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ようこそ,Underwater消化器内視鏡の世界へ! Underwater手技を始めたい,そして極めたい貴方に,さまざまな手技を動画付きで解説!

新刊

Underwater消化器内視鏡[WEB動画付き]

All about “Underwater Endoscopy”

カバー写真
  • 編集:竹内洋司(群馬大学医学部附属病院光学医療診療部 診療教授)
  • 編集 山階 武(関西医科大学総合医療センター消化器肝臓内科 准教授)
  • 編集 山崎泰史(岡山大学学術研究院医療開発領域消化器内科 助教)
  • 編集協力:上堂文也(大阪国際がんセンター消化管内科 副部長)
  • B5判・232頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2125-3
  • 2025年10月16日発行
定価 8,800 円 (本体 8,000円 + 税10%)
あり
在庫
電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

進化を続けるUnderwater(浸水下)内視鏡のさまざまな手技について,豊富な写真とWEB動画を通して学べる一冊.
Ⅰ章 "Underwater"の基礎知識では,手技の適応やデバイス選択のコツなど押さえておきたい基本を,Ⅱ章 "Underwater"ベーシックでは重要な基本手技を,Ⅲ章 "Underwater"アドバンスではより応用的な手技を取り上げている.Columnでは知っておきたい理論やテクニックを解説.
大腸・十二指腸病変に対するUnderwater EMR/ESDの手技を中心に取り上げ,Gel immersion EMR/ESDはもちろん,Underwaterでの内視鏡挿入や観察,EUS,バルーン内視鏡など関連手技も網羅しており,まさにUnderwater内視鏡の全体像を掴み,その実践を支える一冊.
これからUnderwater手技を始めようと考えている医師,さらに応用的な手技を習得したい内視鏡医も必読.
序文

 正直に申し上げて,自分がこのような書籍を編集するとは思ってもいませんでした.(今でも若いつもりですが)若い頃は,内視鏡関連の書籍といえば,工藤進英先生の『大腸内視鏡挿入法』と,大阪府立成人病センター(当時)の竜田正晴先生による『EMR テクニックマニュアル』くらいしかなく,私にとって“内視鏡の専門書の出版”は,かなり遠い世界の話でした.また近年は,学会の書籍販売会場には各分野のエキスパートによる専門書が所狭しと並び,さらにYouTubeやSNS,内視鏡メーカーのホームページなどでも簡単に手技動画が閲覧できる時代です.そんな状況のなかで,あえて紙の書籍として何かを出版する意味があるのか……という思いを,正直にいえば抱いていました.
 そんな折,文光堂の黒添さんから本書の企画をいただきました.実は,かつて私が別の医学誌で大変失礼な振る舞いをしてしまい,それ以来お会いする機会がなかったのですが,ある学会で私がUnderwater内視鏡のセッションの司会をしていたところ,久しぶりにご挨拶に来てくださり,今回の企画をご提案くださいました.どこか“贖罪”のような気持ちも込めて,本書の編集を引き受けることにしました.一人で取り組むには荷が重い(時間が足りない)と感じたため,かつて大阪国際がんセンター(OICI)で同僚であった山崎泰史先生,山階 武先生を巻き込みました.今となっては,黒添さん,そして編集作業でたくさんの無理を快く引き受けてくださった文光堂の西さん,忙しいなか共同編集に巻き込んでしまった両先生には,感謝の言葉しかありません.
 私の知る限り,Underwater内視鏡に特化した専門書は本書が初めてです.ここには,Underwater技術を用いたさまざまな内視鏡手技について,国内外の第一線でご活躍の先生方にご執筆いただきました.各著者には,日々ご多忙のなかにもかかわらず,読者がその技術を再現できるよう,具体的かつ実践的な内容を丁寧に解説していただきました.執筆をお願いしたほぼすべての先生方が本書の趣旨に深くご賛同くださり,寄せられた原稿を拝読した際には今まで感じたことのないような高揚感を覚えました.それほどまでに,本書に収められた各稿には,格別の熱意と卓越した知見が注がれており,それぞれの分野を代表する専門家による技術と学術の粋が結集されています.Underwater内視鏡という比較的新しい技術に対する深い探究心と,その有用性を正しく共有し,より良い医療の実現に寄与したいという強い思いが行間から伝わってきます.本書の学術的価値と実用性は,まさにその熱意によって高められています.ここに,著者の先生方のご尽力に対し,改めて心より深甚なる謝意を表します.
 なお本書では,滅菌水以外の液体の送水装置への使用をはじめとして,添付文書に記載されていない使用法を含む工夫も紹介しております.これらはあくまで先進的あるいは研究的な技術であり,実診療において導入される際には,各施設および内視鏡医の責任のもと,慎重に実施の是非をご判断いただきますようお願い申し上げます.
 最後に,この書籍の完成にあたり,日頃より執筆・編集活動に温かいご理解をいただいております群馬大学医学部 消化器・肝臓内科学教室の浦岡俊夫教授に,この場を借りて心より御礼申し上げます.そして,共同編集者として尽力してくれた山崎先生,山階先生,さらに彼らと出会ったOICIでたくさんお世話になった石原 立先生,東野晃治先生をはじめ,多くの先生方に深く感謝申し上げます.また,その礎を築かれた竜田正晴先生,飯石浩康先生にも,改めて心より御礼申し上げます.
 なかでも,本書にもご寄稿いただいている,我々にUnderwater EMR を教えてくださった上堂文也先生に出会えたこと,そしてその卓越した論理的思考,倫理観,社会に対する使命感を,すぐそばで18 年間学ばせていただけたことは,私の医師人生におけるかけがえのない糧です.この場を借りて,心からの感謝を申し上げます.
 本書が,これから長く続くUnderwater 内視鏡の歴史における1 つのマイルストーンとなることを信じてやみません.
 『Underwater 消化器内視鏡:All about“Underwater Endoscopy”』を,どうぞご堪能ください.

