TOPページへ

わかる!使える!核医学の決定版!

わかりやすい核医学

  • 編集:玉木長良(北海道大学大学院医学研究科核医学分野教授)
  •     真鍋 治(北海道大学大学院医学研究科核医学分野助教)
  • B5判・320頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-3745-2
  • 2016年1月発行
定価 12,960 円 (本体 12,000円 + 税)
あり
在庫
電子版販売サイト

※電子版の購入方法は,各販売サイトにてご確認ください.

内容

序文

主要目次

難しくなりがちな核医学を,病態生理から検査の進め方,画像の読み方へと解説を進めることにより,誰にでも理解しやすい構成とした.また,典型例の美しい画像の数々に加え,最新のトピックスや,専門医がしっておきたい知識もNOTEとして別枠に掲載し,基礎から最新の話題までを網羅した内容となっている.放射線科専門医をめざす若手医師はもちろん,核医学検査,内用療法が必要な診療領域の医師・技師すべてを対象とした,みんなのための核医学のテキスト.
☆カラー写真544点,モノクロ写真292点,図版89点

序文

 核医学はこの数年で大きく発展しています.FDG PET検査が2002年に保険適用された後,幅広い領域で応用されるようになりました.特に臨床の現場では,PETを主体とした分子イメージングが活用されるようになりました.また新しい分子イメージング法も次々と登場し,注目されるようになっています.これまでの主流を占めてきた核医学検査は,新しい潮流に切り替わりつつあります.とりわけ近年医療費が高騰する中,適切な治療を選択できるような病態評価,治療効果判定など,治療戦略に直結する画像情報が求められており,核医学検査は数ある画像診断の中でも,最も期待されているように思えます.さらに核医学の優れた点は,放出する放射線の種類をγ線からβ線やα線に変えることで,治療に応用できるという特記すべき特徴を持っています.核医学治療法は長年甲状腺疾患の治療が主体でしたが,新しい治療薬が次々に登場し,最先端の標的治療法にも展開しようとしています.
 このような日進月歩で発展する核医学をわかりやすく解説する適切な教科書が求められています.私たちが核医学を学び始めた頃には,「最新臨床核医学」や「核医学ハンドブック」などで勉強してきました.いずれも基礎から臨床までを網羅した優れた教科書です.でも内容が古くなっただけでなく,若い世代には難しく,ぶ厚い教科書は好まれません.他方,PETの登場と共に,画像を主体とするテキストが数多く出版されています.これらも役立ちますが,やはり最低限の原理や基礎知識は必要となります.
 そこで私たちは繰り返し相談した結果,基礎から診断,治療までの幅広い領域を扱う教科書を作成することにしました.各章の最初にはできるだけわかりやすい図解をつけました.また各章の最後にはPOINTの項目を設けました.他方やや専門的な知識は,NOTEとして別項目でまとめました.急いで読まれる方は,最初の図解とまとめに目を通すだけで概要をつかめます.他方専門的素養は,NOTE を含めて読破すると,かなりの知識が身につきます.もちろん,提示した症例に数多く目を通すと,画像診断の力が増します.いろいろな角度から活用していただけるような,みなさんのための核医学を意識して執筆しました.題名にもあるように,みなさんのためのわかりやすい核医学の教科書です.
 これから核医学診断,治療に関わる幅広い方々に愛用していただきたいと願っています.とりわけ放射線科専門医や核医学専門医を目指す若手の方々には必須の教科書,参考書になれば幸いです.

