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大腸外科のバイブル,10年ぶりの大改訂!

Knack & Pitfalls  

大腸・肛門外科の要点と盲点第3版

カバー写真
  • 監修:幕内雅敏(日本赤十字社医療センター院長)
  • 編集:杉原健一(光仁会第一病院)
  • B5判・392頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2340-0
  • 2014年11月発行
定価 17,280 円 (本体 16,000円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

2005年に大腸癌研究会で[大腸癌治療ガイドライン]が作成され,本邦による大腸癌の標準治療が示された.2000年に初版が発刊され2004年に第2版が出て,日本の大腸癌治療のスタンダードを示してきた本書も,ガイドラインに沿って多少の見直しが必要となり,改訂の運びとなった.第2版発刊以降の画像診断や腹腔鏡手術の進歩等も盛り込み,文字通り現在の大腸癌の標準治療が実践できる決定版となった.
☆図版57点,表組69点,カラー写真267点,モノクロ写真3点

第3版序文

 この度「大腸・肛門外科の要点と盲点」の第3 版を刊行する運びになりました.第2版が出版されてから10年が経過しました.この間にも大腸癌は増え続けていますが,大腸癌の診断・治療にはかなりの進歩がみられたばかりでなく,2005年には大腸癌研究会で作成された「大腸癌治療ガイドライン」により本邦における大腸癌の標準的治療が示されました.このような状況の下,好評を得ています本書を改訂しないまま提供することには問題が多いと考え,改訂する運びとなりました.改訂作業に入ってみると,この10年間に大腸癌の診断・治療の様々な領域において大きな進歩がなされたことが再認識されました.特筆すべき進歩がみられた領域としては,内視鏡診断・治療,腹腔鏡下手術,大腸癌化学療法が挙げられます.第3版ではこれらのうち「内視鏡治療」を独立した大項目とし,その適応,EMRのコツ,ESDのコツ,追加手術の適応の4項目を経験豊かな先生方に執筆していただきました.また,大腸癌の外科治療の中で進歩が最も著しいのは腹腔鏡下手術です.第2版では腹腔鏡下手術の適応は結腸良性疾患や結腸早期癌でしたが,「大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版」では「早期癌に限る」との制限がなくなりました.また,この間の腹腔鏡用手術機器の開発や手術手技の進歩には目を見張るものがあります.これに伴い「腹腔鏡下手術」のページ数を大幅に増やしました.尚,大腸癌の化学療法は本書がカバーする範囲外ですが,この領域の著しい進歩と分子標的治療薬を含めた多くのレジメンが一般臨床においても普及したことから,新たに「ガイドラインに沿った大腸癌化学療法の要点と盲点」を上梓することとしました.その他,大腸癌の治療において重要性を増してきた肝転移の治療には欠かせない肝転移の画像診断やPETによる再発癌の診断を充実させ,さらに,第2版ではワンポイントアドバイスに分類されていた直腸癌に対する化学放射線療法,大腸癌術後フォローアップ,括約筋間直腸切除術を新たに項だてしました.もちろんワンポイントアドバイスもそれぞれの内容をアップデイトするとともに肺転移の画像診断やMSI,ロボット手術,簇出,抗血栓薬の取扱い,など新たなトピックスも加えました.
 本書は,大腸・肛門疾患の診療に従事している研修医,外科専門医,消化器病専門医,消化器外科専門医,だけでなく大腸・肛門疾患を専門に扱っている先生方にとっても役立つ内容が盛り込まれています.必要な時にその項だけに目を通したり,時間のある時には興味のある項をゆっくり読んだりできる使い勝手の良い書物です.是非手元においていただければと思います.

