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乳腺疾患の全体像が,この一冊で把握できる!

一冊でわかる乳腺疾患

画像と病理で理解を深める

カバー写真
  • 編集:何森亜由美(高松平和病院乳腺外科)
  • 編集 森谷卓也(川崎医科大学教授)
  • B5判・244頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2344-8
  • 2018年12月13日発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

乳腺疾患を深く理解するためには,各疾患の画像所見と病理所見を合わせて理解してゆくことが求められる.本書は1年目~専門医試験を目指すレベルの乳腺外科医,病理医,放射線科医を対象に,主な乳腺疾患を,画像所見(マンモグラフィ,エコー,MRI)と病理所見を対比しつつ多面的に解説した.コンパクトな見開き2ページでまとめられており,読者の利便性にも優れている.多岐にわたる乳腺疾患を理解するための入り口として最適の一冊.
序文

 乳腺疾患について余すことなく熟知するためには,マンモグラフィ,超音波,MRI といった画像診断だけではなく,組織病理所見についても深い理解が必要である.つまり,臨床医と病理医とが連携し,互いの領域を十分に理解することが求められるといえよう.そこで双方にとって使いやすく,日常診療に役立つ書籍として企画されたのが本書『一冊でわかる乳腺疾患』である.
 本書では,乳腺疾患の臨床と病理を統合して学べることを基本コンセプトとして,画像診断と病理像との対比を心がけている(従って病理顕微鏡画像の多くはルーペ像あるいは弱拡大像である).また,臨床・病理相関を行うカンファレンス(画像カンファレンスなど)で使っていただくことをイメージし,I〜IV章の総論では用語解説,鑑別診断の手順に紙面を割き,Ⅴ章の各論では実地症例を提示して解説を行っている.なお,Ⅴ章は日常臨床での活用を意識して,「マンモグラフィで腫瘤がみられるケース」,「マンモグラフィで構築の乱れがみられるケース」といったように画像所見別の目次構成とした.そしてビジュアルに理解できるよう1つの疾患を見開き2頁でまとめ,左頁では典型的な画像を提示して基本を押さえ,右頁では,基本を超えて知っておきたい臨床事項を取り上げた.これらをうまくまとめていただくため,執筆は,臨床・病理相関を常に高いレベルで実践されているエキスパートの先生方にお願いした.
 本書執筆・編集の過程で乳癌取扱い規約第18版が発刊され,乳腺腫瘍の病理組織分類が少なからず変更になったために,その内容に合わせた用語や解説文の変更,写真の差し替えなど,制作に予想以上の時間がかかり,ようやくここに刊行に至った.再三の内容変更に快く応じてくださった執筆陣の先生方,また粘り強く対応してくださった文光堂の関係諸氏に,心より御礼を申し上げたい.
 本書には新しい病理組織分類の解説,それに対応した画像の読み方や用語の使い方がわかりやすく記載されている.日頃より手にとって大いに活用していただきたい.

2018年11月
何森亜由美,森谷卓也
I章 WHO分類と乳癌取扱い規約分類
II章 病理総論
III章 用語解説
1.病理用語解説
2.画像用語解説
  ①マンモグラフィ用語解説・読影解説
  ②超音波用語解説・読影解説
  ③MRI用語解説・読影解説
IV章 細胞診と針生検との違い
1.採取側,臨床側からの視点
2.病理側,診断側からの視点
V章 実際の診断思考過程に沿った読み方
1.マンモグラフィで腫瘤をみるケース
 1)総論的事項
 2)境界明瞭のもの(一部境界明瞭なものも含む)
  ①線維腺腫
  ②葉状腫瘍
  ③過誤腫,脂肪腫
  ④乳管内乳頭腫
  ⑤非浸潤性乳管癌
  ⑥乳管腺腫
  ⑦粘液癌
  ⑧神経内分泌癌
  ⑨乳管過形成/腺症
 3)微細分葉・鋸歯状
  ①腺管形成型浸潤性乳管癌
  ②充実型浸潤性乳管癌
  ③非浸潤性乳管癌
  ④粘液癌
  ⑤浸潤性小葉癌
  ⑥浸潤性微小乳頭癌
 4)spiculationを伴う腫瘤
  ①硬性型浸潤性乳管癌
  ②管状癌
  ③浸潤性小葉癌
  ④非浸潤性乳管癌
  ⑤硬化性腺症を伴う良性病変
2.マンモグラフィで石灰化をみるケース
 1)総論的事項
 2)微小円形
  ①囊胞性病変
  ②間質の石灰化
 3)淡く不明瞭な石灰化
  ①非浸潤性乳管癌/乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
  ②粘液癌
  ③乳腺症
 4)多形性
  ①乳管内成分優位の浸潤性乳管癌/微小浸潤癌/非浸潤性乳管癌
  ②硬性型浸潤性乳管癌
  ③浸潤性小葉癌
  ④硬化性腺症
 5)微細線状・分枝状
 a.点状高エコーを伴う非腫瘤性病変
  ①非浸潤性乳管癌
  ②乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
 b.点状高エコーを伴う腫瘤
  ①乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
  ②非浸潤性乳管癌
3.マンモグラフィでFADをみるケース
 1)総論的事項
 2)超音波画像:腫瘤
 a.高濃度乳腺
  ①腺管形成型浸潤性乳管癌
  ②硬性型浸潤性乳管癌
  ③充実型浸潤性乳管癌
  ④線維腺腫
 b.乳腺濃度散在または脂肪性
  ①非浸潤性乳管癌
  ②腺管形成型浸潤性乳管癌
  ③浸潤性小葉癌
  ④乳管内乳頭腫
 3)超音波画像:非腫瘤
  ①乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
  ②非浸潤性乳管癌
  ③乳管内乳頭腫
  ④肉芽腫性乳腺炎
  ⑤乳腺線維症/糖尿病性乳腺症
  ⑥正常乳腺
 4)超音波画像:乳管拡張
  ①非浸潤性乳管癌
  ②乳管内乳頭腫
  ③乳管拡張症
4.マンモグラフィで構築の乱れをみるケース
  ①総論的事項─ マンモグラフィで構築の乱れを見るということはどういうことか?
   鑑別のポイント
  ②硬性型浸潤性乳管癌
  ③管状癌
  ④浸潤性小葉癌
  ⑤非浸潤性乳管癌
  ⑥硬化性腺症
5.マンモグラフィで所見が出ず,超音波のみで検出される病変
  ①総論的事項
  ②硬性型浸潤性乳管癌
  ③乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
  ④広がりのある非浸潤性乳管癌/硬化性腺症
  ⑤微小な限局性の非浸潤性乳管癌
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索引