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言語聴覚士に必要な知識と技術を体系的に網羅.臨床実践のためのガイドブック,待望の最新改訂版!

図解言語聴覚療法技術ガイド第2版

カバー写真
  • 編集主幹:深浦順一(国際医療福祉大学大学院教授)
  • 編集:内山千鶴子(目白大学教授)
  • 編集 城間将江(国際医療福祉大学大学院教授)
  • 編集 城本 修(県立広島大学教授)
  • 編集 立石雅子(一般社団法人日本言語聴覚士協会副会長)
  • 編集 長谷川賢一(東北文化学園大学名誉教授)
  • A5判・784頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-4701-7
  • 2022年11月11日発行
定価 11,000 円 (本体 10,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

本書は,言語聴覚士の業務で求められる多岐にわたる知識・技術を1冊で網羅し,学生の臨床実習から,すでに現場に出ている言語聴覚士にも役立つ実践書として企画された.今回の改訂では,簡潔かつ具体的な記述や図表の効果的な使用については初版を踏襲しつつ,近年の臨床に沿った内容へのアップデートを行った.さらに,読者に対する利便性を高めるために目次構成の統一・体系化も図り,障害別や発達段階ごとの支援・評価法や臨床現場での実践例なども多数記述されている.また,巻末には検査リストをはじめ,言語聴覚の発達段階の概略や言語聴覚士に関わる社会保障制度も掲載し,臨床場面で手早く必要な内容を参照しやすくなっている.
第2版序文

 2014年に発行した第1版は,これまで多くの言語聴覚士養成校で教科書として採用され,臨床現場の言語聴覚士の方々にも広く利用していただいた.しかし,発行から8年が経過して,この間の言語聴覚療法の進歩は目覚ましく,また言語聴覚士を取り巻く環境も大きく変化してきた.少子・高齢化が進み,言語聴覚療法を提供する患者,利用者の方々の状態像も大きく変化し,評価・訓練・指導においても複雑な障害像を考慮したものが必要とされている.また,提供の場も医療から介護へ,病院から地域へと大きく広がってきた.聴覚障害児・者への取組みも国の施策として重視されるようになり,発達障害児・者への取組みもますます重要となっている.このようなさまざまな変化を反映させるため,この度,新しい編集委員を迎えて第2版を刊行することとなった.
 本書は,この1冊で言語聴覚士の業務における全領域の知識・技術を網羅し,学生の演習,臨床実習の際や現場で働く言語聴覚士に役立つガイドブックとしたいという趣旨で企画し,発行した.そこで,簡潔かつ具体的な文章で解説し,図を多用して視覚に訴えるとともに,ポイントとなる点がわかりやすいように工夫をした内容となっている.
 今回の改訂においても,①本文は言語聴覚士にとって必要な知識と技術を簡潔かつ具体的に記述する,②その内容は,コンセンサスが得られている知識・技術を中心に記述するが,その他の方法等についても紹介し,記述の順序について配慮する,③図表,写真を効果的に使用する,④説明が必要な事項を抽出しメモとして解説するなどの初版の執筆のスタイルを踏襲した.また,巻末には付録として,検査リスト,言語聴覚の発達段階の概略,言語聴覚士に関連する身体障害者障害程度等級表と社会保障制度について掲載している.新しい編集委員,執筆者を迎えて,さらに内容を充実させたものとなっており,学生や臨床に従事している言語聴覚士の方々にとって有益なものとなることを期待している.
 最後に,本書の刊行にあたって編集委員として各領域の企画を担当いただいた内山千鶴子先生,城間将江先生,城本 修先生,立石雅子先生,長谷川賢一先生,そして,ご執筆いただいた多くの先生方,ならびに刊行にご尽力いただいた文光堂の皆さんに感謝申し上げる.

2022年11月
編集主幹 深浦順一
Ⅰ 総論-言語聴覚療法の基本的な知識と技術
 1.言語聴覚療法の流れ
 2.言語聴覚療法の実際
  1)ICFによる全体像の整理
  2)臨床業務の流れと評価
  3)記録と書類の作成方法
  4)医療・介護保険制度と言語聴覚療法
  5)障害福祉制度と言語聴覚療法
  6)乳幼児健康診査(健診)と事後指導
  7)学校教育における言語聴覚療法
  8)訪問リハビリテーション
  9)介護老人保健施設
 3.安全管理
  1)リスクマネジメント
  2)バイタルサインや検査値からみた危険信号とその対策
  3)感染症とその対策
  4)誤嚥,誤飲,窒息とその対応
  5)吸引手技
 4.多職種・同職種の連携と協働
  1)同職種間連携
  2)施設内連携とマネジメント
  3)地域連携
  4)小児における連携
 5.キャリアパス
  1)臨床研究の勧め
  2)海外留学の勧め
  3)生涯教育

