もう迷わない!教科書と現場をつなぐ,乳腺画像診断のナビゲーター!
新刊読める!わかる!使える!
乳腺画像診断NAVI
内容
序文
主要目次
乳腺画像診断を使いこなすうえで,まず最初に目指すところは,「検査のオーダーができる,検査後の画像を読み,治療方針を立てられるようになる」ことであろう.ただ一口にそうはいっても,画像診断の考え方に加えて,各種画像診断モダリティの基本的な理解や解剖,疾患概念,病理,生検,他の診断法など,いろいろと周辺知識も持っておかないといけない.また,実際にどうやったら,というHow to的な情報も必要である.できればそれが1ヵ所にまとまっているとありがたい.
『乳腺画像診断 NAVI』は,乳腺疾患の診断と治療に携わるすべての医療従事者を対象とし,上記の目標を達成すべく,乳腺画像診断とそれに必要な関連分野も含めた最新の知識と実践に役立つ情報を提供することを目的として企画・執筆された.いわば,「教科書」と「現場で指導医から聞く話」の中間に位置するイメージである.本書では,治療につながる画像診断を意識し,診断のベースラインとなる乳癌ハイリスクの考え方や,カテゴリーを含めた画像診断の考え方,そして生検,MRI,PETを用いた精査など,手術への各段階において臨床で想定しうるシチュエーションに応じた実用的な知識を,その分野のエキスパートに執筆いただいた.また薬物療法における画像での治療効果判定の考え方も追加し,新しい画像モダリティ・遺伝検査や人工知能(AI)についても,臨床への導入が近いと考えられるものを中心に記載した.
乳腺画像診断は,ガイドラインやBI-RADS®など画像所見に基づく考え方が広く用いられているが,画像から病理組織を想定することも基本的かつ応用力の高いアプローチである.疾患各論においては臨床でよく出会う疾患について,病理を意識した画像診断法をWHO分類に沿ってまとめた.また薬剤性肺炎や免疫関連有事象(irAE)等乳癌薬物治療の評価において欠かせない知識についても最新の知見を踏まえた内容とし,乳腺領域に限らず乳がん患者の画像診断にかかわる広い知識を一冊でカバーするようにした.実際の画像も多く準備いただき,理解の一助になるようにした.やはり「百聞は一見に如かず」である.
この本を手に取った乳腺診療にかかわるすべての人に,本書の内容が役に立てば幸いである.
2025年 春
片岡正子・久保田一徳
検診・病変診断の総論
治療前画像診断の総論
カテゴリー分類とBI-RADS
AI
画像解剖
乳癌の病理
乳癌未発症BRCA1/2病的バリアント保持者に対するマネジメント
BRCA1/2病的バリアント保持者に対する乳癌発症後マネジメント
BRCA1/2以外の遺伝性乳癌
モダリティ各論
□マンモグラフィ
撮影装置・原理・品質管理の基本
腫瘤の読み方
石灰化の読み方
構築の乱れの読み方
比較読影の方法
乳房トモシンセシスの活用法
□超音波
腫瘤の読み方
非腫瘤性病変の読み方
血流の読み方─カラードプラ法と造影超音波
エラストグラフィの活用法とピットフォール
乳癌のサブタイプは読み取れるか?
GTC判定と乳房構成判定
腋窩リンパ節,領域リンパ節の超音波診断
□マンモグラフィ・超音波
マンモグラフィ所見を加味した超音波診断
検診における総合判定のコツ
□生検・手技
USガイド下生検のコツ
ステレオガイド下生検・トモシンセシスガイド下生検のコツ
MRIガイド下生検のコツ
マーカー留置のコツ
[Note]術前マーキングのコツ
生検病理のコツ
□MRI
検査の安全管理
検査プロトコル・検査の基本
術前広がり診断の考え方
BPEが強いとき
乳管内成分の読み方
ハイリスクスクリーニング
拡散強調像の読み方
UF-DCE MRIの使い方
MRI診断のoverdiagnosisと偽陽性
MRI所見と組織診断・サブタイプ
治療効果判定の基本
造影ダイナミック画像の解析
拡散強調像における定量値の意義
撮像体位と病変の位置の移動
インプラント評価
[Note]乳房再建と画像診断
□PET・核医学
PET/CTの読み方
骨シンチグラフィの読み方
乳房専用PETの読み方
最新の核医学・PET装置の特徴
□新しい画像モダリティ
造影マンモグラフィ
光超音波イメージング,乳房アコースティックCT
□新しい検査方法
リキッドバイオプシー
疾患各論
benign epithelial proliferations, precursors and DCIS
papillary neoplasms
invasive breast carcinoma of no special type
intrinsic subtype
TIL
genetic tumor syndromes
良性乳腺病変
薬剤性肺炎の考え方
irAEの画像診断
ラジオ波焼灼療法の画像評価と手技
転移・再発乳癌の診断と治療効果判定
索引