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骨腫瘍病理診断のスタンダード!最新の知見を盛り込んだ,待望の改訂版!!

新刊

腫瘍病理鑑別診断アトラス  

骨腫瘍第2版

カバー写真
  • 編集:小田義直(九州大学教授)
  •     吉田朗彦(国立がん研究センター中央病院)
  • B5変型判・272頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2255-7
  • 2021年3月発行
定価 17,600 円 (本体 16,000円 + 税10%)
あり
在庫
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※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

腫瘍病理鑑別診断アトラスシリーズ「骨腫瘍」,待望の第2版.近年,分子生物学的解析により疾患概念が変化し,さらにはWHO分類第5版(2020)が発行されるなど,骨腫瘍の病理診断の考え方は日々更新されている.そうした状況を踏まえ,骨腫瘍の中でも高頻度のものを中心に,最新の知見を盛り込んで診断のポイントとなり得る組織像を供覧し,解説.そして骨腫瘍病理診断のスタンダードを示すとともに,鑑別診断,画像診断や治療法・評価など,病理診断に欠かせない知識も盛り込んだ.病理医はもちろん,骨腫瘍の診断・治療に携わるすべての医師必携の書.

第2版の序

 原発性骨腫瘍は発生頻度が低く一般病理医には馴染みがないため病理診断そのものに難渋することがまれではない.また他の腫瘍とは異なり画像所見が診断の鍵となることが多いなど特殊性もある.骨腫瘍の組織学的分類は腫瘍が産生する基質や細胞分化に基づいた分類が長らく使われてきた.しかしながら近年の画像診断や治療法の発達に加えて病理診断への分子生物学的解析法の導入により従来の疾患概念の変更が必要となるものが生じてきている.こうした背景から2013年に骨腫瘍のWHO分類第4版が出版され,さらに,2020年に第5版が出版された.内容の充実が望まれるところである.我が国では2013年のWHO分類第4版に準拠して2015年11月に日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍委員会より悪性骨腫瘍取扱い規約第4版が出版されたが,新しいWHO 分類に準拠したものが必要となってきている.
 骨腫瘍は軟部腫瘍に比較すると種類が少ないものの,極めてまれなものもありその全てを網羅するには紙幅が限られている.従って第2部では骨腫瘍の中でも頻度が高いものを取り上げ,最新の診断基準に沿った記載を交えて典型的な組織像を掲載するようにした.骨肉腫と軟骨肉腫に関しては診断する機会が多く,組織像にバリエーションが多いことや亜型によって治療法も異なることも考慮し多くの紙幅を割いた.第3部では骨腫瘍の病理診断を行うにあたってよく遭遇する組織学的所見を呈する腫瘍,すなわち骨形成性腫瘍,軟骨形成性腫瘍,巨細胞が多く出現する腫瘍,小円形細胞腫瘍および上皮様の形態を呈するものについて,経験豊富な骨病理医によってその鑑別を系統的に解説していただいた.
 骨腫瘍の正しい診断のためには病理医だけでは目的を達することができず,1950年代のJaffe’s triangle に象徴されるように放射線科診断医および整形外科医との密接な連携が必須である.さらに適切な治療のためにはこれに加えて放射線科治療医,腫瘍内科医,小児科医などとの連携も必要となってくる.第4部では数多くの骨腫瘍症例の病理診断,遺伝子診断,画像診断,および外科的・内科的治療に携わっている第一線の医師に最新の現状と実践的なことを解説していただいた.
 本書が多数の組織像を供覧することによって我が国での精度の高い骨腫瘍病理診断に寄与し,標準的なアトラスとして診断病理医はもとより,骨腫瘍の診断・治療を行う多くの医師に必携の書となれば幸いである.

令和3年2月
小田 義直
𠮷田 朗彦


 この「腫瘍病理鑑別診断アトラスシリーズ」は日本病理学会の編集協力のもと,刊行委員会を設置し,本シリーズが日本の病理学の標準的なガイドラインとなるよう,各巻ごとの編集者選定をはじめ取りまとめを行っています.