Ⅱ 言語発達障害
 1.言語発達障害臨床の流れ
  1)言語発達障害の捉え方と種類
  2)脳の発達と言語障害
  3)言語・コミュニケーションの発達とその障害
   (1)言語の構成要素と発達
   (2)認知・社会性との関連からみた発達
   (3)言語の獲得理論と獲得・発達の障害
  4)言語聴覚療法の基本的な流れ
  5)社会資源の利用  
  6)言語発達障害に関連する制度
  7)言語・コミュニケーション支援での主な技法
   (1)TEACCHのコミュニケーションプログラム
   (2)語用論的アプローチ
   (3)応用行動分析(ABA)
   (4)拡大・代替コミュニケーション(AAC)
   (5)意味・統語重視の指導(〈S―S 法〉)
   (6)ソーシャルスキル・トレーニング
【前言語期】
 1.発達特徴
 2.検査・評価と支援の原則
 3.臨床実践
  1)全体的な遅れ(知的能力障害)
  2)自閉症スペクトラム障害
【語彙獲得期】
 1.発達特徴
 2.検査・評価と支援の原則
 3.臨床実践
  1)全体的な遅れ(知的能力障害)
  2)自閉症スペクトラム障害
  3)言語のみの遅れ
【構文獲得期・談話期】
 1.発達特徴
 2.検査・評価と支援の原則
 3.臨床実践
  1)全体的な遅れ(知的能力障害)
  2)自閉症スペクトラム障害
  3)言語のみの遅れ
【学童期・青年期以降】
 1.発達特徴
 2.検査・評価と支援の原則
 3.臨床実践
  1)教科学習への困難
  2)談話の遅れ
  3)メタ言語の遅れ
  4)パラ言語の遅れ
  5)就労と自立-就労支援の立場から
  6)就労と自立-言語聴覚士の立場から
【障害別アプローチ】
 1.知的能力障害
 2.学習障害
  1)支援の原則
  2)仮名文字の読み書き障害
  3)漢字の読み書き障害
  4)算数障害
 3.自閉症スペクトラム障害
 4.注意欠如・多動性障害
 5.コミュニケーション障害
 6.脳性麻痺
 7.後天性の高次脳機能障害

Ⅲ 失語・高次脳機能障害
【失語症】
 1.失語症臨床の流れ
 2.検査・評価 
  1)基本的な考え方
  2)スクリーニング検査
  3)医学的情報
  4)関連領域からの情報
  5)神経心理学的情報
 3.臨床実践
  1)訓練の理論と技法
   (1)訓練の理論と技法の実際
   (2)語彙訓練 
   (3)文字言語の障害
   (4)統語機能の評価・訓練
   (5)コミュニケーション障害の訓練
  2)生活期の訓練
   (1)生活期の訓練の実際
   (2)指導  
   (3)心理的側面への援助
   (4)社会資源の活用
 4.関連する障害
  1)発語失行
   (1)検査・評価 
   (2)訓練
【高次脳機能障害】
 1.高次脳機能障害臨床の流れ
 2.検査・評価 
  1)基本的な考え方
 3.臨床実践
 4.障害別アプローチ
  1)視覚認知の障害
   (1)検査・評価  
   (2)訓練
  2)視空間認知の障害 
   (1)検査・評価
   (2)訓練
  3)構成障害 
   (1)検査・評価
   (2)訓練
  4)聴覚認知の障害
   (1)検査・評価
   (2)訓練
  5)行為の障害
   (1)検査・評価
   (2)訓練
  6)記憶の障害 
   (1)検査・評価
   (2)訓練
  7)前頭葉症状・注意障害・遂行機能障害
   (1)検査・評価・対応
  8)認知症
   (1)検査・評価
   (2)対応

