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日本糖尿病学会が総力を挙げて編集した,大好評の糖尿病診療のガイドブック!

新刊

糖尿病治療ガイド2020-2021

カバー写真
  • 編著:日本糖尿病学会
  • B5判・152頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-1394-4
  • 2020年5月発行
定価 990 円 (本体 900円 + 税)
あり
在庫

内容

序文

主要目次

本書は日本糖尿病学会が総力を挙げて編集・執筆したガイドブックで,コンパクトな1冊ながら,糖尿病診療の基本的な考え方から最新情報までをわかりやすくまとめた,充実した内容となっている.内科医はもとより,他科の医師,コメディカルスタッフなどにもご好評いただき,広く活用いただいている.今回の改訂では,11章「病態やライフステージに基づいた治療の実例」を新設するなど,全面的に内容をアップデートしている.

【改訂のポイント】
◉より具体的な治療薬の選択基準を示すべく,11章「病態やライフステージに基づいた治療の実例」を新設.
◉4章「食事療法」の記載内容を,『糖尿病診療ガイドライン2019』に合わせて大幅に改訂.
◉初版以来,基本的に変更されていなかった「図6 糖尿病治療の目標」を大幅に変更.「図8 インスリン非依存状態の治療」も大幅に改訂.
◉治療薬の作用機序のより正確な理解の上に立って,前版33頁に掲載した「図9 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択」を,今回は「図9 2型糖尿病の病態」と「表6 2型糖尿病の血糖降下薬の特徴」(37~39頁)に分離し,後者の記載事項を大幅に追加.
◉COLUMN「糖尿病に関わるスティグマとアドボカシー」,「サルコペニアとフレイル」,「就労期における未治療と治療中断」を追加.
◉6章「薬物療法」と付録「血糖降下薬一覧表」において,2020年4月現在の薬剤情報にアップデート.

はじめに

 この『糖尿病治療ガイド』は1999年に初版が作製されて以来,ほぼ2年おきに改訂され,足掛け約20年間にわたって発行されている.この間に累計約150万部近く発行され,糖尿病の専門医のみならず,専門医を志す若手医師,糖尿病が専門ではない実地医家の先生方や医療スタッフ,初期研修医や医学生にまで広くご利用いただいている.本治療ガイドは,診療ガイドラインとの整合性を重視しつつも,診療ガイドラインの作成過程とは異なり現時点で必ずしもエビデンスが十分でないことについても,論理的に妥当と考えられる事項やわが国の診療実態等も勘案した専門家のコンセンサスが一定程度含まれていることに留意願いたい.
 本書は,日本糖尿病学会の理事,学術評議員から選ばれた委員に日本医師会から今村聡副会長にもご参画頂いて「“糖尿病治療ガイド」編集委員会”を組織し,また今回は下記に示す大規模な改訂を伴うことから若手学会員からなるタスクフォースを編成して,両者の協力により著作・編集を行った.
 今回の改訂でも従来通り,①最近の糖尿病診療の進歩に即した記載変更,②本学会ならびに他の学会のガイドラインとの整合性,③新たに登場した治療薬への対応,などの事項に重点を置いて内容の見直しを図ったが,今回の改訂の最も大きな点は,④11章「病態やライフステージに基づいた治療の実例」を新設したことである.これまで日本糖尿病学会では,病態に応じた治療薬の選択を推奨してきたが,糖尿病を専門としない先生方からのより具体的な治療薬の選択基準に関する提示の要望にある程度応えたものになっていると考えている.
 ①に関しては,まず「図6 糖尿病治療の目標」(31頁)を大幅に変更した.図6は本書の初版以来基本的に変更されていなかったが,糖尿病の治療の進歩による合併症発症率の低下や患者の長寿化・高齢化を受け,一方で未だに根強く残る糖尿病や糖尿病患者に対する偏見などを払拭することも糖尿病患者の予後の改善つながると考えられることから,“stigma” や“advocacy” についても言及している.また「図8 インスリン非依存状態の治療」(36頁)も若干の変更を加えている.さらに,治療薬の作用機序のより正確な理解の上に立って,前版33頁に掲載した「図9 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択」を,今回は「図9 2型糖尿病の病態」と「表6 2型糖尿病の血糖降下薬の特徴」(37~ 39頁)に分離し,後者の記載事項を大幅に追加した.
 ②に関しては,4章「食事療法」の記載内容を,「糖尿病診療ガイドライン2019」に合わせて大幅に変更している(48~ 51頁).
 ③に関しては,6章「薬物療法」(58 ~ 77頁)および付録(136~ 144頁)において,2020年4月現在の薬剤情報をできるだけ加えた.
 それ以外にも,本学会の学術評議員の皆様や日本医師会などからのご意見を基に,必要な修正を加えた.ご協力いただいた皆様に,この場をお借りして厚く御礼を申し上げたい.
 本書が,日々進歩している糖尿病治療の理解に役立ち,毎日の診療に一層活用されることを願ってやまない.

