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30年以上にわたって常に世界をリードして来た幕内肝臓手術の集大成

幕内肝臓外科学

カバー写真
  • 編集:幕内雅敏(日本赤十字社医療センター院長)
  • B5判・372頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2339-4
  • 2014年2月発行
定価 32,400 円 (本体 30,000円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

1980年代から30年余にわたり肝臓手術で世界の頂点に立つ幕内博士が,自身の手術のサイエンスとアートを余すことなく披瀝した記念碑とも言える歴史的1冊.
肝癌切除手術,肝移植手術については,術式ごとに鮮明なカラー写真で詳細に手術手順やコツを記載し,将に幕内肝臓外科の真髄に触れることができる.
☆図版30点,表組6点,カラー写真543点,モノクロ写真48点

序文

 肝切除は1985年頃までchallengingな手術でありました.生体肝移植はすでに確立したものの現在でも尚,challengingな手術であります.
 小生は,1979年に国立がんセンターに赴任,長谷川 博先生の御指導の下,当時は困難であった肝切除術を,術中超音波の導入,間歇的肝流入血遮断,門脈枝塞栓術によって安全で出血量の少ない手術としました.これにより,1980年代後半からは,手術死亡率と入院死亡率が1%以下となったのであります.1990年から信州大学に赴任して,生体肝移植を行いました.当時は世界で初めての小児生体肝移植に成功して1年前後の時期であり,定型的な術式は確立しておらず,どの施設も試行錯誤を繰り返していたと思います.そして,小児で安定した成績が得られるようになり,我々は成人の生体肝移植に1993年11月に世界で初めて成功致しました.以後,成人生体肝移植を中心に技術的改良を重ねて来ました.現在では成人の術式もほぼ完成したと思います.
 本書では,これら肝切除と生体肝移植の経験に基づき,どのようにして手術法が考え出されたのか,そしてそのエビデンス,次に肝切除に必要な局所解剖,続いて肝切除の適応,周術期の管理,肝切除の基本テクニック,14種類の肝切除の標準術式を写真を中心に述べています.
 生体肝移植では,移植の適応の問題,周術期の管理が記述されておりますが,後者は移植手術そのものと同等に重要であり,周術期管理の良し悪しが患者の退院率を左右します.従ってこの点についても詳しく述べております.
 続いて,生体肝移植の基本テクニックではドナー肝切除からグラフトの処理,レシピエントへのimplantation,術後の血流評価を述べています.肝切除と同様に超音波は生体肝移植を行う医師にとっても,必須の技術であります.
 最後に,左肝移植,右肝移植,右外側領域移植を述べています.肝静脈の再建法については,多くの手技を発表してきましたが,症例の脈管と利用可能なhomograftとの関係から,どのような術式を行うか,症例毎に考えながらグラフトを作製しています.
 多忙な臨床の中で,成書を出版することは大変な努力を要することであります.本書は,日本大学の高山忠利教授の編集協力の下,高山教授および教室員,帝京大学の佐野圭二教授,日本赤十字社医療センターの橋本拓哉部長および医員の執筆により完成することができました.さらに,本書の執筆者に名を連ねることはありませんでしたが,長年に亘り共に研鑽を深めて来た東京大学の國土典宏教授を始めとする多くの弟子達の御協力に改めて感謝します,また文光堂 嵩恭子氏を始め,出版に御努力頂いた多くの方々にも謝意を表したいと思います.

平成26年1月

日本赤十字社医療センター
院長  幕内 雅敏

Ⅰ.発想からエビデンスへ
 1.肝臓外科の進歩
 2.幕内外科の評価
II.手術に必要な局所解剖
 1.肝区域とランドマーク
 2.グリソン系脈管の解剖
 3.静脈系脈管の解剖
【肝癌切除】
Ⅰ.切除の適応
 1.肝細胞癌
 2.胆管細胞癌(肝内胆管癌)
 3.転移性肝癌
II.周術期の管理
 1.術前管理
 2.麻酔管理
 3.術後管理
III.肝癌切除の基本テクニック
 1.手術器具・セッティング
 2.開腹 (開胸)
 3.肝門処理
 4.肝授動
 5.肝静脈処理
 6.術中エコー
 7.肝区域の同定
 8.肝阻血法
 9.肝離断法
 10.閉創とドレナージ
IV.肝癌切除の標準術式
 1. 右肝切除(S5~S8切除)
 2. 左肝切除(S1~S4切除)
 3. 傍正中領域切除(S5+S8切除)
 4. 右外側領域切除(S6+S7切除)
 5. 左葉切除(S2+S3切除)
 6. S4切除
 7. S4S5S8切除
 8. S8切除
 9. S7切除
 10.S5切除
 11.S6切除
 12.拡大右肝切除兼膵頭十二指腸切除
 13.下右肝静脈温存術
 14.尾状葉切除
【生体肝移植】
Ⅰ.移植の適応
 1.適応
 2.インフォームドコンセント
II.周術期の管理
 1.術前管理
 2.術中麻酔管理
 3.術後管理
 4.拒絶反応の診断・治療
III.生体肝移植の基本テクニック
 1.ドナー手術
 2.グラフト処理
 3.レシピエント手術
 4.グラフト血流評価
IV.生体肝移植の標準術式
 1.左肝移植
 2.右肝移植
 3.右外側領域グラフト使用生体肝移植手術
索引