便秘・下痢で迷わない!「どこを診て,どう対応するか」がすぐわかる実践ガイド
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便秘・下痢の診かた・治しかた
内容
序文
主要目次
便秘や下痢をはじめとする「便通異常」は,日常診療において最も遭遇する頻度が高い主要症候のひとつです.患者が訴える症状はシンプルでありながら,その背景に潜む病態は多様で,機能性消化管疾患から器質的疾患,薬剤性,全身性疾患の初発症状に至るまで多岐にわたります.そのため,一見すると対応が容易に思える症候であることから,画一的な処方や対応にとどまり,十分な治療効果が得られないまま患者の生活の質が損なわれ続けているケースも少なくありません.
近年の消化器病学や関連領域の進歩に伴い,便通異常に対する病態解明や診療ガイドラインの整備,新規治療薬の開発は目覚ましいものがありますが,多忙を極める臨床現場において,最新の膨大な知見を体系的に把握し,目の前の患者に即座に応用することは容易ではありません.
本書はこうした実情を踏まえ,主訴から的確な診断へ導くプロセスと,根拠に基づいた実践的な治療法を最短距離で提示することを目指しました.単なる疾患の解説にとどまらず,プライマリケアを担う総合診療医や一般内科医から,より深い専門性を求められる消化器専門医まで,幅広い領域の医師にとって直ちに役立つ知識を網羅しています.さらに,内科,外科,産婦人科,小児科,心療内科など,領域横断的な視点からアプローチすることで,単一の診療科だけではとらえきれない多角的な診療指針を提供しています.
診療の合間や,判断に迷った瞬間にパッとページを開き,知りたい情報を即座に確認・参照できるよう,視覚的・構造的な工夫を随所に凝らしました.診察室のデスクやポケットに常備し,診療中あるいは患者を診た直後の振り返りなど,日常診療のパートナーとして,末永くご活用いただける実践的なハンドブックとなっています.
本書が,日々の多忙な診療現場において確かな道標となり,迅速で的確な診断と,より高い治療効果へとつながる一助となれば幸いです.
2026年9月
川崎医科大学検査診断学 教授
眞部紀明
A.慢性便秘症の疫学
1 なぜ,治療が必要なのか?
B.慢性便秘症の診断
1 定義は? また,どのように分類されるの?
2 慢性便秘症を見抜く問診のコツ
3 鑑別すべき疾患には,どのような疾患があるの?
4 慢性便秘の病態評価法は?
5 知っておくべき腸管拡張を呈する難治性便秘は?
a.巨大結腸症
b.慢性偽性腸閉塞症
c.その他(神経・代謝・薬剤)
C.慢性便秘症の治療
1 生活習慣・食事指導をどうすべきか?
2 内科的薬物治療の基本戦略とは?
a.内科的薬物治療の総論
b.新規便秘治療薬(3剤)の使い分け
c.漢方薬を用いた最適な治療法は?
d.刺激性下剤の最適な使い方とは?
e.費用対効果を考慮した治療法は?
3 機能性便排出障害への対応は?
4 専門医(専門施設)への紹介の基準は?
D.慢性便秘症に対する症例ごとの最適な治療法の提案
1 薬剤性・医原性便秘への対応とは?
a.オピオイド誘発性便秘(OIC)
b.向精神薬による便秘症
2 併存疾患に伴う便秘への対応とは?
a.糖尿病に合併した便秘
b.循環器疾患に合併した便秘
c.神経疾患(パーキンソン病など)に合併した便秘
d.慢性腎臓病(透析を含む)に合併した便秘
3 配慮を要する患者における便秘への対応とは?
a.フレイル高齢者における便秘
b.妊婦の便秘
c.小児の便秘
第2章 慢性下痢症
A.慢性下痢症の疫学
1 なぜ,治療が必要か?
B.慢性下痢症の診断
1 定義と分類
2 鑑別すべき疾患
3 慢性下痢症の診断で特に注意すべき病態とは?
4 慢性下痢症の鑑別疾患として日常診療で知っておくべき疾患
a.薬剤性
b.慢性感染症
c.炎症性腸疾患(IBD)
d.内分泌疾患など
C.慢性下痢症の治療
1 生活習慣・食事指導をどうすべきか?
2 内科的薬物治療の基本戦略とは?
3 専門医(専門施設)への紹介の基準は?
索引