2020年4月
「糖尿病治療ガイド」編集委員会

1.糖尿病 疾患の考え方
 A.糖尿病とは
 B.糖尿病に関する指標
  1.平均血糖値を反映する指標
  〔COLUMN〕HbA1cの国際標準化に伴う表記法の変更
  2.インスリン分泌能の指標
  3.インスリン抵抗性の指標
  4.脂質代謝の指標
 C.糖尿病の分類
  1.糖尿病の成因分類
  2.糖尿病における成因(発症機序)と病態(病期)

2.診 断
 A.病歴聴取の注意点
  1.現病歴
  2.既往歴
  3.家族歴
  4.治療歴
  5.病気に関する知識と生活歴
 B.身体所見のポイント
  1.皮 膚
  2.眼
  3.口 腔
  4.下 肢
  5.神経系
 C.診断のための検査
  1.糖代謝異常の判定区分と判定基準
  2.75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
 D.糖尿病の診断
 E.境界型とメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
  1.境界型とは
  2.境界型の鑑別
  3.境界型を見出したときの取り扱い

3.治 療
 A.治療目標とコントロール指標
  1.糖尿病治療の目標
  〔COLUMN〕糖尿病に関わるスティグマとアドボカシー
  2.コントロールの指標
 B.治療方針の立て方
  1.インスリン非依存状態
  2.インスリン依存状態
 C.糖尿病教育とチーム医療
  1.糖尿病教育
  2.自己管理行動を促進する心理・行動学的方法
  3.心理的問題の扱い方
  4.チーム医療の重要性
 D.災害への備えと災害時の対応
  1.災害時の糖尿病の特徴
  2.病院・診療所・医療者レベルでの備えまたは対応
  3.糖尿病患者レベルでの備えまたは対応

4.食事療法
 A.食事療法の進め方
  1.エネルギー摂取量
  2.栄養素の構成
 B.食事療法の実際
  1.患者への食事指示
  2.食事療法の評価と指導
  3.食品交換表
 C.合併症の予防のために

5.運動療法
  1.運動療法の進め方
  2.運動の種類
  3.運動の強度
  4.運動時間と頻度
  5.運動の消費エネルギー
  6.運動療法指導上の注意点
  7.運動療法を禁止あるいは制限した方がよい場合

6.薬物療法
 A.経口薬療法および注射薬療法
  1.ビグアナイド薬
  2.チアゾリジン薬
  3.α-グルコシダーゼ阻害薬
  4.SGLT2阻害薬
  5.DPP-4阻害薬
  6.GLP-1受容体作動薬
  7.スルホニル尿素(SU)薬
  8.速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
  9.インスリン療法
  10.配合錠および基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合注射薬
 B.その他の薬物療法
  1.糖尿病に合併した高血圧
  2.糖尿病に合併した脂質異常症

7.糖尿病合併症とその対策
 A.糖尿病合併症とは
 B.急性合併症
  1.糖尿病性ケトアシドーシス
  2.高浸透圧高血糖状態
  3.感染症
 C.慢性合併症
  1.糖尿病網膜症
  2.糖尿病性腎症
  3.糖尿病性神経障害
  4.動脈硬化性疾患
  5.糖尿病性足病変
 D.併存疾患(その他の合併症)
  1.骨病変
  2.手の病変
  3.歯周病
  4.認知症
  5.癌
  〔COLUMN〕糖尿病予防のための戦略研究(Japan Diabetes Outcome Intervention Trial:J-DOIT)
 E.合併症の検査
  1.急性合併症のための検査
  2.慢性合併症のための検査