Ⅳ 発声・発語障害
【音声障害】
 1.音声障害臨床の流れ
 2.検査・評価 
  1)問診
  2)聴覚心理的評価
  3)喉頭視診
  4)発声機能検査
  5)音響分析
  6)自覚的評価
  7)検査結果の解釈
 3.臨床実践
  1)医学的治療
  2)行動学的治療
  3)間接訓練
  4)直接訓練
   (1)症状対処的訓練
   (2)包括的音声訓練
  5)痙攣性発声障害の訓練
  6)心因性失声症の訓練
  7)気管切開
  8)無喉頭音声(代用音声)
【構音障害】
 1.構音障害臨床の流れ
 2.検査・評価
  1)代表的検査法(幼児・成人)
  2)機器による評価
  3)関連要因の評価
 3.臨床実践
  1)幼児期の構音障害の指導
   (1)機能性構音障害
   (2)口蓋裂
  2)成人期の構音障害の指導
  3)補綴
  4)拡大・代替コミュニケーション(AAC)
  5)LSVT
【吃音・流暢性障害】
 1.流暢性障害臨床の流れ
 2.検査・評価 
  1)基本情報と間接情報の収集
  2)幼児・学童
  3)成人
 3.臨床実践
  1)幼児期流暢性障害の指導
   (1)養育者指導と環境調整
   (2)DCモデル
   (3)リッカムプログラム
  2)学童期流暢性障害の指導
   (1)教育機関との連携
   (2)学童期流暢性障害の指導のポイント
  3)成人期流暢性障害の指導
   (1)直接法
   (2)間接法
  4)クラタリングの評価と指導
  5)流暢性障害と合理的配慮(入学試験,就職試験)

Ⅴ 摂食嚥下障害
【成人】
 1.摂食嚥下障害臨床の流れ
 2.検査・評価 
  1)基本的な考え方
  2)スクリーニング検査
   (1)嚥下機能
   (2)口腔機能
  3)精密検査
  4)評価結果の集約
 3.臨床実践
  1)基礎的訓練の手技(運動学習の視点)
  2)基礎的訓練と摂食訓練に用いられる手技
  3)摂食訓練の手技
   (1)摂食訓練の進め方
   (2)摂食訓練の手技
   (3)食具・摂食介助
  4)補綴的治療
  5)口腔衛生
  6)栄養管理 
  7)呼吸理学療法
  8)嚥下障害と手術
 4.疾患に伴う摂食嚥下障害へのアプローチ
  1)老化(フレイル,廃用症候群)
  2)認知機能低下
  3)球麻痺
  4)パーキンソン病
  5)神経筋疾患
  6)口腔・咽頭がん
【小児】
 1.摂食嚥下障害臨床の流れ
 2.検査・評価
 3.臨床実践
  1)基礎的訓練
  2)摂食訓練
   (1)摂食訓練の実際
   (2)摂食介助・指導・口腔健康管理

Ⅵ 聴覚障害
 1.聴覚障害臨床の流れ
 2.検査・評価
  1)基本的な考え方
  2)聴覚障害の原因と疾患
  3)標準純音聴力検査
  4)新生児聴覚スクリーニング
  5)乳幼児聴覚精密検査
  6)乳幼児聴力検査
 3.臨床実践
  1)補聴器
   (1)補聴器の構造・調整・適合評価
   (2)高齢難聴者の補聴器適合の留意点
   (3)乳幼児の補聴器適合の留意点
  2)人工聴覚器
   (1)人工聴覚器の種類
   (2)骨固定型補聴器と人工中耳のプログラミング(フィッティング)
   (3)人工内耳のプログラミング(マッピング)
   (4)残存聴力型人工内耳のプログラミング(マッピング)
   (5)人工聴覚器の適合評価
  3)小児期
   (1)難聴児の発達評価
   (2)小児難聴の訓練・指導の基本
   (3)前言語期の指導
   (4)単語獲得期の指導
   (5)文理解・表出,文法の指導
   (6)読み書きの指導
   (7)絵日記指導
   (8)構音指導
  4)学童後期~青年期
   (1)支援の流れ
   (2)児童発達支援・放課後等デイサービス事業
  5)成人期
   (1)基本的な考え方
   (2)訓練・指導
  6)重複障害
   (1)視覚障害
   (2)発達障害
  7)生活支援機器と補聴援助機器
  8)聴覚障害に関連する制度

付録
【検査リスト】
 1.発達検査と小児の知能検査
 2.言語発達障害の評価に関する検査
 3.失語・高次脳機能障害の評価に関する検査
 4.発声・発語の評価に関する検査
【言語聴覚発達の概略】
 1.言語聴覚の発達段階の概略
【制度】
 1.言語聴覚士に関連する身体障害者障害程度等級表と社会保障制度

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