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骨腫瘍の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス!

腫瘍病理鑑別診断アトラス  

骨腫瘍

カバー写真
  • 編集:野島孝之(金沢医科大学教授)
  •     小田義直(九州大学教授)
  • B5変型判・240頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2249-6
  • 2016年5月発行
定価 16,200 円 (本体 15,000円 + 税)
あり
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内容

序文

主要目次

骨腫瘍の中でも高頻度のものを中心に,最新の診断基準に沿って,典型的な組織像を供覧し解説する.バリエーションの多い骨肉腫と軟骨肉腫では,亜型により全く悪性度が異なることも考慮し,多くの紙面を割いた.また,病理診断でよく遭遇する組織学的所見を呈する腫瘍[骨形成性腫瘍,軟骨形成性腫瘍,巨細胞の多く出現する腫瘍,小円形細胞腫瘍および上皮様の形態を呈する腫瘍]を系統的に解説.骨腫瘍の診断・治療を行う多くの医師必携の書.

序文

 骨腫瘍の組織学的分類は腫瘍が産生する基質や細胞分化に基づいた1950年代のJaffeの分類から長い間大きな変化はなかった.しかしながら近年の分子生物学的解析法の発達や詳細な臨床病理学的観察により疾患概念や悪性度の変更が必要となるものが生じてきた.こうした背景から2013年に出版された骨腫瘍のWHO分類では,前回2002年の分類に比較して悪性度や遺伝子異常について多くの新知見が加えられ,大幅に内容が改定されている.一方わが国では,2015年11月に日本整形外科学会・日本病理学会より悪性骨腫瘍取扱い規約第4版が出版された.しかしながら日常の骨腫瘍の病理鑑別診断に分かりやすくポイントを絞り,疾患の背景となる臨床像,分子遺伝学的知見を加味した標準的なアトラスがなく,WHO分類と悪性骨腫瘍取扱い規約に準拠したガイドラインの必要性が求められていた.
 骨腫瘍は軟部腫瘍に比較すると種類が少ないものの,その全てを網羅するには紙面が限られている.従って第2部では骨腫瘍の中でも頻度が高いものを取り上げ,最新の診断基準に沿った記載を交えて,典型的な組織像を可能な限り多数の写真を使用して,分かりやすく解説した.特に骨肉腫と軟骨肉腫に関しては組織像にバリエーションが多く,また亜型によって全く悪性度が異なることも考慮し,多くの紙面を割いた.第3部では骨腫瘍の病理診断を行うにあたってよく遭遇する組織学的所見を呈する腫瘍,すなわち骨形成性腫瘍,軟骨形成性腫瘍,巨細胞の多く出現する腫瘍,小円形細胞腫瘍および上皮様の形態を呈する腫瘍を,経験豊富な骨病理医によって系統的に鑑別を解説していただいた.
 骨腫瘍の正しい診断のためには病理医だけでは目的を達することができず,Jaffeのtriangleに象徴されるように画像放射線科医および整形外科医との密接な連携が必須である.さらに適切な治療のためにはこれに加えて治療放射線科医,腫瘍内科医,小児科医などの連携も必要となってくる.第4部では数多くの骨腫瘍症例の病理診断および治療に携わっている第一線の医師に最新の現状と実践的なことを解説していただいた.
 本書が多数の組織像を供覧することによって日本での精度の高い骨腫瘍病理診断に寄与し,標準的なアトラスとして診断病理医はもとより,骨腫瘍の診断・治療を行う多くの医師に必携の書となれば幸いである.

