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臨床麻酔科学のロングセラー,待望の最新改訂版!

麻酔科トラブルシューティングAtoZ第2版

  • 編集:高崎眞弓(宮崎大学名誉教授)
  • 編集 河本昌志(JR広島病院院長)
  • 編集 白神豪太郎(香川大学教授)
  • 編集 松本美志也(山口大学教授)
  • 編集 廣田和美(弘前大学教授)
  • B5変型判・656頁・2色刷(一部4色刷)
  • ISBN 978-4-8306-2853-5
  • 2022年11月9日発行
定価 17,600 円 (本体 16,000円 + 税10%)
あり
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電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

麻酔科トラブルへの対処法を分かりやすく解説した,臨床麻酔科学のロングセラー『麻酔科トラブルシューティングAtoZ』の改訂第2版.約300項目の術前・術中・術後の疑問やトラブルについて,第一線で活躍する麻酔科医が解説.診療に直結する解答ならびに必要な知識を速やかに得ることができる構成となっている.第2版では,できる限りエビデンスの高い文献をもとに内容および対処法を解説.明確な根拠で,より信頼のおける内容にブラッシュアップしている.
改訂版序文
 「A to Z」シリーズは,第一線で忙しく働く麻酔科医に明日の麻酔に役立つ最新情報をコンパクトに提供することをコンセプトとして編集し,多くの麻酔科医に愛読されてきました.「A to Z」三部作の中でも,特に『麻酔科トラブルシューティングA to Z』が,よく利用されています.
 ただ,初版は2010年に出版されたので,少々古くなってしまいました.
 医療現場には,新しい医療機器や器具が次々と登場します.また,いろいろな学会が治療ガイドラインを示します.医学雑誌にはメタ分析をもとにした論文やレビューが多数掲載されます.これらを医療に活かしていかなければなりません.
 このようなことから,今回本書をリニューアルしました.
 本書は,288項目の疑問やトラブルを取りあげています.これらの課題に対する執筆を,大学病院を始め第一線の麻酔科で活躍している先生方にお願いしましたので,読んでいただければ診療に直結する解答ならびに必要な知識を速やかに得ることができます.
 ここで本書の使い方と主な改訂点を述べておきます.
 本書の目次には,例えば「多発性ブラがある」とか「ペースメーカーが植え込まれている」というような医学的事象を述べたものと,「人工呼吸中でP/F比が100である」とか「マンシェットで測った血圧と観血的動脈圧に乖離がある」というような具体的現象を述べたものがあります.後者の場合は,目次をみただけでは探している項目がみつからないかもしれません.探している項目が容易にみつかるように,目次の次に「キーワード一覧」を載せましたので,通常の医学書の索引のように利用していただければ,探している疑問やトラブルに対する解答を簡単に探し出せます.
 次に改訂点ですが,初版では各項目冒頭のタイトルの横にRecommend として推奨度を示しました.記載されている内容や対処法が,おおかたコンセンサスの得られたものであるときはAランク,まだ議論がありコンセンサスが得られていないものであるときはBランクとしました.しかしこの区分けは絶対的なものではなく,仕分けに少々あやふやなところがありましたので,改訂版では削除しました.
 代わりに執筆者にお願いして,できる限りエビデンスの高い文献をもとに内容および対処法を解説してもらいました.エビデンスのもとになるものとして,ガイドライン([GL]),メタ分析([MA]),システマティックレビュー([SR])を重視し,文献欄に示しました.これにより,根拠が明瞭になり,信頼のおける内容になったと考えます.もちろん,エビデンスを示す資料のない項目もあります.そこは著者の裁量にゆだねられていると判断してください.編集者は,本書がレベルの高い麻酔科学の教科書になるよう努力しました.麻酔科医の皆さんに,初版にも増してこの改訂版が活用されることを願っています.本書の刊行をお世話していただいた文光堂の中村晴彦さん,真利みさとさんに感謝を捧げます.

