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世界屈指の色素レーザー治療数を誇る著者が,35年の奥義を伝授!

新刊

パルス色素レーザー治療スプリーム

形成外科医・皮膚科医のために

  • 著:葛西健一郎(葛西形成外科)
  • B5判・244頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2638-8
  • 2024年8月19日発行
定価 16,500 円 (本体 15,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

パルス色素レーザー治療の基本と実践を,豊富な症例写真を用いて解説!毛細血管奇形(CM)と乳児血管腫(IH)の治療を中心に,適応から照射方法・エンドポイント,合併症への対応まで,(おそらく)世界で一番レーザー治療を行ってきた著者が,35年間考え,実践してきた経験と知恵を余すことなく披露した.実際の治療内容・経過を具体的に解説した症例集は必見.葛西先生ならではのコツとワザが詰まった,高みを目指す形成外科医・皮膚科医に向けた至高の一冊.
序 文

 1988年,関西医科大学形成外科に,日本で初めて量産型パルス色素レーザー(Candela社SPTL-1)が納入されたときに,当時の小川豊教授から担当者を拝命したことが,筆者が初めてレーザーというものに触れるきっかけとなった.筆者はそれ以来35年間,形成外科医として人生の大部分をレーザーとともに過ごすことになる.
 これまで,文光堂から「シミの治療」「Qルビーレーザー」「炭酸ガスレーザー」「ピコ秒レーザー」「脱毛レーザー」と,5冊のテキストを出版させていただいたが,実はこの「色素レーザー」こそ,本当は,一番初めに出さなければいけないと思いながら,実現できていなかった.その理由は,このレーザーは一番奥が深く,「こうすればよい」という簡明な答えの出しにくいレーザーだからである.実は筆者は10年ほど前にも,色素レーザーについて書き始めたことがある.そのとき,全国の有力な先生方にどんなパラメーターで照射しているのか尋ねたところ,実に千差万別いろいろなやり方を教えていただいて,逆に困ってしまった.こうするべしという「絶対的に正しい」やり方など存在しないし,よその病院では「どんなやり方で」「どこまで」治療できているのかなどは,全くわからないのである.何をどう書いたらよいのかわからなくなってしまい,原稿はそのまま塩漬けになってしまった.
 その間にも,迷いながらもPDL治療は続けていた.ありがたいことに,膨大な数の患者が来てくれたおかげで,経験を積むことができた.大阪のレセプト審査員の先生には「大阪のレーザーのレセプトは半分以上が先生のクリニックからです」と教えてもらったことがある.なぜ,この方法が一番良いのかはわからないが,とにかく「こうするのが最善だろう」という方法が固まってきたので,それをまとめてみようと思い直したのが本書の内容である.
 日本は,おそらく世界で唯一の,健康保険でCMやIHをPDL治療できる国である.だから,たぶん治療件数も世界で最も多いと考えられる.筆者のクリニックが日本で最も治療件数が多いとしたら,それは世界で最も多いと考えてよいと思われる.そこでどんなことをやっているのかを出版するのも,それはそれで意味があると,開き直ることにした.本書は筆者が35年間考えてやってきたことを残さず公開している.読者には,参考になる点だけつまんでいただければそれでよいと思っている.何も,この考え方ややり方が最善だと主張するつもりはない.ただ「筆者はこう思う」ということである.

 2024年7月 酷暑の大阪にて
 葛西健一郎
Ⅰ─パルス色素レーザー治療の基本
 1.パルス色素レーザーの歴史
 2.パルス色素レーザーの理論
 3.現在用いられている機械の種類と冷却装置
 4.パラメーター
 5.今後の展望
 6.血管腫のISSVA分類

Ⅱ─パルス色素レーザーによる毛細血管奇形(CM)治療
 1.毛細血管奇形の治療理論
 2.適応・説明・準備
 3.麻酔
 4.照射方法とエンドポイント
 5.術後処置
 6.繰り返し照射のタイミング
 7.合併症とその対処
 8.サーモンパッチ・ウンナ母斑
 9.症例集(毛細血管奇形)

Ⅲ─パルス色素レーザーによる乳児血管腫(IH)治療
 1.乳児血管腫の概念
 2.説明・準備
 3.照射方法とエンドポイント
 4.繰り返し照射のタイミング
 5.終了のタイミングとフォロー
 6.合併症
 7.症例集(乳児血管腫)

Ⅳ─パルス色素レーザーのその他の応用
 1.毛細血管拡張症
 2.酒皶
 3.クモ状血管腫
 4.被角血管腫
 5.老人性血管腫
 6.動静脈奇形(AVM)
 7.下肢静脈
 8.蛇行状血管腫
 9.先天性血管拡張性大理石様皮斑
 10.先天性血管腫
 11.尋常性疣贅
 12.ニキビ(尋常性痤瘡)
 13.瘢痕・ケロイド
 14.美容への応用
 15.PDL治療の適応ではない疾患(1)顔面毛包性紅斑黒皮症(北村病)
 16.PDL治療の適応ではない疾患(2)房状細胞腫

索 引