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日本肝臓学会編集の好評『NASH・NAFLDの診療ガイド』が6年ぶりの大改訂!

新刊

NASH・NAFLDの診療ガイド2021

  • 編集:日本肝臓学会
  • B5判・72頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2110-9
  • 2021年3月発行
定価 1,650 円 (本体 1,500円 + 税10%)
僅少
在庫

内容

序文

主要目次

本書全体を定義,疫学,病因・病態,検査所見,病理所見,治療,予後の全7章に分け,図表を多用し診療に役立つ最新情報を記載.また前版に引き続き,病理所見はアトラス形式を用いてわかりやすく提示.さらに,最新の診療ガイドラインに準拠するとともに,その一歩先を行く内容を盛り込むことで,NASH・NAFLD診療の現状とスタンダードを指し示した.本疾患に携わる多くの方々に手にとっていただきたい一冊.

序 文

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,最も頻度の高い肝疾患です.世界の各地域からの報告により差はありますが,現代人の約20%がNAFLDに罹患しており,その中の約10%,即ち全人口の約2%が病理学的に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と診断される進行性の肝疾患を有していると推計されています.勿論,全ての患者さんに肝生検を実施するわけにはいきませんから,その実態は不明です.
 同じく進行性の肝疾患であるウイルス性肝炎は,B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスの感染により引き起こされますが,ウイルス肝炎マーカーの測定により,その診断は比較的容易です.ウイルス性肝炎もNASHも肝癌のハイリスク群ですが,前者の場合は,ウイルス肝炎マーカー陽性者をリスク群とすることにより,効率的なサーベイランスが可能です.一方,NAFLDは頻度が高く,その中からNASHや肝癌のハイリスク群を拾いあげることは難しいのが現状です.
 治療に関しても,NASHとウイルス性肝炎のおかれている状況は著しく異なります.ウイルス性肝炎の場合は,C型肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)やB型肝炎に対する核酸アナログのように,特異的な治療薬があります.しかし,NASHの場合は診断されても,有効な薬物治療法が確立していないことが問題です.
 このように,NAFLD・NASHの診療に関してはバイオマーカーの開発などの新しいブレークスルーが必要であり,同時に新規の治療薬の開発が期待されています.
 NAFLD・NASHは肝臓学の研究,臨床において現在最重要のテーマの一つになっています.本書は,前著である「NASH・NAFLDの診療ガイド2015」を6年ぶりに大幅に改訂したものです.本疾患の現在おかれている状況を的確に纏め,今後進むべき方向を示す書籍として,多くの先生方に利用されることを期待しています.

2021年3月
一般社団法人日本肝臓学会理事長
大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
竹原徹郎

第1章 NAFLDの定義と分類
 1.非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDとは
 2.疾患概念の変遷と臨床現場での認識の変化
 3.NAFLDの定義(診療ガイドラインに準拠した定義)

第2章 NAFLDの疫学
 1.NASH・NAFLDの有病率
  1 有病率と性別・年齢・地域との関連
  2 有病率とBMIとの関連
  3 線維化への進展
 2.NAFLDにおける生活習慣病の頻度
 3.非肥満患者におけるNASH・NAFLDの有病率
 [memo]アジア人における非肥満NAFLD
 4.小児におけるNASH・NAFLDの有病率
 [memo]B, C型慢性肝炎治療後の脂肪肝

第3章 NAFLDの病因・病態
 1.NAFLDの基本的病因・病態
  1 肥満
 [memo]メタボリックシンドローム
 [memo]アディポサイトカイン
  2 インスリン抵抗性
 2.NAFLDの発症機序
  1 遺伝的素因
   1)PNPLA3 遺伝子
   2)NAFLD病態に関与するその他の遺伝子多型
    a.TM6SF2
    b.CKR
    c.MBOAT7
    d.DYSF
    e.PEMT
  2 脂肪肝形成にかかわる脂質代謝
   1)脂肪酸およびTG合成系
 [memo]adenosine monophosphate(AMP)activated protein kinase(AMPK)
   2)肝細胞での脂肪酸酸化
   3)肝細胞からのTGの血中放出
 3.脂肪肝に伴う肝細胞傷害の機序
  1 酸化ストレス
 [memo]活性酸素種(ROS)とROS消去系
   1)ミトコンドリアの異常
   2)ミクロソームおよびペルオキシソームの関与
  2 脂肪毒性
  3 腸内細菌叢の変化と自然免疫系
  4 NAFLD病態形成に関与するその他の要因

第4章 NAFLDの検査所見
 1.肝脂肪化診断に有用な画像検査
  1 腹部エコー検査
  2 VCTE
  3 MR spectroscopy(MRS)
 2.肝線維化診断に有用な血液学的バイオマーカーおよびスコアリングシステム
  1 肝線維化マーカー
  2 スコアリングシステム
 3.肝線維化診断に有用な画像検査
 4.肝生検の適応症例
 5.肥満・2型糖尿病患者におけるスクリーニング

第5章 NAFLDの病理所見
 1.はじめに
 2.病理所見
  1 ballooningの評価
  2 マロリー・デンク体の評価
  3 脂肪化の評価
  4 線維化の評価
 3.所見の記載と総合評価
 4.参考資料
 5.まとめ

第6章 NAFLDの治療
 1.はじめに
 2.NAFLDの治療方針
 3.食事療法・運動療法
 4.薬物療法
  1 糖尿病治療薬
   1)チアゾリジン薬
   2)SGLT2阻害薬
   3)GLP-1 受容体作動薬
   4)ビグアナイド薬(メトホルミン)
  2 脂質異常症治療薬
   1)スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
   2)フィブラート系薬剤
   3)エゼチミブ
  3 降圧薬
   1)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB),ACE阻害薬
  4 抗酸化療法
   1)ビタミンE
   2)ペントキシフィリン
   3)ベタイン
   4)瀉血療法
  5 肝臓用薬
   1)ウルソデオキシコール酸
   2)強力ネオミノファーゲンシー®
  6 現在開発中の薬剤
 5.外科療法
  1 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術,腹腔鏡下胃バイパス術
  2 肝移植

第7章 NAFLDの予後
 1.はじめに
 2.NAFLDの予後
 3.NAFLの予後
 4.NASHの予後
 5.NASH肝硬変
 6.NASH肝細胞癌の特徴