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これさえ持っておけば間違いなし!病理医必携の細胞診テキスト!!

細胞診アトラス

細胞・組織相関と最適なマネジメントのために

  • 編集:三上芳喜(熊本大学教授)
  • B5変型判・380頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-0482-9
  • 2021年4月16日発行
定価 13,200 円 (本体 12,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

病理医をはじめ,細胞診に携わる全ての人に贈る,細胞診テキストの決定版.総論では,標本作製技術,スクリーニング,細胞形態の解釈など,細胞診の基礎を詳細に解説.さらに各論では,各領域・臓器に特有の標本作製技術や報告様式をまとめるとともに,各疾患について良質の細胞像を多くのページを割いて掲載し,細胞診断のポイントを目でみて理解し,日常診療に役立てられるようにした.第一線で活躍する病理のエキスパートたちによる,丁寧な解説と豊富な細胞像が詰まった究極の一冊.
序 文 

 細胞診は画像ガイド下の検体採取法,分子遺伝学的解析技術,液状化検体細胞診などによる標本作製法の標準化,リスク評価に基づいた臨床的対応と判定基準の明確化を盛り込んだ報告様式の提唱,などによって大きな進歩を遂げている.そしてこの進歩は絶え間ない精度管理の取り組みによって支えられている.ゲノム医療時代が本格化した現在の状況の中で,細胞診が果たす役割は以前にも増して大きくなり,細胞検査士および病理専門医の責任は重いといえるが,別の見方をすれば医療ひいては社会からの期待が以前にも増して大きくなっているといえよう.そのような状況に鑑み,細胞診断学の総論と各論を網羅した本書を上梓することになった.
 本書はアトラスとしての体裁をとっているが,総論と各論に分けて総論で標本作製法と細胞診判定の報告の仕方,基本的な細胞診の見方と解釈,各論で臓器別・疾患別に細胞診判定基準,報告様式を解説している.執筆陣は細胞診の実務に精通し,かつ豊富な経験を有する細胞検査士,細胞診専門医・病理専門医から精選した.本書の大きな特徴は病理組織像との相関という観点から細胞診の見方を習得することができるよう記述していることである.このことは前述のように細胞診判定が単なる疾患の推定にとどまらず,次なるアクション,すなわち臨床的対応や追加検索,分子遺伝学的解析の推奨,などを求められる局面が増えているという現状によるものである.したがって本書は,診療の最前線を後方で支援し,細胞検査士と連携し,かつその指導を担う細胞診専門医,を主たる読者として想定している.もちろん,細胞検査士や細胞診専門医・病理専門医を目指す医師にとっても有益な情報を提供していることはいうまでもない.編集にあたっては可能な限り用語の統一を図り,最新のWHO 分類,取扱い規約,臓器別に提唱されている報告様式やガイドラインなどを反映させるよう配慮したが,時々刻々と進歩している細胞診において集積されている新知見が十分に記述されていないこともあろう.その責任は全て編者が負うもので,諸兄のご批判とご助言をいただきたいと考えている.本書が細胞診に携わる全ての医療従事者に貢献することができれば望外の幸せである.
 最後に本書の企画・編集に多大なる支援をいただいた文光堂の松本夏美氏,佐藤真二氏に心より御礼を申し上げたい.

令和3年3月
三上芳喜
総 論 細胞診の基本
  A 標本作製の実際
   はじめに
   1 検体採取法
   2 塗抹標本作製
   3 固定法
   4 セルブロック法
   5 迅速細胞診
  B 細胞診で使用する各種染色法
   はじめに
   1 Papanicolaou染色
   2 Giemsa染色
   3 過ヨウ素酸シッフ反応
   4 アミラーゼ消化試験
   5 Alcian blue染色
   6 Grocott染色
   7 細胞診検査への免疫学的手法の応用
   8 細胞診検査へのfluorescence in situ hybridization法の応用
  C スクリーニングと判定
   はじめに
   1 スクリーニングの基本的概念
   2 細胞検査士と細胞診専門医との関係
   3 スクリーニングの進め方
   4 標本の適否の評価
   5 細胞診断と報告書
   6 スクリーニングの精度管理
  D 細胞所見とその解釈の仕方
   1 基本的概念
   2 剝離細胞と新鮮細胞
   3 Giemsa染色の有用性
   4 細胞診標本の基本的な見方
   5 細胞所見の基本的な見方
   6 扁平上皮癌の基本的な見方
   7 腺癌の基本的な見方

