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もう迷わない!外来・病棟での透析患者マネジメント

そうだったんだ!透析患者(電子版のみ)

外来・入院診療で迷わないための35のアドバイス

  • 編集:加藤明彦(浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部病院教授)
  • A5判・228頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-2042-3
  • 2016年12月6日発行
定価 4,400 円 (本体 4,000円 + 税10%)
なし
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内容

序文

主要目次

研修医・一般内科医を対象に,透析患者のマネジメント方法をQ&A形式で解説したガイド.研修医・一般内科医が透析中の患者を受け持つことは多いが,卒前教育では透析患者の実践的なマネジメント方法は習わないため,臨床でどのように対応し,いつ上級医に相談すればよいか悩むケースが多い.本書は現場で直面することの多い35の事例をとりあげ,透析療法時における薬物療法,栄養管理,その他の疾患への対応など,Q&A形式で明快に解説した.各事例ごとに上級医に相談する前に最低限調べるべき事項のリストをまとめており,実践的な内容である.


 血液浄化療法の原理や合併症の管理法については,学生時代に学ぶ機会は少なく,仕事を始めて経験的に身につける場合がほとんどです.しかし,職場によって,血液浄化療法に対する考え方や合併症に対する対処法が少しずつ異なるため,限られた施設だけの経験では,視野が広い正しい筋道をもった考え方が身につかないことがあります.
 基幹病院などの急性期病院では,新規透析導入や透析以外の目的(手術や侵襲的検査など)で入院した患者さんの透析サポートが,診療の中心です.集中治療が可能なため,敗血症,多臓器不全,薬物中毒,自己免疫疾患の急性増悪などに対する急性血液浄化療法も経験できます.しかし,患者さんの在院日数が短く,透析条件などの指示出しは上級医が行うため,血液浄化療法そのものをじっくり体験する機会は限られます.
 一方,外来透析患者を多く診療する施設は,合併症や慢性的な透析の管理がしっかり研修できます.しかし,急性血液浄化療法や末期腎不全における腎代替療法選択については,指導を受ける機会が少ないと思われます.
 そこで,本書では若手・中堅医師が判断に迷いやすい35の事例をあげ,それらへの対処法について,上級医・専門医からアドバイスするQ&A形式を採用いたしました.執筆陣は,第一線の臨床現場で活躍される先生方にお願いしています.各項目の最後には,上級医・専門医に相談する前にこれだけは調べておきたい項目が,チェックリストとして記載してあります.
 研修医や中堅医として活躍される先生方にとって,現場での判断に迷った際に役立てる一冊となっています.ぜひ,本書を活用いただき,透析療法についての造詣を深めていただければ幸いです.
 最後に,本当にお忙しい中,本書のために執筆いただいた親愛なる先生方に,心より御礼を申し上げます.

2016年11月吉日
浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部
加藤明彦
I.透析開始前の管理・対応
Q01 外来患者がCKDステージG4になりました.腎代替療法の導入に向け,どのような準備をすればよいですか?
Q02 高齢患者より透析導入は希望しないとの申し出がありました.どのような準備をすればよいですか?
Q03 バスキュラーアクセスを作りたいのですが,どんなことに気をつければよいですか? ポイントを教えてください.
II.透析導入時の管理・対応
Q01 血液透析導入時にはどういった透析条件で開始し,最終的にどういった条件まで上げればよいですか?
Q02 腎代替療法を開始したことで,薬剤の使い方で気をつけることはありますか?
Q03 透析開始後,どういった生活習慣に注意すればよいですか?
Q04 バスキュラーアクセスの管理について,どのように患者指導をすればよいですか?
Q05 透析導入時,循環器系の合併症はどこまで評価すればよいですか?
III.維持透析期の管理・対応
Q01 透析液はどう使い分ければよいですか?
Q02 オンラインHDFとはどういった治療法ですか? どんな症例に向いていますか?
Q03 在宅血液透析について教えてもらえませんか?
Q04 腹膜透析の管理法について教えてもらえますか?
IV.合併症の管理・対応
Q01 透析患者はどのタイミングで採血し,検査結果はどう解釈すればよいですか?
Q02 透析患者に造影剤を投与しました.どう対応すればよいですか?
Q03 透析患者が伝染性のある感染症に罹りました.
   どう対応すればよいですか?
Q04 透析患者が夜間に呼吸困難で緊急受診しました.当直医としてどう対応すればよいですか?
Q05 透析患者に腹水がたまっていました.どう対応すればよいですか?
Q06 最近,透析患者の食欲が落ちて食事量が減っています.どう対応すればよいですか?
Q07 透析患者の消化管出血に対し,どう対応すればよいですか?
Q08 ESA製剤を使ってもなかなかヘモグロビン値が10g/dL以上になりません.どう対応すればよいですか?
Q09 肝炎ウイルス検査が陽性とわかりました.どう対応すればよいですか?
Q10 透析中の血圧異常に対し,看護師から指示を求められています.どう対処すればよいですか?
Q11 透析患者の不整脈に対し,どう管理・対応すればよいですか?
Q12 原疾患がANCA関連血管炎やループス腎炎の場合,どういった点に注意してフォローすればよいですか?
Q13 高齢透析患者の糖尿病はどう対応・管理すればよいですか?
Q14 透析患者が眠れないと訴えています.どう対応すればよいですか?
Q15 透析患者のもの忘れ(認知機能の低下)は,どう対応すればよいですか?
Q16 透析患者の周術期には,どういった透析を行えばよいですか?
V.急性血液浄化療法の管理・適応
Q01 AKIに対する持続的血液透析濾過法では,どういったことに注意して治療すればよいですか?
Q02 エンドトキシン吸着の適応疾患,実際の治療法,治療中の注意点は何ですか?
Q03 劇症肝炎に対し,どういった急性血液浄化療法を行うのがよいでしょうか?
Q04 救急車で薬物中毒の患者が搬送されました.急性血液浄化療法の適応はどう判断するのがよいでしょうか?
Q05 自己免疫性疾患の急性増悪に対し,どういったアフェレシス治療が適応となりますか?
VI.治療方針の管理・対応
Q01 腹膜透析から血液透析に移行したいと思いますが,どうすればよいでしょうか?
Q02 患者が透析の中止(見合わせ)を希望しています.どうすればよいですか?
索引