眼科診療のスタンダードをビジュアルに解説! 実践的シリーズの決定版!!
新刊新篇眼科プラクティス 22
眼腫瘍!? 迷った時のガイダンス
内容
序文
主要目次
本書は眼腫瘍を疑った時に役立つ実践ガイドである.各章冒頭では,編者が定義や疫学,腫瘍を疑うべき症状などの初期診断の要点を整理し,腫瘍の評価から検査・対応に至るまでの一連の基本的な診療フローを提示.各論では,各領域のエキスパートが眼瞼腫瘍,角結膜腫瘍,眼内腫瘍,その他の腫瘍,眼腫瘍の新しい治療法の可能性まで網羅して解説する.
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.
今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.
直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
眼腫瘍は代表的な希少疾患であり,悪性腫瘍に限ると年間新規発症は3 , 000 人程度にすぎません.一方で良性腫瘍は多く,さらに霰粒腫など真の腫瘍ではない腫瘤性疾患が圧倒的に多いことはご存じのとおりです.
眼腫瘍を専門に扱う医師は少なく,専門施設へ紹介することは眼科医にとって「壁」があります.また,患者にとっても遠方まで出向くことは大きな負担になります.専門家には普通のことであっても,専門以外の眼科医にはそうではないことも多々あります.結果として,腫瘍が進行してしまってから紹介され,「もう少し早く紹介してくれればよかったのに」ということが少なくありません.一方で,治療を要しない症例が紹介されて「わざわざ受診しなくてもよかったのに」ということも経験されます.
腫瘍を専門としない眼科医が,まれな腫瘍もしくは疑い例に遭遇したときに,どうしたらよいか戸惑ってしまうことはやむを得ないと思います.どのような症状や所見をみたときに,どのような所見に注目して観察し,判断し,対処するか,という手がかりは非常に重要です.経過観察とするか,専門施設へ紹介するか,セカンドオピニオンを依頼するかの判断につながり,安心感をもたらします.
今回は,眼腫瘍を疑ったときの対処法について,そのガイダンスとなる書籍を企画いたしました.全体の統一を図るため,眼瞼,角結膜,眼窩,眼内,それぞれの腫瘍について,疫学や注意すべき点を同一著者が解説しました.また,疾患の診療実態がわからなければ患者にも説明できませんので,代表的な疾患について当該領域を専門とする先生方にお願いし,画像を多く採用してわかりやすく説明していただきました.本書では,専門家でもめったに遭遇しないような疾患は割愛し,日常診療で目にする可能性のある疾患に限定しています.
眼腫瘍!? と思ったときに参考にしていただき,診療の一助となることを期待しています.
2026年4月
鈴木茂伸
眼腫瘍の定義,疫学,概要
【解説】
Ⅰ.眼瞼腫瘍
1 眼瞼の腫瘍性疾患をみたらどうする
2 色素性腫瘍
1) 良性腫瘍:母斑,脂漏性角化症,乳頭腫など
2) 基底細胞癌
3) 悪性黒色腫
3 赤色腫瘍(血管に富む腫瘍)
1) 眼瞼炎
2) 扁平上皮癌
3) Merkel細胞癌
[T]進行期・再発眼瞼Merkel細胞癌におけるavelumab治療の最新知見
4 黄白色腫瘍
1) 炎症性疾患:霰粒腫,麦粒腫
2) 脂腺癌と脂腺系良性腫瘤
3) その他の眼瞼腫瘍
Ⅱ.角結膜腫瘍
1 角結膜の腫瘍性疾患をみたらどうする
2 色素性腫瘍
1) 母斑
2) PAMと悪性黒色腫
[T]結膜悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子変異とBRAF阻害薬
3 無色素性腫瘍
1) 輪部デルモイド
2) リポデルモイドと眼窩脂肪ヘルニア
3) 乳頭腫
4) 扁平上皮癌,上皮内癌
[A]眼表面腫瘍に対する抗腫瘍薬の点眼治療
5) 悪性リンパ腫
Ⅲ.眼窩腫瘍
1 眼窩の腫瘍性疾患をみたらどうする
2 涙腺部腫瘍
1) 多形腺腫
2) 涙腺癌
3 涙囊部腫瘍(眼窩鼻側に生じる腫瘍)
1) 涙道炎症性疾患:涙囊炎など
2) 涙囊部悪性腫瘍
4 視神経腫瘍
1) 視神経膠腫
2) 視神経鞘髄膜腫
5 リンパ系腫瘍,炎症性疾患
1) 悪性リンパ腫
[T]READsystemⓇの位置づけ,意義
2) IgG4関連疾患
3) 炎症性疾患
6 その他の腫瘍性疾患
1) 血管腫,血管奇形
2) 神経鞘腫(schwannoma)
3) 眼窩肉腫
4) 浸潤性腫瘍,続発性腫瘍
5) 甲状腺眼症
[T]甲状腺眼症に対するテプロツムマブ
Ⅳ.眼内腫瘍
1 眼内の腫瘍性疾患をみたらどうする
2 小児の腫瘍
1) 網膜芽細胞腫
[T]網膜芽細胞腫に対する遺伝学的検査
2) 網膜星状膠細胞過誤腫
3 血管系腫瘍
1) 網膜血管腫,血管芽腫
[T]von Hippel-Lindau病に対するbelzutifan
2) 網膜血管奇形
3) vasoproliferative retinal tumor
4) 脈絡膜血管腫(血管奇形)
4 色素性腫瘍
1) 悪性黒色腫と母斑
2) 網膜色素上皮肥大
3) 網膜色素上皮腫瘍
5 無色素性腫瘍
1) 転移性腫瘍
2) 眼内リンパ腫
[T]眼内リンパ腫に対するチラブルチニブ
3) 脈絡膜骨腫
4) 結節性強膜炎(後部強膜炎)
6 その他の腫瘍
1) 虹彩腫瘍
2) 毛様体腫瘍
Ⅴ.眼腫瘍の新しい治療法の可能性
1 眼腫瘍に対する新たな治療法の可能性
2 放射線治療
1) 重粒子線治療
2) 定位放射線照射
3) BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)
3 光免疫療法
4 ウイルスベクターを用いた光線力学療法と光免疫療法
5 がん遺伝子パネル検査(precision medicine)
6 ナビゲーションシステムを用いた眼窩手術
索引
Topics=[T]
Advanced Techniques=[A]