腫瘍病理鑑別診断アトラス刊行委員会
小田義直,坂元亨宇,深山正久,松野吉宏,森永正二郎,森谷卓也

第1部 検鏡前の確認事項
 Ⅰ.骨腫瘍のWHO分類第5版の概要
  1.疾患単位の追加
  2.疾患単位の削除
  3.gradeの変更
  4.その他の変更
 Ⅱ.骨腫瘍の頻度,年齢,発生部位
  1.骨腫瘍の発生頻度
  2.骨腫瘍の発生年齢
  3.骨腫瘍の発生部位
 Ⅲ.病理標本の取扱い方
  1.術中迅速診断
  2.生検検体
  3.手術検体

第2部 組織型と診断の実際
 Ⅰ.軟骨形成性腫瘍
  1.良性軟骨形成性腫瘍
  (1)骨軟骨腫,内軟骨腫,骨膜性軟骨腫
  (2)軟骨芽細胞腫と軟骨粘液線維腫
  2.中心性・末梢性・骨膜性軟骨肉腫
  3.特殊型軟骨肉腫
 Ⅱ.骨形成性腫瘍
  1.良性・中間群骨形成性腫瘍
  2.通常型骨肉腫
  3.特殊型骨肉腫
  4.表在性骨肉腫
 Ⅲ.線維性および線維組織球性腫瘍
  1.骨類腱線維腫と非骨化性線維腫
 Ⅳ.破骨細胞型巨細胞に富む腫瘍
  1.指趾骨巨細胞性病変と巨細胞修復性肉芽腫
  2.動脈瘤様骨囊腫
  3.骨巨細胞腫
 Ⅴ.脊索性腫瘍
  1.良性脊索細胞腫および脊索腫
 Ⅵ.血管性腫瘍
  1.血管腫および類上皮血管腫
  2.類上皮血管内皮腫および血管肉腫
 Ⅶ.その他の腫瘍
  1.単純性骨囊腫
  2.線維性骨異形成
  3.Langerhans細胞組織球症
  4.骨線維性異形成
  5.アダマンチノーマ
  6.Ewing肉腫とEwing様肉腫
  7.骨未分化多形肉腫と骨平滑筋肉腫
 Ⅷ.関節腫瘍
  1.腱滑膜巨細胞腫
  2.滑膜軟骨腫症
  3.滑膜脂肪腫

第3部 鑑別ポイント
 Ⅰ.骨肉腫との鑑別を要する骨形成性腫瘍
  1.骨肉腫の亜型と特徴
  2.髄内骨肉腫と表在性骨肉腫の関係
  3.組織所見からみた骨肉腫の鑑別診断
 Ⅱ.軟骨肉腫との鑑別を要する軟骨形成性腫瘍
  1.軟骨芽細胞型骨肉腫
  2.内軟骨腫
  3.軟骨芽細胞腫
  4.軟骨粘液線維腫
  5.線維軟骨性異形成
  6.線維軟骨性間葉腫
  7.滑膜軟骨腫症
  8.ピロリン酸カルシウム結晶沈着症
 Ⅲ.巨細胞の出現する腫瘍の鑑別
  1.臨床的事項
  2.組織学的診断時の注意事項
  3.多核巨細胞の出現する骨疾患の組織学的特徴 
 Ⅳ.骨小円形細胞腫瘍の鑑別
  1.Ewing肉腫といわゆるEwing様肉腫
  2.小細胞型骨肉腫とEwing肉腫
  3.骨リンパ腫
  4.形質細胞腫瘍
  5.間葉性軟骨肉腫と骨肉腫
  6.癌腫の転移
  7.その他の鑑別
 Ⅴ.転移性骨腫瘍と上皮様骨腫瘍の鑑別
  1.定義・概念
  2.鑑別の要点
  3.上皮様骨腫瘍の鑑別診断の実際

第4部 臨床との連携
 Ⅰ.骨腫瘍の手術療法
  1.骨腫瘍に対する標準的手術療法
  2.手術後の再建法
 Ⅱ.骨腫瘍の画像診断
  1.画像診断法
  2.核医学検査
 Ⅲ.悪性骨腫瘍の薬物療法および放射線療法
  1.病期分類
  2.薬物療法
  3.放射線療法
  4.医師主導臨床試験および治験
 Ⅳ.免疫染色と遺伝子診断
  1.骨形成性腫瘍
  2.軟骨形成性腫瘍
  3.小円形細胞腫瘍
  4.破骨細胞型巨細胞に富む腫瘍
  5.その他
 Ⅴ.骨肉腫の組織学的効果判定と切除縁評価
  1.骨肉腫の組織学的効果判定
  2.切除縁評価
 Ⅵ.病理診断報告書の記載
  1.病理診断報告書の構成
  2.病理診断
  3.病理所見(コメント)

索引