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バランスに関する知識の整理と評価方法,臨床での考え方や練習方法に役立つ1冊!

明日の運動療法を磨く理学療法プラクティス  

こだわり抜くバランス練習

カバー写真
  • 常任編集:斉藤秀之(筑波大学グローバル教育院教授)
  • 常任編集 加藤 浩(山形県立保健医療大学教授)
  • ゲスト編集:望月 久(文京学院大学名誉教授)
  • B5判・280頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-4599-0
  • 2022年7月26日発行
定価 5,940 円 (本体 5,400円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

PARTⅠではバランスの捉え方や基本的な身体機能・運動学習との関連,バランスの発達について,PARTⅡでは評価の考え方,臨床的評価および重心動揺計による評価などを,PART Ⅲ~Ⅴではバランス低下が動作上の問題となりやすい神経・運動器疾患,小児・高齢者を取り上げ,実際のバランス練習について解説.豊富な図と一部の項目では動画により,バランス改善が必要な対象者の状態や動作の目的に適した多様な視点からのアプローチをするための手助けとなる書.
「こだわり抜くバランス練習」序文

 「バランス」は,動作における安定性の程度を表す用語である.動作の安定性は動作を転倒せずに安全に,またより効率的に行うための基盤となるので,日常生活における基本的な動作から,スポーツにおけるより難度の高い動作に至るまで共通して必要となる動作を見る視点である.また,バランスを担う身体機能をバランス能力と捉えると,バランス能力には神経系による姿勢調節機能をはじめ,筋機能,骨関節機能など多くの身体機能要素が関連するため,バランスの改善を目的とするバランス運動には対象者の状態や動作の目的に適した多様な視点からのアプローチが必要になる.
 本書はバランス練習の全体的な理解を目的に,前半でバランス練習を考える際に必要となるバランスに関する基礎的知識とそれに基づく評価方法を述べ,後半ではバランスやバランス能力の多様性を考慮して,種々の疾患や障害に対するバランス練習についてオムニバス的に紹介する構成とした.PART Ⅰでは,バランスに関する基礎的知識の理解を目的に,バランスの捉え方や基本的な身体機能との関連性,バランスの発達や運動学習との関連について解説していただいた.PART Ⅱではバランスの評価について,基本的な考え方,臨床的評価およびバランスの定量的評価に使用される重心動揺計による評価について解説していただいた.そしてPART Ⅲ~Ⅴでは,バランス低下が動作上の問題となりやすい神経疾患,運動器疾患,小児・高齢者を取り上げて,実際のバランス運動について解説していただいた.また,ミニレクチャーとしてバランス練習に関連するトピックを加え,バランス練習の理解の幅を広げるようにしている.本書がバランスに関する知識の整理に役立ち,臨床でのバランス練習の考え方や練習方法の参考になれば幸いである.
 最後に,本書の執筆時期が新型コロナウイルス感染拡大,蔓延の時期と重なり,執筆が大幅に遅れました.その間,さまざまなご援助をいただき,発刊までご尽力いただきました文光堂の奈須野剛弘様に感謝申し上げます.

2022年6月
ゲスト編集 望月 久
PART Ⅰ バランスの捉え方と基礎知識
 1 バランスとは
 2 姿勢制御とバランス
  MINI LECTURE 姿勢反応と予測的姿勢調節
 3 感覚入力とバランス
  MINI LECTURE 垂直性の認知とバランス
 4 体幹とバランス
 5 足・足趾機能とバランス
  MINI LECTURE 筋力とバランス
 6 運動学習とバランス
 7 バランスの発達

PART Ⅱ バランスの評価
 1 バランス能力評価の考え方
 2 バランスの臨床的評価
  MINI LECTURE 静的バランスと動的バランス
 3 重心動揺計を用いたバランスの評価
  MINI LECTURE stabilogram-diffusion analysis(SDA)

PART Ⅲ 神経疾患に対するバランス練習
 1 片麻痺のバランス改善
  MINI LECTURE バランス練習に用いられる用具─バランスボール,バランスマット,レッドコード
 2 運動失調のバランス改善
  MINI LECTURE バーチャルリアリティを用いたバランス練習
 3 パーキンソン病のバランス改善
 4 前庭機能障害のバランス改善

PART Ⅳ 運動器疾患に対するバランス練習
 1 下肢機能障害のバランス改善
 2 腰部・脊柱疾患のバランス改善
 3 脊髄損傷のバランス障害
  MINI LECTURE ロボットを用いたバランス運動
 4 スポーツ障害のバランス改善

PART Ⅴ 小児・高齢者に対するバランス練習
 1 小児疾患のバランス改善─脳性麻痺,発達障害児へのアプローチ
 2 高齢者のバランス改善─フレイル,プレフレイルへのアプローチ
 3 転倒予防へのアプローチ─地域での転倒予防活動の進め方

索 引