抑うつ
28 寝汗・多汗
第8章 女性の症状・愁訴
29 冷え性
30 月経痛・PMS
31 更年期障害
最後に●より深く漢方を学ぶための道しるべ
付録●疾患・症候別の漢方処方
索引