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脊椎内視鏡下手術スキルを身につけるためのスタンダードテキスト!

スキル関節鏡下手術アトラス  

脊椎内視鏡下手術(電子版のみ)

カバー写真
  • 監修:越智光夫(広島大学教授)
  • 編集:吉田宗人(和歌山県立医科大学教授)
  • B5判・402頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2732-3
  • 2013年5月23日発行
定価 22,000 円 (本体 20,000円 + 税10%)
なし
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内容

序文

主要目次

わが国を代表する脊椎外科医により,脊椎内視鏡下手術の基礎から応用までを幅広く網羅した内容.カラー写真と手術全体の流れやポイントを示したカラーシェーマを多用して,解りやすく解説されている.手術手技は,ベーシック,アドバンス,フロンティアと分け,読者の習熟度に合わせて読むことができるよう工夫されている.また,読者が疑問に感じると思われる論点は,内視鏡下手術Q&Aとして随所に掲載.その他,解剖やバイオメカニクスや診断法など,脊椎内視鏡下手術には必須の知識がふんだんに盛り込まれた内容となっている.
☆図版27点,表組12点,カラー写真348点,モノクロ写真35点
脊椎内視鏡下手術
企画にあたって

 わが国で脊椎内視鏡下手術が本格的に始まってから,早くも15年以上が経過しました.最初の数年はこの技術が大きな合併症もなく安全に広まることに重点が置かれましたが,内視鏡下手術システムの改良,光学器機の格段の進歩に加え,内視鏡下手術に独特の器機の開発がより脊椎内視鏡下手術を推し進めてきました.
 しかし,脊椎内視鏡下手術が今日,わが国でここまで広まったのは当時の日本整形外科学会理事長であられた山本博司先生や慶應義塾大学整形外科教授の戸山芳昭先生をはじめ,脊椎内視鏡に理解のある先生方のご支援が大きかったことは忘れてはなりません.すなわち,いち早く日本整形外科学会の内視鏡下手術技術認定医制度が設立されたことに加え,毎年行われる内視鏡下手術の技術講習会が大きな原動力になったことはいうまでもないでしょう.
 本書では先端の脊椎内視鏡下手術の技術が学べるよう,わが国を代表する精鋭の先生方に分担をお願いして執筆していただきました.
 まずは内視鏡を用いるうえでの機能解剖を理解して,手術をするための基本手技を解説してもらいました.全般を通じては手術用語の統一をできる限り図りました.手術の手順は大切なのでできるだけわかりやすいかたちで執筆をお願いしました.内視鏡の刺入ポイントもランドマークを示して具体的に解説をお願いしました.
 内視鏡下手術はよくピンポイントサージャリーといわれます.従来法のように疑わしきは罰するのではなく,障害神経のみを除圧手術することが低侵襲の意義に適うからです.したがって手術書にしては異例のことかも知れませんが,あえてfailed back surgery syndrome(FBSS)を防ぐための診断学を入れています.参考にしていただければ幸いです.
 本書の特徴としてまずは“Basic”な技術を理解して,次に“Advance”の技術,最後に“Frontier”の適応へと項目を順に分けたのは,内視鏡下手術を安全にマスターするための大切な点を踏まえてのことです.すなわち合併症を起こさずに手術を成功させていくには,適応が先にあるのではなく,まずは自分の実力にあった症例を選んで,その手術の経験を十分に積んで難易度を上げていくことが大切であると思うからです.
 さらに読者の方が疑問に思われるであろうと考えられる論点をQ&A のかたちで,本文中の関連する場所に配置しています.これは編者の今までの経験から多くの方に質問いただいたなかから選んでおります.しかし,幾つかは自身の問でもあります.興味深く読んでいただければ幸いです.
 今後ますます脊椎内視鏡下手術が発展していくことを祈念するとともに,本書が少しでもそのお役に立てればこのうえもない幸いです.

