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関節鏡視下手術の最新スタンダードテキスト!初学者のための基本手技からさらなる技術向上に導くための知識・技術をビジュアルに解説!!

ビジュアル・サージカルテクニック  

肩関節鏡視下手術

カバー写真
  • 監修:石橋恭之(弘前大学教授)
  • 編集:三幡輝久(大阪医科薬科大学准教授)
  • B5判・348頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2746-0
  • 2021年5月19日発行
定価 17,600 円 (本体 16,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

現在,関節鏡はさまざまな部位に応用され,過去には関節切開が一般的であった治療の多くが鏡視下に行われており,関節外科医にとって関節鏡は必須の技術となっている.本書は関節鏡視下手術の初学者が必要となる知識と技術をまとめた標準的な教科書である.高い技術力・経験知を要する上級レベルの手術は扱わず,初学者がレベルアップするために知っておきたい内容を盛り込んだ.この一冊で初学者が関節鏡視下手術をマスターできるよう,肩関節鏡視下手術に必要な局所解剖やバイオメカニクス,診断からはじまり鏡視下Bankart手術や腱板修復手術を含むさまざまな手術手技を網羅し,豊富なイラスト・鏡視像と共に手術の流れを分かりやすく解説.
序文

 関節鏡視下手術の新しいスタンダードテキストとして,ビジュアル・サージカルテクニックを上梓いたしました.ここ10年の間にも,局所解剖学を含めた数多くの新知見があり,また新しい手術器械やインプラントの開発も相まって,鏡視下手術は日進月歩の発展を遂げております.
 ご存じの様に関節鏡は,日本の偉大な先人達の不断の努力により,本邦で開発され発展した世界に誇る技術です.1918(大正7)年に高木憲次先生(東京帝国大学)が膀胱鏡で屍体膝の内腔を初めて鏡視し,1920(大正9)年には世界初の関節鏡の試作品を作製しています.その後関節鏡の開発は,渡辺正毅先生(東京帝国大学卒,東京逓信病院)に引き継がれ,1959(昭和34)年に実用関節鏡となる渡辺式21号関節鏡を完成させました.この関節鏡を用い,1962(昭和37)年に世界初の鏡視下半月板部分切除が行われています.1969(昭和44)年にAtlas of Arthroscopy 2nd editionが刊行され,同年の第11回SICOTで21号関節鏡を用いた映画が上映されました.その後関節鏡は世界に広まり,1974(昭和49)年には国際関節鏡学会の初代会長に渡辺先生が就任され,「Father of Arthroscopy」の称号が与えられております.この様に,膝関節から始まった関節鏡ですが,現在は様々な部位に応用され,過去には関節切開が一般的であった治療の多くが鏡視下に行われています.つまり関節外科医にとって,関節鏡は必須の技術となっています.
 本書は,肩関節鏡視下手術のエキスパートである三幡輝久先生に編集をご担当頂きました.肩鏡視下手術に必要な局所解剖やバイオメカニクス,また基本的な手技や診断に始まり,すでにスタンダードな手技となっている鏡視下Bankart手術や腱板修復手術が豊富なイラストや鏡視像と共に解説されています.さらにそれらの治療困難例に対する鏡視下手術,また神経障害,投球障害,骨折に対する鏡視下手術まで,関節鏡を用いて行いうるほとんど全ての治療が網羅されております.

 今回,関節鏡外科医・関節鏡技術認定医を目指す鏡視下手術の初学者に必要となる知識と技術をまとめた標準的な教科書を目指し,本書を企画しました.しかしその内容は,中・上級者の関節鏡専門医にとっても十分な内容となっております.是非本書を手にとって頂き,鏡視下手術手技の向上にお役立て頂ければと思います.

2021年5月
弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座教授 石橋恭之
Chapter 1 解剖とバイオメカニクス
 1.肩関節鏡視下手術に役立つ局所解剖
 2.肩関節鏡視下手術に役立つバイオメカニクス

Chapter 2 手術器具と基本手技
 1.肩関節鏡視下手術の手術器具とセットアップ
 2.肩関節鏡視下手術のための鏡視下糸結び法

Chapter 3 合併症
 1.肩関節鏡視下手術の合併症とその予防と対策

Chapter 4 麻酔と術後疼痛管理
 1.肩関節鏡視下手術における麻酔と術後疼痛管理

Chapter 5 診断
 1.ポータル作製と正常肩関節の所見
 2.肩甲上腕関節内にみられる異常所見
 3.肩甲上腕関節の外部にみられる異常所見

Chapter 6 肩関節不安定症
 1.鏡視下Bankart修復術
 2.骨性Bankart病変を伴う症例に対する鏡視下Bankart修復術
 3.大きなHill-Sachs病変を伴う症例に対するRemplissage法
 4.Rotator interval closure
 5.鏡視下Bankart-Bristow変法
 6.HAGL病変に対する鏡視下修復術
 7.後方不安定症に対する関節唇修復術

Chapter 7 腱板断裂
 ❶ 修復可能な症例
 1.小・中断裂に対する鏡視下腱板修復術
 2.大・広範囲断裂に対する鏡視下腱板修復術
 3.肩甲下筋腱断裂に対する鏡視下腱板修復術
 4.腱板不全断裂に対する鏡視下腱板修復術:完全断裂にして修復
 5.腱板関節包側不全断裂に対する鏡視下腱板修復術:trans-tendon repair
 6.肩上方関節包再建術による補強を追加した鏡視下腱板修復術
 ❷ 修復不能な症例
 1.鏡視下腱板部分修復術
 2.大腿筋膜を用いた鏡視下肩上方関節包再建術
 3.テフロンパッチを用いた鏡視下肩上方関節包再建術
 4.鏡視下小胸筋移行術
 5.筋前進術を併用した鏡視下腱板修復術

Chapter 8 投球障害肩
 1.オーバーヘッドスポーツ選手のSLAP病変に対する鏡視下手術
 2.オーバーヘッドスポーツ選手の腱板断裂に対する鏡視下手術
 3.重度肩関節後方タイトネスと肩Bennett病変に対する鏡視下手術
 4.オーバーヘッドスポーツ選手の前方不安定症に対するMGHL修復術

Chapter 9 神経障害
 1.肩甲上神経麻痺に対する鏡視下上肩甲横靱帯切離術
 2.傍肩関節ガングリオン嚢腫による肩甲上神経麻痺に対する鏡視下手術
 3.胸郭出口症候群に対する鏡視下第1肋骨切除術

Chapter 10 骨折に対する治療
 1.上腕骨大結節骨折に対する鏡視下手術
 2.肩甲骨関節窩骨折に対する鏡視下手術

Chapter 11 その他
 1.肩関節拘縮に対する鏡視下関節包解離術
 2.肩石灰沈着性腱板炎に対する鏡視下手術
 3.肩鎖関節脱臼に対する鏡視下烏口鎖骨靱帯再建術

Chapter 12 リハビリテーション
 1.腱板断裂に対する鏡視下手術後のリハビリテーション
 2.肩関節不安定症に対する鏡視下手術後のリハビリテーション
 3.オーバーヘッドスポーツ選手における鏡視下手術後のリハビリテーション

索引