8.低血糖およびシックデイ
 A.低血糖
  1.症 状
  2.高血糖性の昏睡との鑑別
  3.低血糖の誘因
  4.低血糖時の対応
  5.再発予防
 B.シックデイ
  1.シックデイとは
  2.シックデイ対応の原則
  3.入院加療が早急に必要な場合

9.ライフステージごとの糖尿病
 A.小児・思春期における糖尿病
  1.1型糖尿病
  2.2型糖尿病
 B.妊娠と糖尿病
 C.高齢者の糖尿病
  〔COLUMN〕サルコペニアとフレイル
  〔COLUMN〕就労期における未治療と治療中断

10.専門医に依頼すべきポイント
 A.糖尿病専門医に依頼する場合
  1.血糖コントロール不良
  2.教育入院
  3.慢性合併症
  4.急性合併症
  5.手術・化学療法
 B.他科専門医に依頼する場合
  1.眼 科
  2.腎臓内科
  3.神経内科,皮膚科,外科
  4.循環器科
  5.泌尿器科
  6.整形外科
  7.精神科,心療内科
  8.歯 科
  9.感染症
 C.地域連携,医療連携

11.病態やライフステージに基づいた治療の実例
 診断と初期治療
 [症例1]境界型のときからの生活習慣改善が重要
 [症例2]糖尿病を初めて指摘された肥満患者への対応
 [症例3]認知症が疑われる糖尿病患者における初期治療方針
 [症例4]劇症1型糖尿病を疑うとき
 [症例5]小児における尿糖陽性
 [症例6]妊娠糖尿病の診断となったとき
 定期受診における薬剤調整と指導
 [症例7]治療強化前の注意点
 [症例8]定期通院中で血糖コントロール良好患者には減薬も考える
 [症例9]グリニド薬(またはSU薬)+α-GIで治療中の患者の低血糖にはブドウ糖を118
 [症例10]SU薬投与中の患者にDPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬追加するときにはSU薬減量を
 [症例11]SU薬投与中の高齢者には低血糖に注意
 [症例12]高齢者で長年高容量SU薬を使用している患者への治療見直し
 [症例13]定期治療中の糖尿病患者の血糖が急に悪化したら
 [症例14]著明な高血糖の治療時には血糖降下の速度にも配慮を
 [症例15]緩徐進行1型糖尿病患者だとわかったときには
 [症例16]1型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬投与の可否
 [症例17]定期受診患者におけるフットケア
 併存症を持つ患者における治療
 [症例18]心不全治療中の糖尿病患者にはSGLT2阻害薬の処方を検討
 [症例19]心血管疾患既往者に対しては血糖だけではなく脂質も厳重に管理
 [症例20]腎機能低下患者には投薬内容の見直しを
 [症例21]腎機能低下患者における降圧薬の選択は,尿検査結果によって異なる
 [症例22]NAFLDを合併した2型糖尿病
 [症例23]肝硬変に伴う血糖上昇
 [症例24]インスリン療法が必要であるが自己注射できない認知症患者
 [症例25]癌化学療法中の糖尿病患者の血糖コントロールが増悪したとき
 特殊な状況における対応
 [症例26]シックデイにおける対応
 [症例27]インスリン依存の1型糖尿病における体調不良
 [症例28]糖尿病治療中断患者が久しぶりに受診したら,治療の見直しを
 [症例29]検査・治療による絶食の際の対応
 [症例30]周術期の血糖コントロール
 [症例31]妊娠前の血糖管理

付 録
 特定健診・特定保健指導の進め方─糖尿病予防の立場から
 自己検査用グルコース測定器一覧表
 血糖降下薬一覧表
 インスリン製剤および主なペン型注入器一覧表
 参考書

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