2013年5月吉日
和歌山県立医科大学教授
Ⅰ.脊椎の解剖と機能
 1.内視鏡下手術のための腰椎の機能解剖と病態 
 2.内視鏡下手術のための頚椎の機能解剖と病態
II.脊椎内視鏡下手術のための基本手技
 [MED]
 1.ベーシックセットアップ
 2.手術器具
 3.刺入のポイントおよび操作時のレトラクターの傾きと内視鏡,カメラワークの関係
 4.適切な進入のコツ
 5.内視鏡下の正常解剖
 [PED]
 1.ベーシックセットアップ
 2.手術器具
 3.刺入のポイントー経頚椎間孔法と経椎弓間法
 4.内視鏡下の正常解剖
[胸腔鏡下手術]
 1.手術器具と内視鏡下解剖
[腹腔鏡下手術・後腹膜鏡下手術]
 1.手術器具と内視鏡下解剖
III.脊椎の内視鏡所見
 1.MEDでみられるさまざまな異常所見
 2.各種神経根奇形とその神経走行異常からみた操作上の注意点
 3.頚椎神経根症手術でみられる頚椎神経根の走行バリエーション
 4.PEDでみられる様々な異常所見
IV.FBSSを防ぐための診断学
 1.電気生理学高位診断法
 2.内視鏡下手術でピンポイントサージャリーを行うための画像診断-MRI・3D-MRI
 3.内視鏡下手術でピンポイントサージェリーを行うための画像診断-3D-CT
Ⅴ.脊椎内視鏡下手術とそのスキル
 Basic [MED]
 1.椎間板ヘルニアに対するMED
 2.外側ヘルニアに対するMED
 3.外側陥凹部狭窄に対する除圧術
 Basic[PED]
 1.safety triangle 進入のコツ
 2.頚椎椎間板ヘルニアに対する脊椎内視鏡下後方髄核摘出術
 3.外側ヘルニア摘出術
 Basic[胸腔鏡下手術]
 1.基本手技のポイント
 2.側彎症手術のポイント
 Basic[腹腔鏡下手術・後腹膜鏡下手術]
 1.腹腔鏡下手術の基本手技のポイント
 2.後腹膜鏡下手術の基本手技のポイント
 Advance [MED]
 1.central herniaに対するMEDのポイント
 2.migrated herniaに対するMEDのポイント
 3.再発ヘルニアに対するMEDのポイント
 4.後方椎体突出骨片摘出術のポイント
 5.腰部脊柱管狭窄症に対する除圧-ME-MILD
 6.腰部脊柱管狭窄症に対する除圧-片側進入両側除圧
 7.腰部脊柱管狭窄症に対する除圧-MEPA
 8.分離症による神経根症に対する分離部除圧のポイント
 9.facet cystの摘出
 10.すべり症に対する除圧術のポイント
 11.椎間孔狭窄に対する椎間孔拡大術(L5/S1を除く)
 12.L5/S1椎間孔狭窄に対する除圧術
 13.頚髄症に対する頚椎内視鏡下椎弓形成術
 14.頚椎神経根症に対する椎椎間孔拡大術
 15.胸椎黄色靱帯骨化症に対する内視鏡下骨化摘出術
 Advance [PED]
 1.central herniaに対するPEDのポイント
 2.migrated herniaに対するPEDのポイント
 3.頚椎神経根症に対するPEDのポイント
 Advance [特殊な手術]
 1.圧迫骨折に対する内視鏡下椎体形成術
 2.化膿性脊椎炎に対する内視鏡手術
 Frontier
 1.ナビゲーション支援内視鏡手術
 2.超音波骨メスSonopet®を用いた内視鏡下手術
 3.脊椎変性疾患に対する内視鏡下tandem operation
 4.PED の骨性除圧
 5.経皮的内視鏡下椎弓黄色靱帯切除術
VI.脊椎内視鏡下手術の合併症
 1.内視鏡手術を安全に施行するために
 2.MED後の硬膜外血腫-止血法から予防対策まで
 3.部位誤認の予防法
 4.硬膜損傷-損傷硬膜の処置(パッチテクニック)
 5.神経根障害の予防
 6.術後性後根神経節関連神経痛
 7.ドレーンの挿入にからむ問題ー不適切挿入の原因,断端の遺残
 8.頚椎経皮内視鏡下経椎弓アプローチとDRGの刺激
VII.脊椎内視鏡下手術後のリハビリテーション
 1.術後QOLの評価ーMELと従来法との比較
 2.術後リハビリテーション
VIII.脊椎内視鏡下手術に役立つ各種資料
 1.クリニカルパス(患者用,スタッフ用)
 2.内視鏡下手術のためのインフォームドコンセント
和文索引
欧文索引