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白熱対談! 患者背景と病態から解き明かすIBD治療薬選択の思考プロセス

新刊

加藤 順×杉本 健 直伝! IBD治療薬 どう選ぶ? どう使う?

対話でひも解く,処方の思考プロセス

  • 著:加藤 順(東京大学医科学研究所教授)
  • 著 杉本 健(浜松医科大学教授)
  • A5判・176頁・2色刷(一部4色刷)
  • ISBN 978-4-8306-2128-4
  • 2026年10月23日発行
定価 4,400 円 (本体 4,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

炎症性腸疾患(IBD)領域のオピニオンリーダー,直感派・加藤順先生と理論派・杉本健先生の対談が実現! 潰瘍性大腸炎やクローン病の基本治療から,患者背景と病態に応じたAdvanced therapyの導入まで,ちょっとだけ考え方の異なる2人の対話を通じて,処方の思考プロセスを分かりやすく解き明かします.症例検討やQ&A,クリニカル・パールも満載! 明日からのIBD診療に向けた新たな視点が切り拓ける一冊です.
序 文

 みなさんは,杉本先生のモグラが出てくる講演をお聞きになったことがあるでしょうか? IBDの病態や薬効について,免疫細胞をモグラに例えて説明したものですが,免疫に詳しくない私でも,非常にわかりやすいものでした.
 私は,杉本先生からは「直感派」と呼ばれます.「ベースで起こっている免疫のことを深く考えずともそれなりの治療選択のできる人」という意味だと勝手に好意的に解釈しています.私があまりそういったことを考えないのは,自分に免疫学の素養が乏しいことと,免疫学というものをあまり信用していないから,というのがあります(自分が理解できないことを信用しない,という鼻持ちならない考えですが).
 一方で,やはりIBDの薬剤選択においては何らかの根拠があることが望ましいと思っていますし,そういった選択マーカーがいずれ出てくることを願ってもいます.そういったなかで,杉本先生のモグラ理論,サイトカインプロファイル理論というのは,もしかしたら治療選択の根拠となりうる仮説なのかも,と思わせるものでした.
 したがって,今回新しいIBDの本の出版の提案を受けた際に,ぜひ,理論派の杉本先生のIBD治療選択の考え方を学びたいと思いました.そういったことを杉本先生にご提案したところ,ご快諾をいただき,杉本先生および編集者の方を含めた対談を何度も行ってできたのがこの本です.
 形として,私が杉本先生の教えを受けているのを本にした,というふうになっているので,読んでいただければわかりますが,杉本先生のほうが圧倒的に話している分量が多く,私は相槌を打っているだけのことが多いです.でも,直感派がときどき,直感派なりの自己主張をしているのも面白がっていただければうれしい限りです.
 IBD治療の選択においては,私や杉本先生の視点以外でも考え方があると思います.読者の方々には,ちょっと考え方の違うわれわれ2人の話を
参考にしながら,新たな視点を切り拓いていただければこれほどうれしいことはありません.
 最後に,文光堂の大嶋さん,黒添さんには,私と杉本先生のとりとめのない話を上手におまとめいただき,大変感謝しております.本書が,IBD診療に興味のある方に少しでも役に立ち,読者の方々が関わられているIBD患者さんがひとりでも多くhappyになることを願ってやみません.

