ベテラン循環器医に捧ぐ!「え,そうだったの!?」常識を覆す,明日の診療に役立つ小ネタ集
新刊[R-40推奨]
循環器診療のちょっとイイ話Ⅰ 今までの常識を疑え!の巻
内容
序文
主要目次
医学書は難しいと思っていませんか? 新しい知識やコンセプトがサクッと読めてスッと頭に入るそんな医学書があったらいいな,という希望に応えたのが本書『[R-40 推奨]循環器診療のちょっとイイ話』です.1 つのテーマをわかりやすいイラスト付きで4 ページの読み切り形式でまとめた全く新しいスタイルの医学的“読み物”です.本書は「今までの常識を疑え!の巻」です.
毎年,多くの論文が発表されます.そこから得られる知識や知見の中には今までの常識を覆すようなものも少なくありません.例えば,高カリウム血症は血清K 値 5.0 mEq/L 以上と定義されています.そのため,高カリウム血症を恐れるあまり,心不全や腎不全に有効とされるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬を十分に活用できないという問題がありました.ところが,最近,高カリウム血症は決して危険なものではなく,5.5 mEq/L までは正常範囲という新しいコンセプトが提唱されました.そうであれば,多くの症例でこれらの薬剤を使用して臨床転帰を改善させることができます.さらに,食事のカリウム制限も緩和され,快適な食生活を送れるようになります.新しい常識を知ることで,臨床が変わるのです.本書はそのような今までの臨床の常識を変えるような25 のテーマをセレクトしました.
書名の先頭にある[R-40 推奨]は,臨床経験を積んだ40 歳以上の医師という意味です.頼りがいのあるベテランである医師にこそ新しい常識を知っていただき,臨床をアップデートしてほしいという思いを込めたものです.勿論,若い医師でも面白く読んでいただけると思います.
病気の見方が変わり,患者への指導が変わり,診療がグレードアップするものと確信しています.本書を明日からの臨床に活かしていただければ幸いです.
伊藤 浩
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