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日本病理学会編集協力! 腫瘍病理鑑別診断アトラスセカンドシリーズ第1弾 「縦隔腫瘍・胸膜腫瘍」!!

腫瘍病理鑑別診断アトラス  

縦隔腫瘍・胸膜腫瘍

カバー写真
  • 編集:深山正久(東京大学教授)
  •     野口雅之(筑波大学教授)
  •     松野吉宏(北海道大学教授)
  • B5変型判・308頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2240-3
  • 2014年4月発行
定価 16,200 円 (本体 15,000円 + 税)
あり
在庫
電子版販売サイト

※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

正誤表

内容

序文

主要目次

縦隔腫瘍は,多彩な胸腺腫,リンパ腫,囊胞性疾患など鑑別診断の多い分野である.また,胸膜腫瘍として最も重要な悪性中皮腫は,2005年に社会的に大きく取り上げられ,救済・保障制度が整備されたが,数十年の潜伏期や進行症例の難治性を考えると,今後益々,診断,とりわけ早期病変,細胞診の診断が重要となる.本書は病理医の役割が決定的に重要であるこの縦隔腫瘍,胸膜腫瘍の標準的な腫瘍病理学アトラスとして,病理医の日常を支える参考書である.
☆図版27点,表組72点,カラー写真304点,モノクロ写真15点

序文

 日本病理学会編集協力「腫瘍病理鑑別診断アトラス」が,新たな刊行委員の下で刊行されることになった.新シリーズの最初として縦隔腫瘍・胸膜腫瘍を刊行することとなった.
 日本の癌取扱い規約では,縦隔腫瘍については,日本胸腺研究会「縦隔腫瘍取扱い規約」で扱われている.一方,WHO組織分類については,2004年にはWHO classification of tumours:Pathology and Genetics;Tumours of the Lung, Pleura, Thymus and Heartが出版されている.
 縦隔腫瘍の中でも,胸腺腫瘍の分類については長らく米国,欧州の病理医の間で意見が戦わされた.1999年に一つの合意に達し,Histological typing of tumours of thymus(表紙には第2版と印刷されているが,胸腺腫瘍分類としては初版である)が出版されることとなったが,必ずしも明確な基準,科学的根拠が示されたとは言い難い状況であり,それは2004年の分類にも引き継がれている.一方,縦隔腫瘍は多彩であり,鑑別診断の多い分野とも言えよう.多彩な胸腺腫,リンパ腫,囊胞性疾患など十分に整理が必要である.
 胸膜腫瘍として最も重要な悪性中皮腫については,2005年夏「クボタ・ショック」(兵庫県尼崎市のクボタ神崎工場周辺住民における中皮腫の多発と補償問題)として社会的に大きく取り上げられ,救済・保障制度が整備されることになった.しかし,アスベストは1974年から1990年まで25万t以上使用され,2000年以降ようやく10万t を下回り2005年にほぼ0となった状況である.数十年の潜伏期や進行症例の難治性を考えると,これから益々,悪性中皮腫の診断,とりわけ早期病変,細胞診の診断が重要になってくるものと推定される.
 縦隔腫瘍,胸膜腫瘍,いずれをとっても病理医の役割は決定的に重要である.今回の「腫瘍病理鑑別診断アトラス」が日本における標準的な腫瘍病理学アトラスとして,病理医の日常をしっかり支える参考書となることを願っている.

平成26年4月
  深山 正久
  野口 雅之
  松野 吉宏

[縦隔腫瘍]
第1部 検鏡前の確認事項
 I.縦隔腫瘍取扱い規約分類とWHO分類
 II.病理標本の扱い方:手術材料の取り扱い
第2部 組織型と診断の実際
 I.胸腺上皮性腫瘍
 1.胸腺腫
  (1)A型,AB型,B型胸腺腫
  (2)リンパ性間質を伴う小結節性胸腺腫,化生性胸腺腫,顕微鏡的胸腺腫,
    硬化性胸腺腫,脂肪線維腺腫
 2.胸腺癌
  (1)扁平上皮癌
  (2)類基底癌
  (3)粘表皮癌
  (4)リンパ上皮腫様癌
  (5)肉腫様癌
  (6)明細胞癌
  (7)乳頭状腺癌
  (8)非乳頭状腺癌
  (9)NUT midline carcinoma
  (10)未分化癌
 3.胸腺神経内分泌腫瘍
 II.胚細胞腫瘍
 1.精上皮腫
 2.成熟奇形腫
 3.未熟奇形腫
 4.胎児性癌
 5.卵黄囊腫瘍
 6.絨毛癌
 7.混合性胚細胞腫瘍
 8.体細胞型腫瘍
 III.悪性リンパ腫
 1.T細胞性リンパ芽球型リンパ腫
 2.縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞性リンパ腫
 3.胸腺MALTリンパ腫
 4.Hodgkinリンパ腫
 5.組織球性肉腫
 6.骨髄性肉腫
 7.その他の縦隔リンパ増殖性疾患
 IV.神経原性腫瘍
 V.胸腺および縦隔の軟部腫瘍
 VI.転移性腫瘍
 VII.非腫瘍性病変,過誤腫
 1.囊胞性病変
 2.増殖性病変
 3.甲状腺・副甲状腺病変
第3部 鑑別ポイント
 1.迅速標本の診断:リンパ腫か,胸腺腫か
 2.胸腺腫の浸潤の評価
 3.B3型胸腺腫と胸腺扁平上皮癌の鑑別
第4部 臨床との連携
 I.術前診断:主に画像所見との対比
 II.臨床症状
 III.縦隔腫瘍の治療
 IV.病理診断報告書の記載
[胸膜腫瘍]
第1部 検鏡前の確認事項
 I.肺癌取扱い規約のコンセプト:胸膜腫瘍
 II.病理標本の扱い方
 1.胸膜生検,細胞診セルブロック
 2.手術材料の取り扱い
第2部 組織型と診断の実際
 I.中皮細胞腫瘍
 A.良性腫瘍
 1.アデノマトイド腫瘍
 B.悪性腫瘍
 1.上皮型中皮腫,肉腫型中皮腫(線維形成型中皮腫を含む),二相型中皮腫
 2.特殊型,その他
 II.悪性リンパ腫
 1.Primary effusion lymphoma
 2.膿胸関連リンパ腫
 III.転移性腫瘍
 IV.非上皮性腫瘍
 1.類上皮血管内皮腫⊘血管肉腫
 2.滑膜肉腫
 3.孤在性線維性腫瘍
 4.胸膜石灰化線維性腫瘍
 5.線維形成性小円形細胞腫瘍
 V.腫瘍様病変
 1.胸腔内膜症(月経随伴性気胸)
 2.Erdheim-Chester病
 3.リンパ管腫症
 4.リンパ脈管筋腫症
 5.アミロイドーシス
第3部 鑑別ポイント
 1.反応性中皮増生と中皮腫の鑑別
 2.中皮腫と肺癌の胸膜浸潤との鑑別
第4部 臨床との連携
 I.術前診断
 II.胸膜病変における体腔液細胞診の有用性
 III.中皮腫の治療
 IV.病理診断報告書の記載
 1.生検検体
 2.手術検体
索引