平成28年5月
野島 孝之
小田 義直

第1部 検鏡前の確認事項
I.骨腫瘍のWHO分類:分類の変遷と最新の分類の問題点
 1.主な変更点
 2.問題点
II.骨腫瘍の頻度,年齢,発生部位
 1.骨腫瘍の発生頻度
 2.骨腫瘍の発生年齢
 3.骨腫瘍の発生部位
III.病理標本の取扱い方
 1.術中迅速診断
 2.生検検体
 3.手術検体
第2部 組織型と診断の実際
I.軟骨形成性腫瘍
 1.良性軟骨形成性腫瘍
 2.中間性軟骨形成性腫瘍:軟骨芽細胞腫と軟骨粘液線維腫
 3.通常型および二次性軟骨肉腫
 4.特殊型軟骨肉腫
II.骨形成性腫瘍
 1.良性・中間性骨形成性腫瘍
 2.通常型骨肉腫
 3.特殊型骨肉腫
 4.表在性骨肉腫
III.線維性および線維組織球性腫瘍
 1.類腱線維腫と非骨化性線維腫/骨幹端線維性欠損/良性線維性組織球腫
IV.富破骨細胞性巨細胞腫瘍
 1.指趾骨巨細胞性病変/巨細胞修復性肉芽腫
 2.骨巨細胞腫
V.脊索性腫瘍
 1.良性脊索細胞腫と脊索腫
VI.血管性腫瘍
 1.血管腫(良性)および類上皮血管腫(中間性)
 2.類上皮血管内皮腫および血管肉腫
VII.性状が不明確な腫瘍
 1.単発性骨囊腫
 2.線維性異形成
 3.骨線維性異形成
 4.動脈瘤様骨囊腫
 5.Langerhans細胞組織球症
VIII.関節腫瘍
 1.色素性絨毛結節性滑膜炎
 2.滑膜軟骨腫症
 3.滑膜脂肪腫
IX.その他の腫瘍
 1.Ewing肉腫
 2.アダマンチノーマ
 3.骨未分化高悪性度多形肉腫
第3部 鑑別ポイント
I.骨肉腫との鑑別を要する骨形成性腫瘍
 1.骨肉腫の亜型と特徴
 2.髄内骨肉腫と表在性骨肉腫の関係
 3.組織所見からみた骨肉腫の鑑別診断
II.軟骨肉腫と鑑別を要する軟骨形成性腫瘍
 1.軟骨芽細胞型骨肉腫
 2.内軟骨腫
 3.軟骨芽細胞腫
 4.軟骨粘液線維腫
 5.線維軟骨性異形成
 6.滑膜軟骨腫症
 7.ピロリン酸カルシウム結晶沈着症
III.巨細胞の出現する腫瘍の鑑別
 1.臨床的事項
 2.組織学的診断時の注意事項
 3.鑑別を要するOCGCの出現する各疾患の組織学的特徴
IV.骨小円形細胞腫瘍の鑑別診断
 1.Ewing肉腫とEwing様肉腫
 2.小細胞骨肉腫とEwing肉腫
 3.骨リンパ腫
 4.形質細胞腫瘍
 5.間葉性軟骨肉腫と骨肉腫
 6.癌腫の転移
 7.そのほかの鑑別
V.転移性骨腫瘍と上皮様骨腫瘍の鑑別
 1.定義・概念
 2.鑑別の要点
 3.上皮様骨腫瘍の鑑別診断の実際
第4部 臨床との連携
I.骨腫瘍の外科治療
 1.骨腫瘍に対する標準的外科治療
 2.手術後の再建法
II.悪性骨腫瘍の薬物療法および放射線療法
 1.病期分類
 2.薬物療法
 3.放射線治療
 4.医師主導臨床試験および治験
III.免疫染色と遺伝子診断
 1.骨形成性腫瘍
 2.軟骨形成性腫瘍
 3.小円形細胞腫瘍
 4.富破骨細胞性巨細胞腫瘍
 5.その他
IV.骨肉腫の組織学的効果判定と切除縁評価
 1.骨肉腫の組織学的効果判定
 2.切除縁評価
V.病理診断報告書の記載
 1.病理診断報告書の構成
 2.病理診断
 3.病理所見(コメント)
索引