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大腸・肛門外科のバイブル,最新知見を盛り込んで,待望の大改訂!

Knack & Pitfalls  

大腸・肛門外科の要点と盲点第4版

[WEB動画付き]

  • 監修:杉原健一(光仁会第一病院院長)
  • 編集:石原聡一郎(東京大学腫瘍外科教授)
  • 編集 絹笠祐介(東京医科歯科大学消化管外科教授)
  • B5判・352頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2345-5
  • 2023年4月18日発行
定価 16,500 円 (本体 15,000円 + 税10%)
あり
在庫
電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

2014年の第3版発刊後,大腸・肛門疾患領域では腹腔鏡下手術が標準的手術となり,ロボット支援下手術の導入・普及によっても大きく進歩した.さらに,大腸腫瘍の診断学・治療法の進歩や,腫瘍学的新知見,遺伝子医療の進歩も相まって,ますます進展がみられている.第4版では,これらの新知見・新技術を盛り込み,内容を一新!分かりやすい記述と豊富な画像はそのままに,新たにWEB手術動画58本も加わり,さらにパワーアップした大腸・肛門外科診療に必携の1冊.

◉本書では一部画像にQRコードを設置しております.QRコードを読み込み,画像の関連動画が閲覧いただけます.
 例)p.170,Movie15 ロボット支援下結腸右半切除術
 
「大腸・肛門外科の要点と盲点」
第4版序文

 この度「大腸・肛門外科の要点と盲点」の改訂を行うことにしました.第3版の序文にも書きましたが,本書は継続的に購入され続けていることから,今でも多くの若手の先生方が大腸・肛門疾患に対処するための臨床の参考にしているのではないかと推察しています.2004年に第2版が発行された後,大腸癌の臨床に大きな影響を与えた「大腸癌治療ガイドライン」の出版と流布,内視鏡治療の進歩,腹腔鏡下手術手技の進歩と適応拡大,などにより大腸・肛門疾患の診断・治療に大きな進展があり,それらを適切に紹介・解説するために2014年に第3版を出版しました.おかげさまで第3版も順調に売れ行きを伸ばしてきました.しかしながら,大腸・肛門疾患領域ではその後さらなる大きな進歩がなされてきました.1つは,腹腔鏡下手術が全国の病院で結腸癌ばかりでなく直腸癌にも標準的手術として採用されてきたことです.日本消化器外科学会のNCDのデータを用いたannual report 2019では,2019年に消化器外科学会指定修練施設における腹腔鏡下手術の頻度は,結腸右半切除で75.8%,低位前方切除で81.2%でした.2つ目は直腸癌に対するロボット支援下手術が2018年4月に健康保険の適用となり,大学病院や大規模病院では早速ロボット支援下手術を導入し,経験の積み重ねを行っています.さらに,大腸腫瘍の診断学・治療法の進歩,大腸癌研究会のプロジェクト研究の成果から得られた大腸癌の腫瘍学的新知見,大腸癌遺伝子医療の進歩,などがありました.一方,インターネットを介してのパソコンやスマートフォンでの動画視聴技術が著しく進歩しました.
 以上の点を踏まえ,本改訂版を企画するにあたり東京大学腫瘍外科教授の石原聡一郎先生,東京医科歯科大学消化管外科教授の絹笠祐介先生を編集者に迎えて,ワンポイントアドバイスを含め内容を大きく一新するとともに,各項目もその領域を専門としている多くの先生方に新たに執筆をお願いしました.一方,読みやすくするための従来からの方針である,簡潔な文章,図・表を多用する,図は色刷りにする,を維持し,それに加えて強調する文章を色付けし,白黒・カラー写真はより鮮明になり,さらには手術手技をより理解しやすくするため手術動画58本を閲覧できるようにしてあります.
 初めてこの本を手にする先生方ばかりでなく,すでに前版を購入していただいている先生方も新知見・新技術で刷新された本版は必読の書として手元に置いて大腸・肛門疾患の診療の際に参照していただければと思います.

