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術中TEEでココまでわかる!ココが知りたい!TEE施行医と外科医の視点を徹底解説!!

心臓手術チームのための経食道心エコー

周術期TEE評価のポイントと外科医の視点

  • 編集:村田光繁(慶應義塾大学)
  • 編集 山田達也(杏林大学)
  • B5判・192頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2843-6
  • 2017年6月6日発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

心臓手術中の経食道心エコー(TEE)検査は,血行動態のモニタリングだけではなく,合併症予防や術式決定に大きな役割を果たす.術中TEEを最大限に活かすためには,TEE施行医は外科医に必要な情報を提供し,また外科医は術中にTEEで何がどこまでわかるのかを理解することが重要である.本書は,各診療科の立場から実際の手術の流れに沿って解説した.TEE施行医がTEEで評価すべきポイントを解説し,外科医が各所見に対してなぜその画像が必要なのか,何を考え手術を進めているのかを述べる形式をとった.心臓手術チームの成熟に必須の一冊.
序 文

 心臓手術は,正確な術前評価に基づく術式計画および術中経食道心エコー図検査transesophageal echocardiography(TEE)による適切なモニタリングが成否を分けるといっても過言ではない.しかし,心臓外科周術期にかかわる心臓外科医,麻酔科医,循環器内科医はお互いに十分な情報共有ができているだろうか? 術前検査を行った循環器内科医は手術適応の有無や病変の正確な評価を外科医に伝える必要があり,これは,単に病因を同定するだけではなく,病変の詳細な範囲や最適な術式を選択するために必要な情報を伝えることにほかならず,当然心臓外科手術がどのような術式であるか精通していなければならない.一方,麻酔科医は,術中に外科医に適切なアドバイスをするためにより詳しい心エコーの知識を身に付け,術後の再発や合併症を予測するために必要な術中所見を検出できることが求められる.さらに,心臓血管外科医は,TEEで何がどこまでわかるのかを理解し,術中にTEEのどの画像を見れば手技に役立つかをエコー医とディスカッションできる知識が必要である.
 本書は,各診療科の立場から術中に何を考えているかを具体的に記載していただくという新たな試みを特徴としている.さらに,術式ごとに同一施設の麻酔科医と心臓外科医に,術中に行っているコミュニケーションを思い出しながら共著の形式で執筆していただいており,普段の術中のイメージが伝わる内容となっている.術中にTEEで評価すべき点について麻酔科医に概説していただき,各所見に対して外科医がなぜその画像が必要なのか,また何を考えて手術を進めていくのかをコメントしていただいた.心臓手術チームの立ち上げ時はもちろん,さらなるハートチームの成熟のために,本書をご活用いただけると幸いである.
 最後に,共同執筆という骨がおれる作業を快くお引き受けいただいた著者の先生方,また本書の新たな試みに賛同いただき最後まで出版のために努力していただきました文光堂の堀内珠理様,嵩 恭子様に深謝いたします.

2017年5月吉日
村田 光繁
山田 達也
I 心臓手術に共通する項目
 1.人工心肺
 2.大動脈内バルーンパンピング(IABP)
 3.経皮的心肺補助(PCPS)
II 各論
 1.大動脈弁疾患
  1)大動脈弁疾患の心エコー(TTE・TEE)による評価
  2)外科的大動脈弁置換術(SAVR)
  3)経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)
 2.僧帽弁疾患
  1)僧帽弁疾患の心エコー(TTE・TEE)による評価
  2)僧帽弁置換術(MVR)
  3)僧帽弁形成術(MVP)1
  4)僧帽弁形成術(MVP)2
 3.急性A型大動脈解離
 4.虚血性心疾患
  1)人工心肺下冠動脈バイパス術(On pump CABG)
  2)心拍動下冠動脈バイパス術(Off pump CABG)
 5.心房中隔欠損症
  1)外科的心房中隔欠損孔閉鎖術
  2)経皮的心房中隔欠損孔閉鎖術(ASO)
 6.低侵襲心臓手術(MICS)
 7.小児先天性心疾患(Fallot四徴症・Fontan手術)
索 引