2022年10月
編集者代表 高崎眞弓
第1部 術前

 第1章 呼吸器・気道
  風邪症状がある
  気道確保困難が予想される
  小児で気管切開の既往があり,気道狭窄が予想される
  小児で著明な扁桃肥大のため呼吸困難感がある
  動揺の激しい歯牙が複数ある
  肺活量が50%を割っている
  喀痰が非常に多い
  気管支喘息があり,1秒量が1L以下である
  Hugh-Jones分類Ⅲ度の慢性閉塞性肺疾患がある
  CO2ナルコーシスの既往がある
  手術前に気胸を起こした
  今発作はないが,重症の喘息患者である
  多量の胸水貯留がある
  腫瘍で上気道が圧迫されている(呼吸困難がある)
  気管に易出血性の腫瘍がある
  気管内腫瘍があり,呼吸困難が急速に進行している
  多発性ブラがある
  気道熱傷が疑われる
  肺線維症がある
  人工呼吸中でP/F比が100である
  非結核性抗酸菌感染症がある
  肺結核がある
  在宅酸素療法中である
  睡眠時無呼吸症候群がある
  小児に片肺換気を求められた

 第2章 循環器
  未治療の高血圧がある
  心筋梗塞の既往がある
  失神の既往がある
  冠攣縮性狭心症の既往がある
  利尿薬を長期に内服している
  アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)またはアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)を長期に内服している   
  β遮断薬を長期に服用している
  心房細動がある
  心電図でPQ間隔が延長している
  心電図でQT間隔が延長している
  心電図でT波が極端に先鋭化している
  心電図で2枝ブロックがある
  心電図で房室ブロック2度がある
  心電図でデルタ波がある(WPW症候群が疑われる)
  心電図でBrugada症候群が疑われる
  心筋症がある
  心不全歴がある
  大動脈弁閉鎖不全症がある
  大動脈弁狭窄症がある
  僧帽弁閉鎖不全症がある
  僧帽弁狭窄症がある
  三尖弁閉鎖不全症,肺動脈弁閉鎖不全症,三尖弁狭窄症,あるいは肺動脈弁狭窄症がある
  人工弁が入っている
  ペースメーカーが植え込まれている
  植え込み型除細動器が入っている
  肺高血圧症がある
  先天性心疾患の心臓手術の既往がある
  冠動脈ステントが入っている
  冠動脈バイパス術の既往がある
  出血性ショックがある
  深部静脈血栓症がある
  大動脈瘤がある
  頚動脈に狭窄がある
  末梢性動脈疾患がある
  Allenテストが異常である

 第3章 消化器・肝臓
  嘔吐を繰り返している
  下痢が続いている
  肝硬変がある
  肝硬変以外に肝機能の異常がある
  多量の腹水がある
  食道静脈瘤がある
  逆流性食道炎がある
  フルストマックである
  術前に低栄養がある
  低アルブミン血症がある
  長期に中心静脈栄養管理を受けている

 第4章 泌尿器
  血液透析を受けている
  腹膜透析を受けている
  タンパク尿が出ている

 第5章 血液・止血凝固系機能
  出血傾向がある
  抗凝固薬,抗血小板薬を使用している
  術中に抗凝固処置が予定されている
  血液型がRh(-)である
  血小板数が5万/μLを割っている
  貧血がある(Hbが6g/dL以下)
  多血症がある(Hbが18g/dL以上)
  慢性骨髄性白血病である
  血友病である
  活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長している
  ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の既往がある
  白血球数が2,000/μL以下である

 第6章 内分泌機能
  未治療の甲状腺機能低下症がある
  ヨード製剤を内服しているが甲状腺機能亢進症がコントロールされていない
  副甲状腺の異常がある
  副腎褐色細胞腫がある
  免疫グロブリン(IgA,IgM,IgE,IgG)の異常がある
  血糖調節ができていない
  内服薬で血糖コントロールができている

 第7章 アレルギー・感染
  ヨード造影剤アレルギーがある
  ラテックス,フルーツアレルギーがある
  アルコール過敏がある
  卵アレルギーがある
  薬物アレルギーがある
  アナフィラキシーショックの既往がある
  歯科治療でショックの既往がある
  術前の発熱
  インフルエンザに罹患している
  ワクチン投与後日が浅い
  脊椎カリエスがある
  帯状疱疹の急性期である
  C反応性タンパクが強陽性であるが感染源が分からない
  敗血症がある
  ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のキャリアである
  B型肝炎またはC型肝炎ウイルスのキャリアである
  がん化学療法中を受けている患者の麻酔管理
  COVID 19感染症患者かもしれない

 第8章 皮膚・筋骨格系
  先天性表皮水疱症のためマスクのフィットや挿管チューブの固定が困難である
  アトピー性皮膚炎がひどい
  肥満指数(BMI)が30以上である
  顎関節症である
  高齢者の亀背・先天性の脊椎変形がある
  腰椎椎弓切除の既往がある
  筋ジストロフィーがある
  重症筋無力症がある
  悪性高熱症の既往がある
  悪性高熱症の家族歴がある

