基本から実践までしっかり身につく!針生検手技の決定版
新刊乳房超音波ガイド下針生検マニュアル
細胞診から吸引式組織生検まで[Web動画付き]
内容
序文
主要目次
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例)p.24 基本手技:FNAC
日本乳腺甲状腺超音波医学会のインターベンション研究部会において,『乳腺超音波ガイド下インターベンション手技マニュアル』を2009年5月に発行してから7年が過ぎた.乳房生検は乳腺診療の基本であるにもかかわらず,その考え方や施行法についてまとまったテキストは見当たらなかった.本書はそれらを体系的に学ぶために作成されたものであり,乳腺診療の教育に一定の役割を果たしてきたと思う.本書を利用する立場から,より使いやすいものを目指し,内容が重複しすぎないように配慮した.
乳房生検に関しては,大規模なデータはないものの,多くの報告がなされている.それらのエビデンスを一度整理し,現在の生検手技の位置づけを考えていくことは意義があると考えられる.実際の手技は動画が重要であるが,最近ではDVDをパソコンに入れてみることは少なくなってきたと思われるため,インターネットを利用し,パソコンだけでなく,スマートフォン等を用いても動画を選択して供覧できるようにした.また,多くの方が陥りやすいピットフォールやときどき訊かれるちょっとした疑問に対する答えも用意した.ここ数年間にさまざまな生検装置が開発されてきており,より使いやすくなったことは事実であるが,どの装置にどのような長所,短所があるのかわかりにくくなっているため,それぞれの特徴をまとめてみた.
本書が,乳腺診療の向上に少しでも役立てられ,日本全国で患者のための医療に貢献できれば幸いである.
2016年9月
編者記す
1 さまざまな視点で考える
A.臨床医の技術的視点
B.病理学的視点
C.治療の視点
D.患者の視点
E.社会的視点
F.経済的視点
2 エビデンスからみた各種穿刺法の意義
A.穿刺吸引細胞診(FNAC)
B.コア針生検(CNB)
C.吸引式組織生検(VAB)
D.それぞれの針生検の診断精度とその比較
E.病態に応じた使い分け
3 針生検のデバイス
A.コア針生検(CNB)
B.吸引式組織生検(VAB)
Ⅱ 針生検の基本
1 環境整備,体位
A.生検時の環境整備
B.体 位
2 穿刺吸引細胞診(FNAC)
A.器 具
B.穿刺法
C.手 技
D.検体処理
E.止 血
F.穿刺吸引細胞診(FNAC)Q&A
3 コア針生検(CNB)
A.器 具
B.手 技
C.コア針生検(CNB)Q&A
4 吸引式組織生検(VAB)
A.被検者への施行前説明
B.必要物品
C.手 技
D.合併症時の対策
E.吸引式組織生検(VAB)Q&A
5 針生検のQ&A
6 練習方法
7 病理医からみた望ましい検体と依頼書
A.吸引式組織生検(VAB)を含む針生検検体の重要性
B.検体採取量
C.適正な検体の取り扱い
D.針生検組織による乳頭状病変の診断
E.望ましい依頼書とコミュニケーションの重要性
Ⅲ 針生検の注意点
1 合併症とその対策
A.出血・血腫
B.感 染
C.皮膚欠損
D.播 種
E.胸壁穿刺による気胸
F.その他
2 抗凝固療法中患者への針生検
Ⅳ 一歩進んだ針生検
1 腋窩リンパ節の針生検
A.腋窩リンパ節の超音波診断
B.腋窩リンパ節に対する穿刺吸引細胞診(FNAC)
C.腋窩リンパ節に対するコア針生検(CNB)
2 転移・再発巣に対するアプローチ
3 コア針生検(CNB)・吸引式組織生検(VAB)の精度
4 細胞診検体を用いたレセプター検索(セルブロック法)
Ⅴ 症 例
1 穿刺吸引細胞診(FNAC)
A.症例1
2 コア針生検(CNB)
A.症例1
B.症例2
3 吸引式組織生検(VAB)
A.症例1:通常の採取
B.症例2:癌組織採取時,貫通法での採取
C.症例3
Ⅵ 針生検の病理診断
A.FNACと広義の針生検の診断精度
B.診断困難病変への対処方法
C.針生検での診断困難症例の提示
索 引