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婦人科超音波を用いた診断プロセスを,豊富な76症例で徹底解説!!

新刊

ここまで診れる!外来での婦人科超音波

診断プロセスが身につく76症例

カバー写真
  • 著:馬場一憲(埼玉医科大学総合医療センター)
  • B5判・204頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-3125-2
  • 2020年4月発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税)
あり
在庫
電子版販売サイト

※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

婦人科領域においては超音波検査だけで診断でき,MRIやCTよりも診断が正確であるケースも多い.本書は,単に婦人科疾患の超音波画像を提示するのではなく,最初に得られた画像から何を考え,次に何を確認するのか,見るべきポイントは何かを示し,診断に至るまでのコツと考え方の解説に重点をおいてまとめた症例集である.充実の76症例250枚を超える超音波画像で,外来で,自分で検査して,診断に至るプロセスを身につけよう.描出した超音波画像から可能性のある疾患を検索できる画像索引も必見.まとまった時間が取りにくい産婦人科医・検査技師が,手元に置いてすぐに臨床現場で活用できる一冊.

序文

 超音波診断装置は,1970年代後半から産婦人科領域で使われ始め,それまで教科書の常識とされてきた事を次々に書き換えながら急速に普及していきました.そして今日では,断層像の画質は格段に良くなり,経腟法,カラードプラ法やパルスドプラ法,3次元超音波も日常診療で使われる時代になりました.
 しかし,産科での画像診断がほぼ超音波だけで行われているのに対し,婦人科ではMRIやCTなどが主というケースも少なくない状況です.学会での発表でも,婦人科疾患に関してはMRIやCTの画像が主で,超音波ドプラ法で血流を評価していないものや,超音波の画像すら出していないものまであります.
 もちろんMRIやCTは優れた画像診断法であることは間違いありませんが,婦人科疾患に関しては超音波検査だけで診断できるケースや,MRIやCTよりも診断が正確であるケースも少なくありません.筆者は婦人科超音波の有用性を多くの先生方に知っていただき,もっと超音波を活用していただきたいとの思いを持ち続けていましたが,幸いなことに,文光堂の浅井麻紀社長から婦人科超音波診断に関する書籍の出版という機会を与えていただくことができました.
 筆者が東京大学医学部附属病院産婦人科で研修を受けていた時,「ゲダンケンガング(Gedankengang)」という言葉をよく耳にしていました.考えの道筋,論理,考え方という意味に捉えていましたが,診断が間違ったり処置や治療が間違ったりするよりは,ゲダンケンガングが間違っているほうが問題視されていたように記憶しています.
 超音波検査は,このゲダンケンガングが重要な検査法です.プローブを当てて何が見えているか考え,仮説をたて,それを確認するためには何を描出すればよいかを考え,自分でプローブを操作して見たいところや見つけたい所見を描出し,時に仮説を修正しながら最後に診断に至るという,正に謎解きのような面白みがあります.そして何より,外来で,自分で検査して,ほとんどのケースで診断まで至ることができるというメリットがあります.

 本書をまとめるにあたり,文光堂の皆様には,編集,校閲,図の調整など細かい部分にもご配慮いただきましたが,特に編集企画部の照屋綾乃氏,堀内珠理氏には大変お世話になりました.また,埼玉医科大学総合医療センター病理部の田丸淳一教授には病理診断についてご助言を頂きました.そして,何より,超音波検査をさせていただいた患者の皆様,その後の治療に昼夜を問わず献身的に働き続けている埼玉医科大学総合医療センター産婦人科の医局員の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです.

 本書は,単に婦人科疾患の超音波画像を提示するのではなく,最初に得られた画像から,何を考え,次に何を確認して,どう診断に至るかというゲダンケンガングに重点を置いてまとめさせていただきました.本書が婦人科診療に関わる多くの医師,検査技師の方々に婦人科超音波の面白みを感じていただき,実地臨床で活用し,少しでも患者様のメリットとなりますよう祈ってやみません.