2023年3月
杉原健一
総説

大腸
 Ⅰ 大腸の解剖のKnack & Pitfalls
  大腸・肛門外科に必要な解剖 
 Ⅱ 大腸癌診断のKnack & Pitfalls 
  1 大腸癌の診断の進め方
   One Point Advice 大腸画像診断における注腸造影検査・CT colonography
  2 内視鏡検査による深達度診断
   One Point Advice pit pattern分類の基本
   One Point Advice 大腸内視鏡診断におけるAIの活用
  3 CT・MRIによる局所のひろがり診断(原発巣・リンパ節転移)
  4 遠隔転移/再発の画像診断
  5 直腸癌局所再発の診断
   One Point Advice 直腸癌術後局所再発の高危険因子
   One Point Advice 大腸NETの診断
   One Point Advice 大腸NETの治療
 Ⅲ 大腸癌手術の周術期のKnack & Pitfalls
  1 結腸癌術式選択のコツ
  2 直腸癌の術式選択のコツ
   1)側方郭清の適応
   2)直腸癌局所再発の手術適応
   One Point Advice 遠隔転移(肝,肺)の外科治療
   One Point Advice 卵巣転移
   One Point Advice 腹膜播種
  3 術前補助療法のコツ  
   One Point Advice Watch and Wait
  4 術後補助化学療法のコツ
   One Point Advice MSI(microsatellite instability)と免疫チェックポイント阻害薬
   One Point Advice がんゲノム医療とは?
   One Point Advice 大腸癌のリキッドバイオプシー
  5 周術期管理のコツ
  6 閉塞性大腸癌の治療方針選択のコツ
   One Point Advice 閉塞性大腸癌の治療:大腸ステントの導入
  7.大腸癌術後のサーベイランス
 Ⅳ 大腸手術の一般手技のKnack & Pitfalls
  1 吻合のための腸間膜処理のコツ
  2 腸管吻合法
   1)手縫い法
   2)器械吻合法
  3 腔内吻合
  4 J型回腸嚢の作製法
  5 解剖学的剝離層に沿った直腸授動
  6 直腸癌に対する側方郭清(開腹)
  7 側方郭清(腹腔鏡下)
  8 側方郭清(ロボット支援下)
   One Point Advice 直腸癌のDMは何cmが妥当か?   
  9 鼠径リンパ節郭清
   One Point Advice 鼠径リンパ節転移
  10 人工肛門造設術
   One Point Advice Stoma outlet obstruction(SOO)―SOOを防ぐには
  11 人工肛門閉鎖術
 Ⅴ 大腸癌手術のKnack & Pitfalls
  1 結腸右半切除術(腹腔鏡下)
  2 結腸右半切除術(ロボット支援下)    
  3 結腸左半切除術(腹腔鏡下)
  4 S状結腸切除術(腹腔鏡下)
   One Point Advice Persistent descending mesocolon
  5 低位前方切除術(腹腔鏡下)
   One Point Advice 大腸手術におけるICG蛍光法の活用
  6 低位前方切除術(ロボット支援下)
   One Point Advice LARS(低位前方切除術後症候群)
  7 直腸切断術(開腹)
  8 骨盤内臓全摘術(腹腔鏡下)
  9 仙骨合併骨盤内臓全摘術(開腹)
  10 括約筋間直腸切除術(ISR)(ロボット支援下)
  11 TaTME
   One Point Advice 腹膜偽粘液腫
 Ⅵ 内視鏡治療のKnack & Pitfalls 
  1 内視鏡治療の適応決定のコツ
  2 内視鏡的粘膜切除術(EMR),内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)のコツ
   One Point Advice 腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)とは?
  3 pT1(SM)癌に対する内視鏡治療後の評価と追加手術の適応判断のコツ
   One Point Advice 簇出(tumor budding)の評価
 Ⅶ 大腸良性疾患の外科治療のKnack & Pitfalls
  1 潰瘍性大腸炎の外科治療
  2 クローン病の外科治療
  3 大腸憩室症の外科治療
 Ⅷ 遺伝性大腸癌の外科治療のKnack & Pitfalls
  1 家族性大腸腺腫症の外科治療
  2 Lynch症候群の外科治療

肛門
  1 肛門解剖把握のKnack & Pitfalls
  2 肛門疾患診断のKnack & Pitfalls
   One Point Advice 肛門扁平上皮癌の治療
  3 肛門疾患手術のKnack & Pitfalls
   1)痔核の手術
   2)痔瘻の手術
   3)裂肛の手術
  4 直腸脱手術のKnack & Pitfalls
  5 肛門疾患術後管理のKnack & Pitfalls

索引