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眼科手術のサイエンスは書籍で,アートはWEBの動画で

眼手術学  7

網膜・硝子体 I

カバー写真
  • 監修:大鹿哲郎(筑波大学教授)
  • 編集:小椋祐一郎(名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学教授)
  •     門之園一明(横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科教授)
  • B5判・406頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-5596-8
  • 2012年9月発行
定価 21,600 円 (本体 20,000円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

眼科手術全般を,全8冊に分けて網羅したシリーズの第3弾.網膜・硝子体疾患に対する外科的治療手技のすべてを網羅し2巻本として纏めた.Ⅰ巻では,必要な基礎知識・評価・検査法から,器具・材料,基本手技,手術合併症までを,Ⅱ巻では適応疾患別の手術方法を収載.広角眼底観察システム,マイクロプラスミン,染色硝子体手術,抗VEGF治療など最先端の技術も紹介.また,実際の手術手技はWEB上にアップされた動画と連動しており,目で見て習得することができる.
☆図版145点,表組31点,カラー写真371点,モノクロ写真28点

「網膜・硝子体」序文

 Jules Goninがローザンヌ大学において世界で初めて裂孔原性網膜剥離に対して網膜裂孔閉鎖術を行ったのは1916年と報告されている.今からおよそ100年前のことである.Robert Machemerがマイアミ大学で最初の近代的な経毛様体扁平部硝子体手術を行ったのは1970年である.その後,40年あまりが経過している.この100年の間,網膜疾患に対する外科手術は網膜裂孔閉鎖術から硝子体切除術,増殖膜切除術,黄斑再建術,網膜下手術,極小切開硝子体手術,酵素的硝子体手術と飛躍的な進化を遂げて,その治療適応も劇的に拡がっている.特に近年の硝子体手術の進歩は注目に値する.黄斑円孔など我々が眼科医になった頃には不治であったいくつかの疾患が,今ではほとんど治癒可能となっている.
 Meyer-Schwickerathが1949年に初めて報告した網膜光凝固治療も光源がレーザーに代わり,この60年あまりの間に大きく発展してきている.また,最近では抗VEGF薬剤やステロイドの硝子体投与が脈絡膜新生血管や黄斑浮腫に対する治療法として確立し,硝子体注射も網膜疾患治療手技として必須となってきている.
 本書は網膜硝子体疾患に対する外科的治療手技について,必要な基礎知識・評価・検査法から,器具・材料,基本手技,手術合併症,そして適応疾患別の手術方法など,すべてを網羅した手術書である.これほど大部で包括的な網膜硝子体手術書は本邦では初めてであろう.広角眼底観察システム,マイクロプラスミン,染色硝子体手術,抗VEGF治療など最先端の技術も紹介している.執筆者は第一線でご活躍されている総勢85名の先生である.本書の特徴は,ウェブサイトの動画と連動していることで,実際の手術手技を目で見て習得できる.従来もDVDやビデオをセットにした手術書は多くあったが,コンピュータとインターネットが普及した現代ではウェブサイトの動画にアクセスした方が手軽である.また,動画コンテンツのアップデートも容易であり,随時最新の情報を提供できるようになっている.この動画のサイトは登録さえすれば,誰でも無料でアクセスできるようになっており,動画を見てから書籍を購入することも可能である.
 本書が我が国でのこの領域の手術成績の向上,ならびに次世代の網膜硝子体術者の育成に少しでも役立てば望外の喜びである.

平成24年9月
小椋祐一郎・門之園一明

Ⅰ.網膜硝子体手術に必要な基礎知識
  1. 網膜硝子体手術に必要な臨床解剖学
II.網膜硝子体手術に必要な評価・検査
  1. 眼底観察と眼底チャート作成
  2. 超音波画像診断による評価
  3. 電気生理学的評価
  4. OCT 画像による術前評価
    ● OCT画像による術中評価
  5. 広角観察システム(Optos)による評価
III.硝子体手術の器具・材料
 A. 硝子体手術装置
  1. 灌流系(流体力学) 
  2. 硝子体カッター 
  3. 眼内照明  
  4. 光凝固 
 B. 器具・材料
  1. 糸   
  2. 基本手術器具―有鉤無鉤鑷子・剪刀・強膜圧迫子―
  3. バックリング材 
  4. 硝子体剪刀・鑷子
  5. ジアテルミー  
 C. 眼底観察システム
  1. 非接触型レンズを用いた顕微鏡 
  2. 接触型レンズ 
  3. スリット照明 
  4. 内視鏡  
 D. 手術室
  1. 手術システム―患者搬入出・術眼確認― 
  2. 手術室―照明/手術台・椅子― 
  3. 手術記録  
    ●3D-HD映像記録
  4. 手術助手 
  5. 器具・ラインの設置
IV.網膜硝子体手術の基本手技
 A. 麻酔と減菌
  1. 麻酔方法 
  2. 減菌方法 
 B. 強膜内陥術 
 C. 気体網膜復位術 
 D. 20ゲージ硝子体手術手技
 E. 小切開硝子体手術 
 F. 硝子体手術手技
  1. 後部硝子体剝離 
    ●マイクロプラスミンの応用
  2. 増殖膜切除 
    ●双手法   
  3. 内境界膜剝離 
  4. 網膜切開・網膜切除  
  5. 黄斑下処置  
  6. 止血    
  7. 眼内排液・液空気置換  
  8. 眼内レーザー   
 G. 広角観察システムによる手術手技 
    ●特殊眼内レンズでの眼底観察法 
 H. 内視鏡による手術手技 
    ●角膜混濁での眼底観察方法(人工角膜) 
 I. 白内障硝子体同時手術手技  
 J. 眼内タンポナーデの特徴と投与方法
  1. 空気 
  2. 長期滞留ガス(SF6, C3F8) 
  3. シリコーンオイル 
  4. 液体パーフルオロカーボンの特徴と使用方法 
 K. 染色硝子体手術
  1. インドシアニングリーン,トリパンブルー 
  2. ブリリアントブルーG(BBG) 
  3. 硝子体ゲル可視化剤
V.網膜光凝固術
  1.レーザーの基礎 
VI.外来での外科的手技
  1.硝子体内薬物注入 
  2.液ガス置換 
 A.術中合併症とその対策
  1.医原性裂孔 
  2.術中出血 
  3.駆逐性出血 
 B.術後合併症とその対策
  1.再剝離 
  2.術後眼内炎 
  3.術後高眼圧 
  4.再増殖 
  5.核白内障
索引

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