2020年3月 
馬場一憲

画像索引

総 論
 1 下腹部の腫瘤・囊胞診断の基本
 2 経腟法のコツ
 3 超音波ドプラ法使用上の注意点
 4 3次元超音波の活用

症 例
[卵巣]
 001 内部が完全に無エコーな囊胞(1)
 002 内部が完全に無エコーな囊胞(2)
 003 充実部分を認めない大きな囊胞
 004 すりガラス状のエコーで満たされた囊胞
 005  不均一な内部エコーを有する大きな囊胞と見逃されていた小さな囊胞
 006 レース状のエコーを有する囊胞
 007 点状エコーのある卵巣囊胞
 008 輝度がやや高い粒状のエコーを有する囊胞
 009 多房性の囊胞(1)
 010 多房性の囊胞(2)
 011 高輝度な塊や線状エコーのある囊胞
 012 壁から隆起した充実部分がある囊胞(1)
 013 壁から隆起した充実部分がある囊胞(2)
 014 壁から隆起した充実部分がある妊娠中の卵巣囊胞(1)
 015 壁から隆起した充実部分がある妊娠中の卵巣囊胞(2)
 016 分娩後も残存した子宮内膜症性卵巣の囊胞
 017 層状構造と充実部分がある腫瘤
 018 充実部分を含む卵巣囊腫疑い
 019 充実部分のある2.5cmの卵巣囊胞
 020 卵巣の境界悪性腫瘍摘出後に出現した対側の小さな囊胞
 021 充実部分を含む小さな卵巣囊腫
 022 中隔の厚い囊胞
 023 一部の中隔が厚く充実性に見える囊胞
 024 中隔から隆起した充実部分のある卵巣囊胞
 025 多房性で中隔の一部に小さな充実部分のある卵巣囊胞
 026 壁の一部に多房性の塊のある囊胞
 027 中隔が厚く不整な多房性の囊胞
 028 破裂した中隔の厚い多房性囊胞
 029 無数の虫食い像や囊胞部分を含む大きな腫瘤
 030 一部に囊胞部分がある充実性腫瘤
 031 囊胞部分が混在する充実性腫瘤
 032 充実部分と囊胞部分がまだら状に混在した巨大腫瘤
 033 急速に腫大した充実性の卵巣腫瘤
 034 血流を認めない充実性の下腹部腫瘤
 035 ダグラス窩の充実性腫瘤
 036 乳癌術後の卵巣腫大
 037 胃癌治療後の両側の卵巣腫瘤
 038 卵巣囊腫茎捻転の疑い
 039 管腔構造を伴う卵巣囊胞?
 040 卵巣脇の充実性腫瘤
[子宮]
 041 高輝度な子宮腫瘤
 042 子宮内腔に突出する充実性腫瘤
 043 腫大した子宮と直腸背側の腫瘤
 044 子宮と離れた充実性の腫瘤
 045 無数の囊胞部分を含む子宮の腫瘤(1)
 046 無数の囊胞部分を含む子宮の腫瘤(2)
 047 無数の虫食い像や高輝度点状エコーを含む腫瘤
 048 囊胞部分と充実部分が混在した巨大な腫瘤
 049 筋腫分娩の疑い
 050 子宮頸管内の多房性の腫瘤
 051 子宮内腔の腫瘤
 052 子宮内膜が左右に分かれている
 053 子宮が極端に横に曲がっている
 054 子宮内容除去術後の大量出血
[腟]
 055 腟壁から隆起した充実性腫瘤(1)
 056 腟壁から隆起した充実性腫瘤(2)
[妊娠]
 057 異所性妊娠疑い
 058 卵管妊娠疑い(1)
 059 卵管妊娠疑い(2)
 060 見逃されていた胎囊
 061 子宮内容除去術後に残った胎囊
 062 頸管妊娠疑い(1)
 063 頸管妊娠疑い(2)
 064 帝王切開瘢痕部妊娠の疑い
 065 胞状奇胎疑い(1)
 066 胞状奇胎疑い(2)
 067 胞状奇胎疑い(3)
[他領域]
 068 上腹部の充実性腫瘤
 069 右下腹部の充実性腫瘤
 070 囊胞部分を含む巨大な充実性腫瘤
 071 壁から隆起した充実部分と水平像がある囊胞
 072 すじ状の腹水を伴う壁の厚い囊胞
 073 管腔構造の腫瘤
 074 中央が囊胞状になった巨大腹部腫瘤
 075 内部に大きな囊胞を含む充実性腫瘤
 076 直腸背側の充実性腫瘤

索 引