2025年8月
編集者を代表して
竹内洋司
Introduction
 Underwater内視鏡:消化器内視鏡の新たな潮流

Ⅰ章 “Underwater”の基礎知識
 1 Underwater内視鏡の原理
 2 Underwater手技の適応
 3 Underwater内視鏡でのデバイス選択
    Column Underwater EMRの高周波設定
 4 Underwater内視鏡の周術期管理

Ⅱ章 “Underwater”ベーシック
 1 Underwater観察・診断
 2 消化管EUSにおけるUnderwaterテクニック
 3 Underwaterでの大腸内視鏡挿入─浸水法─
 4 大腸病変(10~20mm)に対するUnderwater EMR
    Column  Modified Underwater EMR
 5 大腸病変(≧20mm)に対するUnderwater EMR
    Column  ヨーロッパにおけるUnderwater EMRの現状と課題
 6 大腸病変に対するUnderwater ESD
 7 十二指腸病変(<10mm)に対するUnderwater EMR
 8 十二指腸病変(10〜20mm)に対するUnderwater EMR
    Column  浸水状態の保ち方 竹内洋司
 9 十二指腸病変に対するGel immersion EMR…
    Column  UnderwaterとGel immersion法の違い
 10 Water pressure methodを用いた十二指腸ESD
 11 pocket-creation method(PCM)とUnderwater ESD
    Column  食道ESDにおけるUnderwaterテクニック
 12 胃病変に対するUnderwater EMR
 13 Underwaterバルーン内視鏡(BAE)
 14 胆膵領域におけるUnderwater/Gel immersionテクニック
 15 “Underwater”の有害事象と対応

Ⅲ章 “Underwater”アドバンス
 1 大腸遺残再発病変に対するUnderwater EMR
 2 虫垂開口部病変に対するUnderwater EMR
 3 回腸末端病変に対するUnderwater EMR
    Column  大腸憩室内病変に対するUnderwater EMR
 4 潰瘍性大腸炎罹患範囲内の散発性腫瘍に対するUnderwater EMR
    Column  大腸病変に対するTip-in Underwater EMR
 5 大腸病変に対するUnderwater Injection EMR
 6 直腸NETに対するUnderwater EMR
 7 大腸病変に対するGel immersion EMR
 8 Water pressure methodを用いた大腸憩室内病変に対するESD
 9 十二指腸病変(≧20mm)に対するUnderwater EMR
 10 十二指腸遺残再発病変に対するUnderwater EMR
    Column  十二指腸病変に対するTip-in Underwater EMR
 11 十二指腸病変に対するPartial Injection Underwater EMR
 12 十二指腸NETに対するUnderwater EMR
 13 Water pressure methodを用いた十二指腸乳頭近傍病変に対するESD
   Column  Underwater ESD介助の工夫─2人法での共同作業による安全なESD─
 14 十二指腸病変に対するGel immersion ESD
 15 Underwater でのクリップを用いた閉鎖法:Reopenable-clip over the line method (ROLM)
    Column  Gas-free immersion systemおよびキャストフードを用いたテクニック
 16 乳頭部腫瘍に対するUnderwaterパピレクトミー
    Column  膵管空腸吻合部狭窄に対するGel immersion endoscopyを用いたダブルバルーン内視鏡下ERP法

付録 エビデンスから読み解くUnderwater内視鏡

索引