各 論 各領域・臓器の細胞診アトラス
 Ⅰ 婦人科 腟・子宮頸部
  A 婦人科細胞診の基本─腟・子宮頸部
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 正常細胞
   4 アーチファクト
   5 良性変化
   6 感染症
   7 扁平上皮病変
   8 腺系病変
   9 その他のがん
   10 精度管理
  B 婦人科細胞診のアトラス─腟・子宮頸部
 Ⅱ 婦人科 内膜
  A 婦人科細胞診の基本─内膜
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 正常内膜
   4 内膜化生性変化
   5 子宮内膜腺間質破綻
   6 子宮内膜増殖症
   7 子宮内膜異型増殖症/類内膜上皮内腫瘍
   8 子宮内膜癌
   9 異型ポリープ状腺筋腫
   10 その他の悪性腫瘍
  B 婦人科細胞診のアトラス─内膜
 Ⅲ 婦人科 卵管・卵巣
  A 婦人科細胞診の基本─卵管・卵巣
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定
   3 診療における細胞診の位置づけ
   4 上皮性腫瘍
   5 性索間質性腫瘍
   6 胚細胞腫瘍
  B 婦人科細胞診のアトラス─卵管・卵巣
 Ⅳ 呼吸器・縦隔
  A 呼吸器・縦隔細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 診断アプローチ
   4 正常細胞・反応性変化
   5 感染症
   6 非腫瘍性・非感染性疾患
   7 良性腫瘍
   8 肺癌(前浸潤性病変を含む)
   9 その他のまれな腫瘍
   10 転移性肺腫瘍
   11 縦隔腫瘍
  B 呼吸器・縦隔細胞診のアトラス
 Ⅴ 唾液腺
  A 唾液腺細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定・新報告様式とミラノシステム
   3 診療における細胞診の位置づけと診断アプローチ
   4 正常細胞像
   5 非腫瘍性疾患
   6 主な良性腫瘍
   7 主な悪性腫瘍
   8 まれな悪性腫瘍
   9 ピットフォール
  B 唾液腺細胞診のアトラス
 Ⅵ 消化器
  A 消化器細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 診療における細胞診の位置づけ
   4 正常細胞
   5 良性反応性変化
   6 腫瘍性病変
  B 消化器細胞診のアトラス
 Ⅶ 泌尿器(尿)
  A 泌尿器(尿)細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 染色方法
   3 スクリーニング方法
   4 細胞診判定と報告様式
   5 検体適正評価
   6 正常細胞
   7 高異型度尿路上皮癌陰性
   8 異型尿路上皮細胞
   9 高異型度尿路上皮癌疑い
   10 高異型度尿路上皮癌
   11 低異型度尿路上皮腫瘍
   12 その他の悪性腫瘍
   13 分子生物学的診断方法
  B 泌尿器(尿)細胞診のアトラス
 Ⅷ 乳腺
  A 乳腺細胞診の基本
   はじめに─診療における細胞診の位置づけ─
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 診断アプローチ
   4 正常
   5 良性疾患
   6 乳頭状病変
   7 悪性腫瘍
   8 肉腫
  B 乳腺細胞診のアトラス
 Ⅸ 甲状腺
  A 甲状腺細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 診断アプローチ
   4 非腫瘍性病変
   5 腫瘍性病変
  B 甲状腺細胞診のアトラス
 Ⅹ 体腔液
  A 体腔液細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 静止状態の中皮細胞
   4 反応性中皮細胞
   5 腺癌
   6 扁平上皮癌
   7 小細胞癌
   8 尿路上皮癌
   9 中皮腫
   10 良性のリンパ球優位の体腔液
   11 リンパ増殖性疾患
   12 黒色腫
   13 肉腫
   14 診断アプローチ
   15 免疫染色やFISHなどの補助的診断法
  B 体腔液細胞診のアトラス
 Ⅺ リンパ節
  A リンパ節細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法,報告方法
   2 診断アプローチ
   3 正常細胞
   4 反応性リンパ節病変
   5 腫瘍性病変
   6 転移性腫瘍,その他の悪性腫瘍
  B リンパ節細胞診のアトラス
 Ⅻ 造血器(骨髄)
  A 造血器(骨髄)細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定と報告様式
   3 骨髄増殖性腫瘍
   4 骨髄異形成症候群
   5 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍
   6 急性骨髄性白血病
   7 急性リンパ性白血病
  B 造血器(骨髄)細胞診のアトラス
 XⅢ 骨軟部
  A 骨軟部細胞診の基本
   はじめに
   1 検体採取・検体処理法
   2 細胞診判定・報告様式と診療における位置づけ
   3 脂肪性腫瘍
   4 粘液性腫瘍
   5 紡錘形細胞腫瘍
   6 円形細胞腫瘍
   7 類上皮性腫瘍
   8 多形細胞性腫瘍
   9 骨腫瘍
  B 骨軟部細胞診のアトラス
 XⅣ 脳脊髄液・中枢神経
  A 脳脊髄液・中枢神経細胞診の基本
   はじめに
   1 脳腫瘍病理の基礎知識
   2 検体採取・検体処理法
   3 細胞診判定と報告様式
   4 正常細胞
   5 術中迅速病理診断への細胞診の応用
   6 髄液細胞診
  B 脳脊髄液・中枢神経細胞診のアトラス

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