著:宮﨑 景(名古屋市立大学大学院医学研究科総合診療医学・総合内科学教授) B5判・120頁・2色刷ISBN 978-4-8306-1034-92026年9月17日発行予定 定価 4,180 円 (本体 3,800円 + 税10%) なし 在庫
内容序文主要目次身体診察を「チェックリストをなぞるだけ」で終わらせていませんか?身体診察のエビデンスをまとめたロングセラー,待望の第2版では,膨大なエビデンスから現場で優先すべき実践的所見を厳選し,その意義と診断価値をわかりやすく解説.OSCEなどの医学教育の変化に対応するとともに,診察マナーやAI時代の身体診察の位置づけについても網羅しました.「必要な患者に必要な診察」を実践し,自信を持って診療に臨むための決定版.これから身体診察を学ぶ人へ,学び直したい医療者へ贈る1冊です.第2版序文 医学生だった頃,私は身体診察を「とにかく漏れなく行うもの」と考えていました.診察手技のチェックリストをなぞるように,一つひとつを網羅的に練習していましたが,なぜこの診察をするのか」「この所見は診断にどれほど役立つのか」がわからず,どこか腑に落ちない思いを抱えていました. その後,身体診察にも診断精度を示すエビデンスがあり,所見の一つひとつに異なる診断価値があることを知りました.この気づきは,私の考え方を大きく変えました.身体診察とは,すべてを機械的に行うものではなく,病歴から診断仮説を立て,それを検証するために何を取りにいくかを選び取る営みなのです.エビデンスを知ることで,「必要な患者に,必要な診察を行う」という診療の本質がみえるようになりました. この視点は,AIや画像診断が急速に発展する今,かえって重みを増しています.AIがどれほど優れた推論を返しても,その入力の基となる所見を患者から取り出すのは,ベッドサイドに立つ医師です.取られなかった所見は,どのデバイスにも渡すことができません.無論,患者に触れ,表情や息づかいを感じ取り,安心感を届けることもまた診察の大切な役割です.だからこそ,漫然と手を動かすのではなく,何を取りにいくべきかを判断できる力を,今改めて身につける必要があると考えています. 身体診察のエビデンスをまとめた優れた教科書は数多く存在します.しかし,網羅的である一方,日常診療や研修医教育で「まず押さえるべき身体所見」を学ぶには,必ずしも使いやすいとはいえません.本書は,そうした思いから生まれました.膨大なエビデンスのなかから,診療現場で優先度が高く,実践的に役立つ所見を厳選し,その意義と診断価値をわかりやすく解説することを目指しています. 第2版では,新たなエビデンスを取り入れるとともに,OSCEをはじめとする医学教育の変化にも対応しました.診察手技だけでなく,患者への接し方や診察時のマナー,AI時代における身体診察の位置づけについても内容を充実させています. 本書が,研修医や医学生はもとより,身体診察を学びなおしたいすべての医療者にとって,診療の傍らで繰り返し開かれる一冊となれば幸いです. 2026年9月 名古屋市立大学大学院医学研究科総合診療医学・総合内科学 宮﨑 景1 身体診察法概論 ①身体診察とは何か ②AI時代に身体診察を学ぶ意味 ③身体診察の進め方 1)包括的身体診察と仮説駆動型身体診察 2)診察前に考えること 3)診察中の基本原則 ④診察に際してのマナーと患者への配慮 ⑤身体診察の基本技能 1)視診 2)触診 3)打診 4)聴診 ⑥所見の解釈・記録・報告 1)所見は「観察事実」と「解釈」を分ける 2)正常所見を省略しすぎない 3)診察後に統合する ⑦よくある誤り2 全身状態とバイタルサイン ①第一印象 ②身体計測 ③バイタルサイン 1)体温 2)呼吸 3)橈骨動脈の触診(座位・仰臥位) 4)血圧測定の準備/触診法・聴診法による上肢の血圧測定(座位・仰臥位) 5)下肢の脈拍・血圧測定3 頭頸部の診察 ①頭部 1)頭 2)眼 3)耳 4)鼻 5)口唇・口腔・咽頭 ②頸部 1)頭頸部リンパ節 2)甲状腺 3)頸部血管4 胸部の診察 ①頸部血管 1)視診 2)聴診,触診 ②前胸部の視診 ③心臓 1)視診 2)触診 3)聴診(心音・心雑音) ④肺(前胸部) 1)視診 2)打診 3)聴診 4)呼吸音 5)副雑音 ⑤背部の視診,触診,打診,聴診5 腹部の診察 ①基本原則 ②仰臥位 1)視診 2)聴診 3)打診 4)叩打診 5)触診 6)病態に応じた精密診察法6 神経の診察 ①脳神経のスクリーニング 1)第Ⅰ脳神経 2)第Ⅱ脳神経 3)第Ⅲ,Ⅳ,Ⅵ脳神経 4)第Ⅴ脳神経 5)第Ⅶ脳神経 6)第Ⅷ脳神経 7)第Ⅸ,Ⅹ脳神経 8)第Ⅺ脳神経 9)第Ⅻ脳神経 ②運動機能のスクリーニング(上肢) ③小脳機能と深部知覚のスクリーニング ④髄膜刺激徴候 ⑤運動機能のスクリーニング(下肢) ⑥感覚機能のスクリーニング ⑦深部腱反射 ⑧四肢の痙直と硬直(強剛) ⑨認知機能7 四肢と脊柱の診察 ①上肢の診察 1)視診,触診 2)可動域 3)身体所見が診断に寄与する疾患 ②下肢の診察 1)視診,触診 2)関節の視診,触診 3)可動域 4)身体所見が診断に寄与する疾患 ③脊柱の診察 1)身体所見が診断に寄与する疾患8 直腸の診察 ①仙骨部および肛門周囲9 男性生殖器と鼠径部 ①男性生殖器と鼠径部 1)精巣捻転 2)鼠径リンパ節の病的な腫脹10 女性生殖器と妊婦 ①外陰部 ②腟鏡診 ③内診 ④妊婦の診察11 乳房と腋窩 ①乳房 1)視診 2)触診 ②腋窩リンパ節の触診12 高齢者の診察 ①高齢者における脱水 ②認知症の診断 ③高齢者総合機能評価(CGA) ④嚥下の機能評価索 引