 第9章 中枢・末梢神経系
  脳梗塞後片麻痺がある
  多発性硬化症がある
  てんかんの治療を受けている
  脳動脈瘤があるが別の手術が予定されている
  頭蓋内圧が著明に亢進している
  非ステロイド性抗炎症薬を長期に内服している
  長期にオピオイドを内服している
  脊髄に変性疾患がある
  頚髄損傷がある
  頚椎症がある
  認知症がある
  Parkinson病の治療を受けている
  統合失調症がある
  うつ病がある
  覚醒剤の常用が疑われる
  視聴覚機能が失調している

 第10章 産婦人科
  妊娠初期である
  帝王切開の患者が全身麻酔を希望している
  妊娠高血圧症候群がある
  多胎の帝王切開である
  常位胎盤早期剝離が疑われる
  授乳中である
  巨大な卵巣腫瘍がある

 第11章 患者・家族の要望など
  手術前夜の熟睡を希望している
  手術予定患者が禁煙を拒否している
  経尿道的手術で術中就眠を希望している
  眠っている間に麻酔をすることを希望している
  日帰り手術を希望している
  導入に親の付き添いを希望している
  術後に痛みのない管理を希望している
  尿道カテーテル挿入を拒否している
  髭剃りを拒否している
  全身麻酔下に硬膜外カテーテルの挿入を希望している
  気管挿管を希望しない
  緊急手術で責任ある保護者がまだ病院に来ていない
  患者や家族に手術の説明が十分にできていない
  宗教的理由で輸血を拒否している
  両親が子どもへの輸血を拒否している

 第12章 モニター・医療機器・安全管理
  麻酔を始める直前モニターの調子が悪いことに気付いた

第2部 術中・術後

 第1章 呼吸器・気道
  筋弛緩薬使用後,気道確保が困難でマスク換気が十分できない
  ラリンジアルマスクで換気中の手術で,手術操作を契機に喉頭痙攣が起きた
  麻酔導入後,喉頭展開をしたが喉頭蓋がみえない
  マスク換気中に呼吸バッグが急に硬くなり換気ができなくなった
  喉頭展開したら喉頭蓋囊胞があった
  マスク換気中に腹部が著明に膨隆した
  経鼻挿管操作により,口腔内に出血が溜まり始めた
  経鼻挿管の際,咽頭後壁を損傷した
  動揺歯が脱落して気管内に落ち込んだ
  分離肺換気を意図してダブルルーメンチューブを挿管しようとしたができない
  ダブルルーメンチューブ挿入後に,片肺換気にしたが純酸素でも酸素化が悪い
  肺切除中に気道出血が起きた
  術後に発熱と上気道症状の増悪がみられる
  開頭手術中に気管支挿管に気付いた
  気管支喘息発作が起きた
  レミフェンタニル投与による手術中に突然換気困難に陥った
  術中に気胸になった
  気管チューブのカフが抜けない
  成人の抜管直後に呼吸困難をきたした
  抜管後に嗄声がある
  術後に抜管したら,声帯の動きが悪いことに気付いた
  抜管後に自力で排痰できない
  抜管後に酸素化が悪い
  成人に気管挿管を頻回に試みたため喉頭浮腫ができた
  術後無気肺に気付いた
  術後に肺水腫が起きた
  抜管後に呼吸停止・換気不全が起きた
  小児の抜管後に喉頭浮腫が疑われる
  術後に咽喉痛がある

 第2章 循環器
  静脈路の確保が困難である(血管がみえない)
  プロポフォールが血管外に漏れている
  内頚静脈穿刺が困難である
  内頚静脈穿刺時に機械的合併症が起きた
  内頚静脈穿刺中に動脈を誤穿刺した
  肺動脈カテーテルが肺動脈に入らない
  橈骨動脈が穿刺できない
  術中に低血圧が持続する
  術中に高血圧が持続する
  術中に徐脈になる
  術中に頻脈になる
  術中に心室期外収縮(PVC)が多発・連発する
  術中に心停止が起きた
  術中に肺血栓塞栓症が疑われる
  術中に冠攣縮性狭心症が起きた
  脳分離体外循環中に脳血流量の低下がみられる
  人工心肺からの離脱が困難である
  人工心肺から離脱したが低心拍出量が持続する