2014年10月
杉原健一

総 説
大 腸
■I 大腸解剖把握のKnack & Pitfalls
  1.結腸の解剖
   1)結腸の血管分布・リンパ流
   2)結腸の膜構造
  2.直腸の解剖
   1)直腸の血管分布・リンパ流
   2)直腸の膜構造
   3)骨盤内自律神経の解剖
■II 大腸癌診断のKnack & Pitfalls
  1.大腸癌の診断の進め方
  2.注腸造影検査による深達度診断
  3.内視鏡検査による深達度診断
  4.CT・MRIによる局所のひろがり診断(原発巣・リンパ節転移)
  5.肝転移の画像診断
  6.骨盤内再発巣の診断
  7.PETによる再発巣の診断
■III 術式選択のKnack & Pitfalls
  1.結腸癌術式選択のコツ
  2.直腸癌の術式選択のコツ
   1)側方郭清の適応
   2)括約筋温存術の適応
   3)骨盤内再発癌の手術適応
■IV 大腸手術の一般手技のKnack & Pitfalls
  1.術前処置のコツ
  2.吻合のための腸間膜処理のコツ
  3.腸管吻合法
   1)手縫い法
   2)器械吻合法
  4.J型回腸嚢,結腸嚢の作製法
  5.経肛門吻合術
  6.直腸癌に対する側方郭清
  7.解剖学的剥離層に沿った直腸授動
  8.術後管理のコツ
  9.直腸癌に対する化学放射線療法
 10.大腸癌術後のサーベイランス
■V 大腸癌手術のKnack & Pitfalls
  1.回盲部切除術
  2.結腸右半切除術
  3.横行結腸切除術
  4.S状結腸切除術
  5.低位前方切除術
  6.直腸切断術
    子宮合併切除術
  7.骨盤内臓全摘術
    仙骨合併切除
  8.括約筋間直腸切除術(ISR)
  9.人工肛門造設術
■VI 腹腔鏡下手術のKnack & Pitfalls
  1. 大腸疾患に対する腹腔鏡下手術の適応
  2.腹腔鏡下腸切除の基本操作
  3.結腸右半切除術
  4.腹腔鏡下横行結腸切除術
  5.S状結腸切除
  6.低位前方切除
■VII 内視鏡治療のKnack & Pitfalls
  1.内視鏡治療の適応決定のコツ
  2.内視鏡的粘膜切除術(EMR)のコツ
  3.内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のコツ
  4.大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療後の評価と
    追加手術の適応判断のコツ
■VIII 大腸良性疾患の外科治療のKnack & Pitfalls
  1.家族性大腸腺腫症の外科治療
  2.潰瘍性大腸炎の外科治療
  3.Crohn病の外科治療
肛 門
  1.肛門解剖把握のKnack & Pitfalls
  2.肛門疾患診断のKnack & Pitfalls
  3.肛門疾患手術のKnack & Pitfalls
   1)痔核の手術
   2)痔瘻の手術
   3)裂肛の手術
  4.肛門疾患術後管理のKnack & Pitfalls
索 引

【ワンポイントアドバイス】
 大腸癌の時代的変遷(I):発生部位,stage
 大腸画像診断におけるCTコロノグラフィーのインパクト
 pit pattern分類の基本
 肺転移の画像診断
 Lynch syndrome
 直腸癌術後局所再発の高危険因子
 大腸癌手術とクリニカルパスおよびERAS
 閉塞性大腸癌の治療:大腸ステントの導入
 大腸癌に対する補助化学療法
 MSI(microsatellite instability)
 直腸癌のDMは何㎝が妥当か?
 TME(total mesorectal excision)
 大腸発癌と遺伝子
 大腸癌肝転移に対する熱凝固療法
 germline mutationとsomatic mutation
 大腸癌の時代的変遷(II):治療成績
 直腸癌に対するロボット手術
 5mm以下のポリープの扱い方:経過観察かポリペクトミーか
 簇出(budding)の評価
 内視鏡治療前後の抗血栓薬の取り扱い
 ポリペクトミー後の適正な検査間隔
 家族性大腸腺腫症(FAP)の上部消化管病変
 家族性大腸腺腫症(FAP)とデスモイド腫瘍
 潰瘍性大腸炎に対する標準治療
 潰瘍性大腸炎に合併した大腸癌(colitic cancer)
 Peutz-Jeghers症候群と癌
 Crohn病に対する標準治療
 Crohn病に合併した小腸,大腸癌
 慢性裂肛に対する用手拡張術のコツ