2016年1月
玉木長良・真鍋 治

I 核医学で知っておくべき最低限の基礎知識
A 放射能・放射線の基礎
放射能と放射性壊変
放射性壊変の形式(種類)と特徴
 ① α壊変
 ② β壊変
 ③ γ放射
放射平衡
放射線とその作用
 ① 電離作用と励起作用
 ② 蛍光作用
 ③ 化学作用
 ④ 写真作用
 ⑤ 透過力
放射線の計測
放射線の取り扱いと防護
 ① 放射線利用の原則
 ② 放射線防護の基本
 ③ 外部被曝の防護
 ④ 内部被曝の防護
放射能・放射線の単位
B 放射性医薬品
放射性医薬品の分類
インビボ診断用放射性医薬品
 ① シングルフォトン放射性医薬品
 ② ポジトロン放射性医薬品
インビトロ診断用放射性医薬品
インビボ治療用放射性医薬品
C 核医学装置
基本構成
シンチレーションカメラ
 ① コリメータ
 ② NaIシンチレータ
 ③ データ収集
SPECT画像再構成
 ① 最新トピックス
PET
 ① 検出器
 ② 収集方式
 ③ 計数の種類
 ④ PET画像の特性
 ⑤ アーチファクト
 ⑥ 最新トピックス
D 画像解析
動態解析① PETにおけるstandardized uptake value(SUV)
動態解析② コンパートメントモデル解析を用いたトレーサの体内動態の評価
 ① コンパートメントモデルとは
 ② コンパートメントモデルの基本的解法
 ③ 組織1コンパートメントモデル解析
 ④ 組織2コンパートメントモデル解析
 ⑤ 組織2コンパートメントモデル解析:Patlack plot法による解法
 ⑥ コンパートメントモデル解析の注意点
II 脳神経
病態生理
検査の進め方
 ① 脳血流
 ② 受容体イメージング
 ③ 脳脊髄腔シンチグラフィ
 ④ 統計画像解析
 ⑤ PET
画像の読み方
 ① 脳血管障害
 ② 認知症
 ③ てんかん
 ④ Parkinson症状を呈する疾患の鑑別
 ⑤ 精神疾患
 ⑥ 脳脊髄
III 循環器
A 心筋血流シンチグラフィ
病態生理
 ① 冠動脈の解剖
 ② 虚血のメカニズム
検査の進め方
 ① 負荷法の選択
 ② 血流製剤の種類
 ③ 検査の適応
画像の読み方
 ① 表示法
 ② 病変の検出および心筋虚血の判定
 ③ 読影の要点
 ④ リスク評価
 ⑤ 心筋血流シンチ上で生じるアーチファクト
 ⑥ ガイドラインより
B 心臓交感神経イメージング
病態生理
検査の進め方
 ① 交感神経機能解析薬剤
 ② 検査の実際
 ③ 検査の適応
画像の読み方
 ① 基本事項
C 心臓脂肪酸代謝
病態生理
 ① 心臓のエネルギー代謝基質
検査の進め方
 ① 脂肪酸代謝製剤
 ② 検査の実際
 ③ 検査の適応
画像の読み方
 ① single photon emission computed tomography(SPECT)像
 ② 病変の検出,病態評価の考え方
D 心臓糖代謝イメージング
病態生理
検査の進め方
 ① 18F-fluorodeoxyglucose(FDG)
 ② 検査前処置
 ③ 検査の実際
 ④ 検査の適応
画像の読み方
 ① 心筋バイアビリティの判定
 ② 心臓サルコイドーシス
E 心プールシンチグラフィ
病態生理
検査の進め方
 ① 製剤の種類
 ② 検査の適応
 ③ 撮像方法
画像の読み方
① 左室機能指標
IV 呼吸器
病態生理
検査の進め方
 ① 肺血流シンチグラフィ
 ② 放射性ガスによる肺換気シンチグラフィ
 ③ エアロゾル肺吸入シンチグラフィ
画像の読み方
 ① 正常像
 ② 肺塞栓症
 ③ 慢性肺血栓塞栓症
 ④ 大動脈炎症候群(高安病),肺動脈疾患,Swyer-James症候群
 ⑤ 肺高血圧症
 ⑥ 右左シャント疾患の評価(先天性心疾患,肺動静脈瘻,肝肺症候群など)
 ⑦ 肺びまん性疾患
 ⑧ 気道閉塞(腫瘍,異物,喀痰など)
 ⑨ その他
V 内分泌
A 甲状腺
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
B 副甲状腺
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
C 副腎
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
Ⅵ 骨
病態生理
 ① 骨の発生と解剖
 ② 骨の構造
 ③ 骨組織像
 ④ 骨の化学成分
 ⑤ 骨リモデリング
 ⑥ カルシウム調節
検査の進め方
画像の読み方
 ① 正常像
 ② 骨腫瘍
 ③ 代謝性骨疾患
 ④ 骨シンチグラフィが有用な非腫瘍性骨疾患
 ⑤ 骨折
 ⑥ 骨髄炎
 ⑦ 複合性局所疼痛症候群(CRPS)
 ⑧ 無菌性骨壊死
 ⑨ 骨関節疾患
骨手術関連
骨外集積
VII 消化器
A 唾液腺
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
 ① 正常像
 ② 唾液腺動態機能診断
 ③ 唾液腺腫瘍の診断
B 肝臓
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
 ① HH15,LHL15を用いた評価
C 胆道
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
D 消化管出血
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
VIII 腎・泌尿器
病態生理
検査の進め方
画像の読み方
IX 腫 瘍
A 基礎
FDG PETの適用について
FDGの特徴・集積機序
検査の前処置・注意点
読影の際の注意点
B 生理的集積
FDG PETの生理的描出について
脳神経系
頭頸部
胸部
腹部
腎・尿管・膀胱
精巣
子宮・卵巣・乳腺
骨髄,骨格筋,褐色脂肪組織
C 脳
脳腫瘍
D 頭頸部
頭頸部癌
咽頭
喉頭
鼻腔・副鼻腔
甲状腺
唾液腺
口腔
E 胸部
胸部

胸膜・胸壁腫瘍
縦隔腫瘍
食道
乳房
F 腹部

肝臓(肝細胞癌)
胆道系
膵臓
腎臓・尿管・膀胱
大腸
G 生殖器
前立腺
子宮体癌
子宮頸癌
卵巣
H その他の癌
悪性リンパ腫
皮膚(悪性黒色腫)
原発不明癌
X 炎 症
炎症・腫瘍シンチグラフィ
67Gaシンチグラフィによる炎症病変の評価
18F-FDG PET/CTにおける炎症病変の評価
67Gaシンチグラフィと18F-FDG PET/CTの比較
XI センチネルリンパ節
病態生理
検査法の概説
検査の進め方・画像の読み方
XII 内用療法
総論
 ① 核医学治療の背景
 ② 核医学治療の治療効果予測・判定
甲状腺癌に対する131I内用療法
 ① 適応および禁忌
 ② 治療前準備
 ③ 治療の進め方
 ④ 131I治療後
 ⑤ 注意点
 ⑥ 症例提示
Basedow病に対する131I内用療法
 ① 適応および禁忌
 ② 治療の実際
 ③ 注意点
神経内分泌腫瘍に対する131I-MIBG治療
 ① 適応と禁忌
 ② 治療の実際
 ③ 注意点
骨転移に対する89SrCI2治療
 ① 適応と禁忌
 ② 治療の実際
 ③ 注意点
悪性リンパ腫に対する90Y標識抗CD20モノクローナル抗体治療
 ① 適応と禁忌
 ② 治療の実際
 ③ 注意点
 ④ 症例提示
核医学の今後の発展
装置の改良
解析法の進歩
放射性薬剤の開発
新しい臨床応用
索 引