 第3章 消化器・肝臓
  胃液が気管に入った
  胃管の挿入が困難である
  腹部手術中に腸管を牽引したら急に徐脈と低血圧になった
  術後に悪心・嘔吐がおさまらない

 第4章 泌尿器
  全身麻酔導入後に導尿できない
  心臓手術(体外循環)前の導尿で出血した
  術中尿量が異常に少ない
  術中尿量が異常に多い
  経尿道的膀胱腫瘍切除術中に,手術操作で下肢が動く
  尿道カテーテルが抜けない
  麻酔覚醒後に尿道カテーテルによる刺激が強い
  術後に乏尿が続いている

 第5章 血液・止血凝固系機能
  不規則抗体陽性例に抗原陽性血を輸血した
  ABO型不適合輸血が発生した
  乳酸アシドーシスが進行する
  術野のウージングが著明である
  電解質異常がある
  術後抗凝固療法が予定されている
  人工心肺後にプロタミンを投与してもACTが正常化しない
  術後に播種性血管内凝固(DIC)が発生した
  危機的な出血が発生した

 第6章 内分泌機能
  脳外科術中に高血糖が持続する
  術後に高血糖が持続する

 第7章 アレルギー・感染
  術中にアナフィラキシーショックが起きた
  輸血後に皮疹が出た
  輸血後に酸素化障害が発生した
  針刺し事故(HI V,HCV,HBV)が起きた
  硬膜外カテーテル挿入部に発赤・腫脹が生じた
  COVID 19感染が判明

 第8章 皮膚・筋骨格系
  麻酔覚醒後に歯牙の脱落・紛失に気付いた
  人工膝関節置換術で下肢の駆血時間が2時間を超えた
  骨セメントで血圧が下がった
  筋弛緩薬投与から3時間後に四連反応比が50%以下である
  筋弛緩リバース後覚醒したら再手術のため,再挿管が必要になった
  ミオグロビン尿が出た
  術中に悪性高熱症の発症が疑われた
  コンパートメント症候群をきたした
  術後に褥瘡ができた

 第9章 中枢・末梢神経系
  硬膜外穿刺の際に硬膜を穿破した
  くも膜下穿刺の際に放散痛があった
  抵抗消失があるにもかかわらず硬膜外カテーテルが入らない
  硬膜外カテーテル挿入で出血した
  硬膜外腔に局所麻酔薬を単回注入したら意識が消失し呼吸が停止した
  区域麻酔での手術中,突然痙攣が起きた
  硬膜外麻酔を行ったが一部しか効いていない
  麻酔導入後に瞳孔不同に気付いた
  誘発電位が平坦化した
  頭蓋内圧亢進状態で血圧が200mmHgを超えた
  覚醒が遅延している
  手術創の痛みが強い
  シバリングがある
  患者が興奮して抑制できない
  過換気症候群が起きた
  脊髄くも膜下麻酔後に持続する頭痛がある
  区域麻酔後に運動麻痺と感覚麻痺が持続する
  術後せん妄が起きた
  術中のことを覚えていると患者に言われた
  脊髄くも膜下麻酔後にミオクローヌス(不随意運動など)が出現した
  腹臥位手術後に視覚障害を訴えた
  脊髄くも膜下麻酔後に複視が現れた
  神経ブロック後に神経麻痺が起きた

 第10章 患者・家族の要望など
  カテーテル類の早期抜去を希望している

 第11章 モニター・医療機器・安全管理
  末梢循環不全のため酸素飽和度をモニターできない
  呼気終末CO2濃度が急に低下した
  呼気終末CO2濃度が上昇する
  人工呼吸器が作動していなかった
  気化器が空になっていた
  体外循環中に人工心肺装置(送血ポンプ)が停止した
  心電図モニターで心拍数が実測の2倍である
  マンシェットで測った血圧と観血的動脈圧に乖離がある
  体温が上昇してきた
  長時間手術で術中低体温になった
  BIS値が異常値を示す
  小児のBIS値が高値を持続する
  酸素の供給圧が下がった
  麻酔中に停電が発生した
  地震が発生した
  電気メスで気管チューブが引火した
  アルコール消毒後に電気メスで不織布が燃えた
  麻酔中に間違った薬剤を投与した
  硬膜外カテーテルを抜去したら途中で切れた