 2026年残暑の厳しい折に
 加藤 順
第1章 IBD診療の基本的考え方
 A 潰瘍性大腸炎診療の基本とアプローチ
  1 治療開始の判断基準と初期治療の実際
   COLUMN クリニカル・パール① 無症状潰瘍性大腸炎へのアプローチと初診時検査の意義
  2 治療変更の判断基準と治療戦略の組み立て
   COLUMN クリニカル・パール② 基本治療変更の展開とチオプリン製剤の選択
  3 治療効果判定と長期目標,de-escalation(減薬・中止)
   COLUMN クリニカル・パール③ 血便消失後に持続する下痢への対応
 B クローン病診療の基本とアプローチ
  1 治療開始の判断基準と初期治療の実際
   COLUMN クリニカル・パール① クローン病の狭窄・瘻孔への初期治療の選択
  2 治療変更の判断基準とモニタリングの重要性
   COLUMN クリニカル・パール② クローン病における画像診断モダリティの使い分け
  3 治療効果の確認と治療変更
   COLUMN クリニカル・パール③ CDAIシートの活用
 C 生物学的製剤(バイオ製剤)および分子標的薬の使い分けと最前線
  1 潰瘍性大腸炎における Advanced therapyの選択
   COLUMN クリニカル・パール① ステロイド抵抗例におけるJAK阻害薬の選び方
   COLUMN クリニカル・パール② p19抗体製剤の使いどころ
   COLUMN クリニカル・パール③ S1P受容体調節薬の位置づけと注意点
  2 クローン病におけるAdvanced therapyの選択
  3 実臨床における課題:SDM,2nd Bio,あるいは「引き際」
   COLUMN クリニカル・パール③ 高齢者IBD・難治例における治療選択の死角
 D バイオシミラーと5-ASAジェネリック
  1 バイオシミラー(BS)
  2 経口5-ASA製剤のジェネリック
   COLUMN クリニカル・パール① バイオシミラー・ジェネリック導入における外来管理の要点
 E IBDにおける栄養療法と多職種によるチーム医療
  1 バイオ全盛時代におけるクローン病の栄養療法
  2 潰瘍性大腸炎の食事指導
   COLUMN クリニカル・パール① 外来栄養指導の要点
 F IBD診療における専門病院と地域クリニックをつなぐ病診連携
  1 地域クリニックから専門医・高次医療機関へ紹介すべきタイミング
  2 高次医療機関から地域クリニックへの逆紹介
   COLUMN クリニカル・パール① 病診連携を成功させる紹介・逆紹介の至適基準

第2章 Case Discussion:症例から考えるIBD治療薬の選び方,使い方
 症例1 5-ASA不耐で治療選択に苦慮した潰瘍性大腸炎
 症例2 妊娠を契機に薬剤を変更し,コントロールに難渋した潰瘍性大腸炎
 症例3 腹痛と通過障害があり,長期経過中に腸閉塞を繰り返すクローン病の症例
 症例4 難治な肛門病変を合併した若年発症のクローン病の症例

第3章 教えて先生! IBD診療に関するQ&A
 1 なぜ潰瘍性大腸炎は直腸から連続する病変なのですか?
 2 非IBD専門医が潰瘍性大腸炎以上にクローン病を苦手とする理由は何でしょうか?
 3 漢方薬(青黛)についてどう考えればよいでしょうか?
 4 腸内細菌の影響,腸内細菌療法(糞便移植など)をどう思われますか?
 5 新薬などでさらに効果が望める薬が出た際に積極的に変えてみるべきでしょうか?
 6 JAK阻害薬を使って高コレステロール血症になってしまう患者さんへの対応は?
 7 サイトカインプロファイルが時期によって変化するというのは本当なのでしょうか?
 8 CAP,カログラ®,コレチメント®の使い分けは?
 9 内視鏡診断のつきづらいIBD-Uの扱い方:どのような特徴から潰瘍性大腸炎寄り,クローン病寄りと評価しますか?
 10 クローン病の肛門病変について,専門医への紹介タイミング,内科医のための肛門病変のみかたについて教えてください.
 11 治験の上手なリクルート方法,治験の治療開始の仕方について教えてください.
 12 難病指定に関して,難病助成の上手な活用法を教えてください.軽症で難病指定を受けられない患者に対してジェネリック薬(5-ASA製剤など)をどのように選択しますか?
 13 免疫抑制とワクチンに関して教えてください.
 14 患者が増え続ける状況でこれからのIBD診療はどうあるべきでしょうか?
 15 Advanced therapyに5-ASA製剤やアザチオプリンを併用するタイミングや中止を検討する目安について教えてください.
 16 若手医師への教育方法において,先生方が実際に行っている工夫や取り組みを教えてください.
 17 論文の読み方で若手に批判的吟味を身につけさせる指導法を教えてください.
 18 IBD病態理解のために先生方がおすすめする効果的な勉強法を教えてください.
 19 インフォームド・コンセントやSDMの場で病気や薬,副作用を患者さんにどう説明すべきか教えてください.
 20 患者さんの海外旅行や留学,出張の際に先生方が行っている対応を教えてください.
 21 就職や結婚を控えたIBD患者さんへの説明で大切なことを教えてください.
 22 生ワクチンの接種が必要な場合の休薬判断や具体的な対応を教えてください.
 23 外来をサボる患者やアドヒアランスの悪い方への具体的な対応を教えてください.

付録 薬剤一覧
索引