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大腸癌の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス!

腫瘍病理鑑別診断アトラス

大腸癌第2版

カバー写真
  • 編集:八尾隆史(順天堂大学教授)
  • 編集 菅井 有(岩手医科大学教授)
  • 監修:腫瘍病理鑑別診断アトラス刊行委員会
  • 編集協力:日本病理学会
  • B5変型判・304頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2258-8
  • 2021年4月16日発行
定価 17,600 円 (本体 16,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

腫瘍病理鑑別診断アトラスシリーズ「大腸癌」,待望の第2版.大腸癌の病理診断は,近年の内視鏡治療や分子病理学的解析の進歩に伴い,重要性が一層増している.また,tumor budding像や低分化胞巣などの新しい組織予後因子,炎症性腸疾患(IBD)に発生する異形成や癌など,日々トピックも更新されている.本書は,豊富な病理写真とともに,診断の要点や鑑別のポイントを解説.大腸癌病理診断の標準化を図りつつ,内視鏡診断と病理診断の接点,治療効果判定などの臨床と病理の連携にも言及した.病理医のみならず,臨床医にとっても大腸癌の理解の一助となる1冊.
第2版の序

 近年の臨床医学においては,病理診断は臨床診断を基礎付けるばかりではなく,治療分野においても重要な役割を担うようになってきている.近年急速に進歩しているコンパニオン診断は治療の選択に欠くことのできないものになっており,臨床医学にとって病理診断の重要性は増す一方となっている.
 病理診断の対象は大きく分けて,生検材料と摘出材料(内視鏡的切除材料と手術材料)があるが,両者の役割は同じではない.このことは病理診断に求められていることも両者においては異なっていることを示唆している.生検材料では組織診断が中心になり,そこから得られる病理情報も限定的であることが多いが,一方,摘出材料については単に組織診断を付与するばかりではなく,各種取扱い規約に従った種々の組織学的因子(リンパ管/静脈侵襲像,壁深達度,浸潤増殖様式など)を加えた病理診断を行うことが要求されている.近年ではtumor budding像や低分化胞巣などが新しい組織学的予後因子として注目されている.また炎症性腸疾患(IBD)に発生する異形成や癌の診断は病理医を悩ます難問の一つであるが,近年のIBDの増加を鑑みると日常診療においても看過できないほど重要性が増している.上記のような症例を専門家がどのように診断しているかは多くの実地病理医が知りたいところであろう.
 一方,分子病理学的進歩も著しく,新しい大腸癌の発生機序が解明されてきているが,病理診断もこれらの成果に無縁ではいられない.病理医は病理診断に分子異常の進歩を直接的,あるいは間接的に取り入れることが要請されている.
 本書の構成に関しては前版を踏襲し,全部で4部構成とした.第1部は「検鏡前の確認事項」として組織診断を行う前に知っておくべき標準的な知識をまとめた.第2部は「組織型と鑑別診断」としたが,組織学的な鑑別診断とともに分子異常との関連性についても述べた.第3部は「病理診断の実際」としたが,早期大腸癌におけるリンパ節転移予測因子や進行癌における組織学的予後因子についても記載した.これらの組織学的因子は臨床医にとっても必要な因子であり,現場の病理医は標準的な判断方法を知る必要がある.第4部は「臨床との連携」として,内視鏡診断と病理診断の接点に加え,薬物や放射線療法後の病理組織判定のポイント,化学療法や分子標的治療の標準的な判断方法について,さらには病理診断報告書に必要な記載の標準化などについて,前版に引き続き今回も掲載することとした.
 臨床医と病理医が現場の病理診断の問題点について概説することも本書の特徴の一つであり,本書が病理医のみならず臨床医にとっても日常診療の座右の書として前版以上にご利用いただけることを祈念する.

 令和3年4月
 八尾隆史
 菅井 有


 この「腫瘍病理鑑別診断アトラスシリーズ」は日本病理学会の編集協力のもと,刊行委員会を設置し,本シリーズが日本の病理学の標準的なガイドラインとなるよう,各巻ごとの編集者選定をはじめ取りまとめを行っています.

 腫瘍病理鑑別診断アトラス刊行委員会
 小田義直,坂元亨宇,深山正久,松野吉宏,森永正二郎,森谷卓也
第1部 検鏡前の確認事項
 Ⅰ.大腸癌取扱い規約のコンセプト:国際分類との相違を含めて
 Ⅱ.切除標本の取扱い方
 Ⅲ.肉眼診断
 Ⅳ.結腸・直腸・肛門の解剖学・組織学

第2部 組織型と鑑別診断
 Ⅰ.良性上皮性腫瘍
  1.管状腺腫・管状絨毛腺腫・絨毛腺腫
  2.鋸歯状病変
 Ⅱ.悪性上皮性腫瘍
  1.腺癌
   1.乳頭腺癌・管状腺癌
   2.低分化腺癌
   3.粘液癌
   4.印環細胞癌
   5.髄様癌
  2.特殊型組織型
   1.カルチノイド腫瘍と内分泌細胞癌
   2.腺扁平上皮癌・扁平上皮癌
   3.未分化癌
   4.AFP産生腺癌
   5.絨毛癌
   6.癌肉腫
 Ⅲ.非上皮性腫瘍(間葉系腫瘍)
 Ⅳ.リンパ腫と関連疾患
 Ⅴ.遺伝性大腸癌およびポリポーシス
  1.家族性大腸腺腫症
  (1)臨床
  (2)病理
  2.Lynch症候群
  (1)臨床
  (2)病理
  3.その他のポリポーシス
  (1)臨床
  (2)病理
 Ⅵ.腫瘍様病変
 Ⅶ.IBD dysplasia/cancer
 Ⅷ.肛門管腫瘍
 Ⅸ.転移性腫瘍

第3部 病理診断の実際
 Ⅰ.病理診断報告書に必要な記載
 Ⅱ.desmoplastic reactionの診断意義
 Ⅲ.大腸癌における組織学的予後因子
 Ⅳ.生検診断の難しい検体の判定:生検の運用法を含めて
 Ⅴ.内視鏡切除検体の組織診断

第4部 臨床との連携
 Ⅰ.早期病変における内視鏡診断と病理診断の接点
 Ⅱ.薬物や放射線療法後の病理組織判定のポイント
 Ⅲ.大腸癌切除後のサーベイランスと多重がん
 Ⅳ.大腸癌治療ガイドラインの概要
 Ⅴ.大腸癌遺伝子検査と分子標的治療

索引