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肝生検なしでもここまでわかる!非侵襲的な肝線維化評価をまとめた画期的な1冊!!

肝疾患診療に役立つ 肝線維化評価テキスト

肝生検から非侵襲的な検査の時代へ

  • 編集:泉 並木(武蔵野赤十字病院院長)
  •     黒崎雅之(武蔵野赤十字病院消化器科部長)
  • B5判・140頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-2100-0
  • 2017年9月発行
定価 4,860 円 (本体 4,500円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

B型・C型肝炎,脂肪肝などの肝疾患において,肝線維化は病気の進行度や発癌リスクの予測をする上でもっとも重要なファクターである.しかし,現在,肝線維化評価のゴールドスタンダードである肝生検は侵襲性とサンプリングエラーなどの問題がある.本書では,肝生検にかわり,非侵襲的に肝全体の線維化の程度を評価できる有用な検査法として期待されるデバイスや線維化マーカー,スコアリングの概要から臨床への応用について,第一線の専門家が余すところなく解説した.

序 文

 肝疾患の診療において,肝線維化の程度は最も重要な指標である.慢性肝疾患には,ウイルス性肝炎,非アルコール性脂肪肝炎,自己免疫性肝疾患,アルコール性肝障害などの多彩な原因があるが,いずれも治療をしなければ病態が徐々に進行する.肝線維化が進行して肝硬変に至ると,肝機能が障害されて食道胃静脈瘤破裂,腹水貯留,黄疸などの症状が出現し,肝不全に至る.あるいは,肝硬変からは肝癌が高率に発症し,生命予後を規定する.したがって,慢性肝疾患の治療目標は,肝硬変への移行を阻止し,肝不全や肝癌の発生を抑止し,患者のQOLや生命予後を改善することである.そのための治療技術は日進月歩であり,特にウイルス性肝炎では原因となるウイルスの排除あるいは増殖の制御が100%近い確率で可能となった.しかし,原因が除去されても,ただちに肝線維化が改善するわけではない.このように治療が進歩した今こそ,肝疾患の病態における本質である肝線維化の程度を非侵襲的に把握することが重要である.
 一般診療では,AST,ALTなどの血液検査データが肝障害の指標として使用されるが,これらのデータが正常でも肝硬変に至っている症例は少なくない.日常診療では,これらの検査データ以外に肝線維化の程度を把握することが求められるが,その技術は多岐にわたる.一般臨床医にとっては,保険診療の範囲内でできるスクリーニング方法を熟知して活用し,消化器・肝臓専門医との病診連携につなげることが一つの目標になる.消化器・肝臓専門医は,自施設で使用できる非侵襲的評価デバイスを駆使することで,肝生検を行わなくとも簡便に肝線維化を評価できるようになった.さらに,このような方法の開発は,肝線維化の程度をリアルタイムに把握することを可能とするため,肝疾患の診療形態を大きく変える可能性がある.
 本書は,一般臨床医から消化器・肝臓専門医まで,幅広い医師層に役立つ情報を網羅することを目指した.すなわち臨床の最前線にいるかかりつけ医のスクリーニングと,紹介を受けた専門医による適切な肝線維化評価という2 つの視点から情報を整理し,現時点での最新情報にupdateした.スクリーニングから精査まで,肝疾患診療に携わる全ての医師に役立つことを祈念している.

2017年6月
武蔵野赤十字病院
泉 並木,黒崎雅之

第1章 肝線維化評価の臨床的意義
第2章 肝線維化の非侵襲的評価方法
 1 肝線維化スコアリング(Fib-4 index,APRI,FibroIndex など)
 2 バイオマーカー
  1)血清線維化マーカー
  2)M2BPGi
  3)ELF score
 3 遺伝子
 4 超音波elastography
  1)Transient elastography(TE)
  2)Real-time tissue elastography(RTE)
  3)Shear wave elastography
 5 MR elastography
 6 MR laparoscopy
第3章 臨床への展開
 1 非侵襲的手法の組み合わせによる肝線維化評価
 2 肝癌のリスクを予測する
 3 食道胃静脈瘤の存在を予測する
 4 治療が必要なB型肝炎を見分ける
 5 C型肝炎ウイルス排除後の病態を見極める
 6 自己免疫性肝疾患の病態を診断する
 7 脂肪肝の中からNASHを見分ける
 8 肝生検で得られる付加的情報とは
 索 引