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大腸がん治療ガイドラインに記載された化学療法を理解し実践するための最適な解説書

Knack & Pitfalls  

ガイドラインに沿った

大腸癌化学療法の要点と盲点(電子版のみ)

カバー写真
  • 編集:杉原健一(光仁会第一病院)
  • 編集 島田安博(高知医療センター)
  • 編集 室 圭(愛知県がんセンター)
  • B5判・192頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-1887-1
  • 2014年11月1日発行
定価 8,250 円 (本体 7,500円 + 税10%)
なし
在庫
電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

[大腸癌治療ガイドライン 医師用2014年版]に記載されている化学療法に準拠し,実践に応用するためのコツ,レジメンの実践的な使い方,ガイドラインの行間を埋める知識を盛り込んだ,大腸癌化学療法の決定版.臨床で疑問に思った事柄の解決の参考になるよう,大腸癌化学療法のエキスパートの叡智が集結した1冊.
☆図版87点,カラー写真2点,モノクロ写真1点

【シリーズの特色】
外科手術の際に知っておきたいコツ,陥りやすい落とし穴を,的確なカラー写真と美しいシェーマで解説.執筆者の経験に基づく教訓を大胆に編集.手術手技に限らず,診断から術後管理に至るまで,手術に役立つ実際的知識を満載.簡潔で分りやすい記述と全頁カラーのvisualな誌面.レジデントも手術のベテランも,自分の興味とレベルにあわせて,読みたい項目を選んで読める.
序 文

 イリノテカン(CPT-11)やオキサリプラチンの導入により2000年に入ってから大腸癌の化学療法の治療成績が飛躍的に改善し,2005年に「大腸癌治療ガイドライン」が発刊されたことにより,標準化学療法が全国に浸透しました.その後,2000年代半ばから分子標的治療薬を用いた臨床試験の結果が次々に報告され,臨床に導入されてきたことから,標準治療としてのレジメン数が多くなり,臨床現場ではどのレジメンをどのような基準で選択したら良いのかが大きな問題となってきました.
 講演などの際によく受ける質問には,① 一次治療としてのレジメンを選択する基準は何なのか,最も治療効果の高いレジメンを選ぶのか(治療効果の高いレジメン同士を比較したランダム化比較試験(RCT)は殆どない),その治療効果の判定としては無増悪生存期間(PFS)が良いのか全生存期間(OS)が良いのか,患者さんの腫瘍の広がりに応じて選ぶのが良いのか,KRAS野生型ではベバシズマブか抗EGFR抗体薬か,副作用の種類と程度とコントロールのしやすさを選択基準に入れていいのか,有害事象が出た場合は維持療法にするのか二次治療に移行するのか,② 二次治療に移行するタイミングはいつか,一次治療としてのFOLFOX療法の後はFOLFIRI療法かIRIS療法かCPT-11療法か,BBPを行うのか抗EGFR抗体薬にするのか,③ 三次治療ではレゴラフェニブ療法かTAS-102療法か抗EGFR抗体薬の再導入か,などがあります.これらの質問に明確に答えることはなかなか難しく感じています.
 本書は狙いとして,「大腸癌治療ガイドライン 医師用2014年版」に記載されている化学療法に準拠して,それらを更に深く理解し,実践に応用するためのコツ,記載されているレジメンをいかに上手に使うか,ガイドラインの行間を埋める知識,レジメンを駆使している先生方の経験に基づいた化学療法の考え方,などを大腸癌の化学療法に携わっている多くの先生方に知ってもらうために企画しました.臨床で疑問に思った事柄の解決の参考になるような構成にしてあります.ぜひ,手元において活用していただければと思います.

2014年10月
杉原健一
島田安博
室  圭
I 総論
 1. 切除不能進行再発大腸癌化学療法の標準的治療
 2. 大腸癌治療ガイドライン2014年版アルゴリズムの解説
II 副作用マネジメント
 1. 大腸癌化学療法で起こり得る副作用と予防・対処法
  1) 白血球減少・好中球減少,血小板減少
  2) 悪心・嘔吐
  3) 口腔粘膜炎
  4) 下痢
  5) 手足症候群
  6) 抗EGFR抗体薬による皮膚障害
  7) 末梢神経障害
  8) アレルギー反応
  9) インフュージョンリアクション
  10) 間質性肺炎
  11) 肝機能障害
  12) 電解質異常
  13) その他の注意すべき副作用
 2. 副作用による休薬,投与量変更
III 治療変更の考え方
 1. 副作用による治療変更
 2. PDによる治療変更
 3. 効果が持続しているときの治療変更
IV 各論
 1. 各種レジメンの実際
  1) FOLFOX+Bmab,CapeOX+Bmab,SOX+Bmab
  2) FOLFIRI+Bmab
  3) FOLFOX+Cmab/Pmab
  4) FOLFIRI+Cmab/Pmab
  5) irinotecan 抵抗性に対するirinotecan+Cmab/Pmab
  6) FOLFOXIRI(+Bmab)
  7) sLV5FU2+Bmab,capecitabine+Bmab
  8) レゴラフェニブ(regorafenib:スチバーガ
  9) IRIS療法
 2. 一次治療をどのように選択して二次治療以降をどのように考えていくか?
  1) 一次治療としてFOLFOX/CapeOX+Bmab 療法を行う症例とは?
    二次治療をどうする?
  2) 一次治療としてFOLFIRI+Cmab療法を行う症例とは?
    二次治療をどうする?
  3) 一次治療としてFOLFOX+Cmab/Pmab療法を行う症例とは?
    二次治療をどうする?
  4) 一次治療としてFOLFOXIRI(+Bmab)療法を行う症例とは?
    二次治療をどうする?
  5) 一次治療としてsLV5FU2/Cape+Bmab 療法を行う症例とは?
    二次治療以降をどうする?
索引
ワンポイント・アドバイス
 ●切除不能肝限局転移に対する治療方針
 ●高齢者の全身化学療法
 ●肝転移に対するRFAの位置づけ
 ●肝動注療法の意義・位置づけと実際
 ●S-1による眼症状
 ●腹膜播種症例の治療方針
 ●メンテナンス療法の意義
 ●大腸癌の診断におけるPETの意義
 ●oxaliplatinのreintroductionの意義と実際
 ●RAS野生型をどう考えるか?
 ●術後補助化学療法としてFOLFOX/CapeOX療法施行後の再発症例の治療