人間ドック,健診の現場で有効活用できる人間ドック・予防医療学会監修テキスト最新版!
新刊人間ドック・予防医療の基本と実践
健診・予防医療の基礎知識から判定基準・事後指導まで
内容
序文
主要目次
【出版目的】前漢の政治家に韋賢(BC143〜BC62)という人がいました.韋賢は前漢の最大版図を獲得した7 代皇帝武帝後の昭帝,宣帝の時代に宰相を務めました.その言に韋賢満籝の諺があります.「子に黄金満籝を遺すは,一経に如かず」ですが,現代風に訳せば「子に残す籠いっぱいの黄金も,一巻の経書を残す利益には及ばない」といえます.後輩,後進に書かれたものを残し導くことの大切さを述べています.
韋賢満籝の諺に触発され,2026年春に日本人間ドック・予防医療学会の会員を中心に多くの先生方のご賛同・ご協力により『人間ドック・予防医療の基本と実践』が出版されることになりました.2017年春に出版された『人間ドック健診の実際』を伝承,伝達し,発展させた内容です.本書は,現在予防医療の第一戦で働いている人たちが,後から来る人たちのために書き残した書です.自分たちが苦しんだり困ったりしたことを,後から来る人たちには経験させたくない,苦しんだり困ったりしたことを回避するノウハウをお伝えするとの思いで記しました.
【内容】2024年より当学会において「新書籍発刊プロジェクトチーム」を立ち上げ,井上和彦理事,加藤公則理事,鎌田智有理事,武藤繁貴理事を中心に事業を進めました.本書の分担としては,それぞれの分野の専門家にご担当いただき,計77論文からなる成書となりました.
その内容は,①予防医療の目的・重要性,②予防医療制度の実態,③一次ないし二次の予防医療における所見の読み方と対応法,④予防医療施設と予防医療従事者の育成,⑤予防医療と社会とのかかわりなどです.
【対象】本書では,人間ドック・健康診断等の予防医療に従事されている医師・保健師・看護師・栄養士などの医療従事者,さらに事務職員等に加えて,予防医療に従事して日の浅い,あるいは今後従事を予定している方々も読者対象としております.特に他専門分野から人間ドック・健診の分野にキャリアチェンジされた方々にとって,短時間に理解されやすく記してあります.
【最後に】予防医療における最新の知見を治めた本書が予防医療を実施する各施設関係者各員により認知され,広く読まれ,活用していただけることを切に望んでおります.
2026年3月
公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会 理事長
荒瀬康司
Ⅰ章 予防医療の重要性
1.人間ドック・予防医療の歴史
2.人間ドック・予防医療の現状と課題
3.人口減少社会における予防医療への期待
Ⅱ章 予防医療制度
1.健康保険連合組合連合会(健保連)の人間ドック健診
2.労働安全衛生法に基づく定期健診
1)一般健康診断
2)労災二次健康診断
3)ストレスチェック
3.特定健診・特定保健指導
4.がん検診
1)対策型がん検診総論
2)人間ドック・職域検診における肺がん検診
3)人間ドック・職域検診における大腸がん検診
4)人間ドック・職域検診における上部消化管がん検診
5)人間ドック・職域検診における乳がん検診
6)人間ドック・職域検診における子宮頸がん検診
Ⅲ章 人間ドックの実際
1.医療面接
2.身体診察
3.基本検査項目と判定基準・事後指導
1)検尿
2)末梢血検査
3)生化学検査
4)便潜血検査
5)心電図検査
6)呼吸機能検査
7)胸部X線検査
8)腹部超音波検査
9)上部消化管X線検査
10)上部消化管内視鏡検査
11)視力・眼底検査
12)聴力検査
Ⅳ章 人間ドック・健診で高頻度にみられる症候・疾病
1.肥満とやせ
2.高血圧
3.糖尿病
4.脂質異常症
5.肝機能異常
1)肝炎ウイルス
2)アルコール性肝障害
3)脂肪肝
6.高尿酸血症
Ⅴ章 人間ドックで行われているオプション検査
1.オプション検査の基本的な考え方
2.生活習慣病関連・心血管系検査
1)動脈硬化・抗加齢検査
2)心臓検査
3)頭部MRI検査
3.がん関連
1)胸部CT検査
2)全大腸内視鏡検査・大腸CT検査 満崎克彦
3)膵がん検診
4)PET検査
5)乳房超音波検査
6)PSA
7) 胃がんリスク層別化検査─ABC分類,血清Helicobacter pylori抗体
4.その他
1)骨密度検査
2)睡眠健診
3)歯科健診
Ⅵ章 性差による人間ドック・予防医療
1.女性のための人間ドック・予防医療
2.妊婦のための人間ドック・予防医療
3.トランスジェンダーのための人間ドック・予防医療
Ⅶ章 超高齢社会における人間ドック・予防医療
1.高齢者における予防医療の基本
2.ロコモティブシンドローム
3.フレイル・サルコペニア
4.認知症
Ⅷ章 特定健診・特定保健指導(第4期)
Ⅸ章 生活習慣の改善・行動変容のための支援
1.食事
2.運動
3.喫煙
4.飲酒
Ⅹ章 日本人間ドック・予防医療学会の活動
1.健診施設機能評価
2.日本人間ドック・予防医療学会認定医制度
3.人間ドック健診専門医制度
4.人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)
5.遺伝学的検査アドバイザー
6.健診事務職育成事業
7.保健師・看護師育成事業