セラピストのための「リハビリテーションマインド」を育む定番の概説書,改訂第3版!
新刊セラピストのための概説リハビリテーション第3版
内容
序文
主要目次
わが国のリハビリテーションは,半世紀以上にわたる発展を経て,医療の一領域にとどまらず,人々の生活や社会参加を支える重要な役割を担うまでに発展してきた.対象は,骨折や脳卒中だけでなく,内部障害,精神障害,神経発達症(発達障害),サルコペニア,廃用症候群,さらには介護予防や疾病・障害の予防へと拡大している.また,急性期・回復期・生活期といった病期の枠を越え,地域や教育の場を含めた切れ目のない支援が求められるようになった.
このような変化のなかで,リハビリテーションを学ぶ学生には,疾患や治療技術に関する知識だけでなく,「リハビリテーションとは何か」「障害をどのようにとらえるか」「その人らしい生活や社会参加をどう支えるか」といった理念や視点を身につけることが重要である.さらに,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士をはじめ,医師,看護職,義肢装具士,医療ソーシャルワーカー,公認心理師,介護福祉士,管理栄養士,臨床工学技士など,多様な専門職が協働する体制が不可欠となっている.
本書は初版以来,学生がリハビリテーションの理念から専門職の役割,医療の実際までを一望できる概説書として編まれてきた.第2版では,教育リハビリテーションや発達障害,機器のイノベーションに関する内容を加え,専門職間の相互理解を重視した.今回の第3版では,近年の変化を踏まえて全体を大きく見直した.第1部では,理念や障害構造,心理,専門職としての姿勢を扱い,リハビリテーションの考え方を深く学べる構成とした.第2部では,多職種の歴史・法的背景・役割を整理し,チームアプローチやマネジメントにも言及した.第3部では,評価から活動・参加へのアプローチ,地域・教育の場における支援,新たな機器,関連法規まで体系的に示し,事例を通して学びを実践へ結びつけられるよう配慮した.
本書が学生にとってリハビリテーションの全体像を理解し,専門職としての学びを深めるための羅針盤となり,障害のある人の生活と人生に寄り添う「リハビリテーションマインド」を育む一助となることを願っている.
令和8年10月
爲数哲司
1 リハビリテーションとは
1 リハビリテーションとは
2 医療,障害に関連した意味でのリハビリテーションの幕開け(米国,日本)
3 リハビリテーション理念に関連した思想
4 障害とは何か? 障がい者をどのようにとらえたらよいのだろうか?
5 リハビリテーションの4つの領域
6 リハビリテーション医学の特徴
2 疾病と障害構造
1 疾病の分類
2 国際障害分類(ICIDH)
3 国際生活機能分類(ICF)
3 障害のあるをどう理解し,どう接するべきか
1 受傷と闘病
2 スポーツと私
3 社会復帰・結婚・育児
4 日常生活の工夫
5 仕事と私
6 リハビリテーションスタッフへの提言
4 障害をもつ人の心理と専門職としての対応
1 障害をもつ人の心理
2 障害をもつ人の心理に関する理論とモデル
3 基本的な心構え
4 専門職としての対応
第2部 リハビリテーション専門職の役割と独自性
1 理学療法士
1 誕生・法的背景と基礎理論
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程と大学院教育
2 作業療法士
1 誕生・法的背景と基礎理論
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程と大学院教育
3 言語聴覚士
1 誕生・法的背景と基礎理論
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程と大学院教育
4 医師
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
5 看護師・保健師
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
6 義肢装具士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
7 医療ソーシャルワーカー
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
8 公認心理師・臨床心理士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
9 介護福祉士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
10 精神保健福祉士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
11 歯科衛生士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
12 管理栄養士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
13 臨床工学技士
1 誕生・法的背景
2 誕生から現在までの足跡
3 リハビリテーションにおける役割・特徴・独自性・専門性
4 養成課程
14 チームアプローチの意義と問題・展望
1 チーム医療の概念と意義
2 チームと対象者中心医療との関係
3 チーム医療の役割
4 チームアプローチの形態
5 チーム医療の促進因子(概念)と阻害因子
6 多職種連携の実際
7 チーム医療とデジタルトランスフォーメーション(DX)
第3部 リハビリテーションの実際
[リハビリテーション医療における評価]
1 目的・意義・重要性・診断と評価はどう違うか
1 評価とは何か? なぜ重要なのか?
2 診断と評価,どこが違う?
2 評価尺度・条件・治療プログラム立案
1 評価尺度
2 評価指標に求められる条件
3 治療プログラムの立案
[リハビリテーション医療の展開]
3 機能・構造障害に対するアプローチ
1 機能・構造障害とは
2 代表的な機能・構造障害
3 機能・構造障害に対するアプローチの実際
4 活動制限に対する評価
1 日常生活活動(ADL)
2 ADL評価の基本
3 ADL評価表
5 活動制限に対するアプローチ
1 アプローチの原則
2 「できる活動」(能力)から「している活動」(実行状況)へ
3 活動を広げていくには
4 「活動」への不安を探る
5 活動を広げるための補助具の活用
6 参加制約に対するアプローチ
1 参加および参加制約
2 ICFにおける参加と参加制約
3 ICFにおける参加制約の評価
4 参加制約に対するアプローチの実際
5 職業リハビリテーション
7 病院・施設でのリハビリテーション
1 リハビリテーションの目的
2 リハビリテーションの役割分担
3 リハビリテーションの過程
4 病院でのリハビリテーション(急性期・回復期)
5 施設でのリハビリテーション(生活期)
6 安全なリハビリテーションの提供のために
7 自立
8 地域リハビリテーション
1 地域リハビリテーションとは何か
2 地域リハビリテーションにおける活動の実際
3 地域包括ケアシステムとその展開
9 教育リハビリテーション
1 教育リハビリテーションとは
2 インクルーシブ教育とは
3 特別支援教育とは
4 期待されるセラピストの活躍(外部専門家の活用)
[リハビリテーションの対象疾患]
10 身体障害
1 中枢神経系疾患による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例1〜6)
2 骨関節障害による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例7〜11)
3 内部障害による障害の構造と基本的アプローチ(ICF例12〜13)
11 精神障害
1 精神障害とは
2 リハビリテーションの対象となる精神疾患
3 精神障害の構造と基本的なアプローチ
4 精神障害リハビリテーションの全体像と視点
12 神経発達症(発達障害)
1 神経発達症領域の障害構造
2 基本的アプローチの考え方
[社会資源とリハビリテーション機器]
13 社会資源の活用
1 社会資源に対する理解の必要性
2 社会資源の種類
3 社会資源の利用
14 リハビリテーション機器のイノベーション
1 リハビリテーション機器
2 治療場面におけるリハビリテーション機器
3 介護場面におけるリハビリテーション機器
4 リハビリテーション機器の活用に向けて
付録 関連法規
1 医療・福祉専門職の資格を規定する法規
2 医療・介護に関連する法規
3 障害者福祉に関する法規
索引