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卒前卒後教育・指導方法のテクニカルスキルの指針・基盤となる1冊!

卒前・卒後教育に役立つ

理学療法士育成OJTテキスト

  • 編集:斉藤秀之(医療法人社団筑波記念会リハビリテーション事業顧問)
  •     有馬慶美(看護リハビリ新潟保健医療専門学校学校長)
  •     平林弦大(看護リハビリ新潟保健医療専門学校理学療法学科)
  • B5判・206頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-4562-4
  • 2017年8月発行
定価 6,480 円 (本体 6,000円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

学生・新人・2,3年目・中堅者・管理職といった階層別に,何年目でどのくらいのことができていればいいかという目安・指導方法や,急性期の病棟・リハ室,回復期の病棟・リハ室,維持期・介護施設における入院・入所,外来リハ・通所リハ,訪問リハといった病期・場所の視点での課題別指導方法について,卒前~卒後をシームレスに捉えるOJTの方法を中心に,指導する側・される側にとっての指針・基盤となる理学療法モデルを定義している.


真の人財を育てるために

床においたロープ~OJTの比喩として~
 サーカスで綱渡りをする芸人は,それをマスターするためにどのように学ぶのでしょうか.床におかれたロープの上を何度歩いても綱渡りができるようにはなりません.少なくともロープは宙に張られてなければ,綱渡りの練習にはならないはずです.それが“On the Job Training:OJT”です.つまりそれぞれの職業における正統的な営みを通して必要な技能を習得させようとするものです.しかし,いきなり高いところに張られたロープの上を命綱もつけずに歩く練習は非常に危険であり無謀です.最初は床から20cmの高さに張ったロープの上を歩きます.本番と同様の技能が要求されますが,たとえ落ちてもケガはしません.また,綱渡り芸人の見習いは不安や恐怖心に気を取られることなく,宙に張られたロープの上を歩く感覚をしっかりと自分の足で感じながら練習することができます.これが“OJTの進め方”です.つまり,正統的な職業環境に参加することには必ずリスクを伴います.そのリスクを最小に抑え,そして学習効果を最大に引き出すためには,学び手の成長段階に応じたトレーニング方法を提供する必要があるということです.
本書の目的と構成
 本書は,理学療法士の生涯にわたる成長を促すための具体的方法を提案することを目的としています.その具体的方法は明確な2つの軸をもって提案します.1つの軸は正統的参加です.上に述べた“宙に張られたロープの上を歩かせる”ように,理学療法士の正統的な営みの中で,理学療法士の人材育成を行う方法を提案します.そしてもう1つの軸は成長段階です.理学療法士としての生涯を2つのステージ(卒前・卒後)に分けて,それぞれの成長段階における発達課題を設定し,それに応じた育成方法を提案します.
 第1部では“ 理学療法士の生涯” を俯瞰的な視点で捉えるところからはじめ,人材育成の意義について論じます.第2部では,OJTという人材育成方法の基本的なプロセスや方法論について紹介しています.第3部では,卒前OJTとして卒前ステージを初学年・中間学年・最終学年に分け,それぞれの発達課題を明確にするとともに,OJT型臨床実習の具体的方法を提案しています.第4部では卒後ステージを4つの期に分け,教え方そして学び方を記載しました.また3部と4部では具体的な事例や実施方法,そして付録としてOJTに用いるフォーマットを掲載しています.
最後に
 本書が理学療法士の人材育成の一助となり,その成果が理学療法の対象者の福利につながることを願ってやみません.

2017年7月
斉藤秀之・有馬慶美・平林弦大

第1部 理学療法OJT
第1章 理学療法士の生涯発達
 1 生涯発達の全観
 2 生涯発達のステージ
 3 ステージ特性と発達課題
  ─ステージのOJT 前の能力特性と次のステージに向かうための発達課題─
第2章 理学療法領域における人材育成
 1 人材育成へ投資する意味
 2 理学療法におけるOJT導入の必要性
 3 理学療法におけるシームレスOJT
第2部 OJTの基本
第1章 OJTプロセス
 1 OJT導入─OJT導入までの地ならしや準備─
 2 目標設定─目標の種類,設定の仕方─
 3 実施計画─計画の立案方法(PDCAの「Plan」)─
 4 計画の実行─実行方法と考慮すべきこと(PDCAの「Do」)─
 5 振返りとフィードバック─実行中・実行後の評価方法,FB方法,振返り方法
 (PDCAの「Check」と「Action」)─
第2章 教育・学習理論と方法
 1 正統的周辺参加
 2 コーチング
 3 成人学習
 4 上司・指導者の教える技術
 5 部下・学生の学ぶ技術
第3章 OJTとOff-JT
 1 OJTとOff-JTの比較と相互作用─効果的なOJTにはOff-JTが欠かせない─
 2 Off-JTの種類─Off-JTは目的に応じて使い分ける─
第4章 他業界に学ぶOJT
 1 他業界・他業種によるOJT
  ─どのような分野でも人材育成にはOJT用いられている─
 2 われわれが学ぶべきこと─目標や手段を見直し,OJTとOff-JTを再考する─
第3部 卒前OJT
第1章 生涯発達における卒前ステージ
 1 卒前ステージの段階
 2 初学年の特性と発達課題
 3 中間学年の特性と発達課題
 4 最終学年の特性と発達課題
第2章 OJTとしての卒前実習
 1 従前型実習の方法とその問題点─その構造的問題を読み解く─
 2 従前型実習の問題点を解決するための卒前OJT
 3 卒前OJTに期待される学生の学習における効果
 4 卒前OJTに期待される副次的効果
第3章 OJTになりうる実習形態
 1 クリニカルクラークシップ
 2 プリセプターシップ
 3 インターンシップ
第4章 卒前OJTの方法
 1 卒前OJT導入への理解と準備─実施への地ならし─
 2 目標設定
 3 実施計画
 4 実行─ここがOJTの中心─
 5 振返りとフィードバック
第5章 教え方と学び方
 1 指導者の教える技術
 2 学生の学ぶ技術
 3 学生-指導者-教員の役割と協働
第6章 卒前OJTの実施モデル
 1 業務参加型実習の全体像
 2 初学年のOJT
 3 中間学年のOJT
 4 最終学年のOJT
第4部 卒後OJT
第1章 生涯発達における卒後ステージ
 1 卒後ステージの発達段階
 2 要援助期の特性と発達課題
 3 診療自立期の特性と発達課題
 4 中間管理職期の特性と発達課題
 5 管理職期の特性と発達課題
第2章 OJTによる卒後教育
 1 これまでの人材育成方法とその問題点
 2 これまでの問題点を解決するための卒後OJT
 3 OJTによる卒後教育の期待される効果
第3章 卒後OJTの方法
 1 卒後OJTの理解と導入
 2 卒後OJTの目標設定
 3 卒後OJTの計画立案
 4 卒後OJTの実行
 5 卒後OJTの振返りとフィードバック
第4章 教え方と学び方
 1 上司の教える技術,教える姿勢
 2 部下の教わる技術,教わる姿勢
 3 部下- 上司- 企業の役割と協働
第5章 各フェーズにおけるOJT
 1 要援助期
 2 診療自立期
 3 中間管理職期
 4 管理職期
第6章 卒後OJTの実施モデル
 1 病院(急性期)
 2 病院(回復期)
 3 病院(維持期)における適したOJT実施モデルの提案
 4 介護老人保健施設
 5 高齢者,成人の通所施設におけるOJT
 6 訪問理学療法機関でのOJT
付 録
卒前OJTフォーマット
卒後OJTフォーマット
索引