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公認心理師を目指す学生の強い味方.必要な情報・知識をコンパクトにまとめた標準テキスト!

標準公認心理師養成テキスト

  • 編集主幹:大石幸二(立教大学現代心理学部心理学科教授)
  • 編集:池田 健(池田クリニック)
  • 編集 太田 研(山梨県立大学人間福祉学部人間形成学科准教授)
  • 編集 大林裕司(一般社団法人心理支援ネットワーク心PLUS代表理事)
  • B5判・376頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-3630-1
  • 2022年6月16日発行
定価 4,400 円 (本体 4,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

●公認心理師試験出題基準,ブループリント,これまでの過去問を踏まえて,公認心理師試験で問われる内容を厳選.
●この分野で臨床,教育,研究をリードする心理職・医師による執筆.
●1テーマごとに図表や重要語句の欄外説明を含んだ見開き構成とし,標準的な情報・知識をコンパクトに整理.
●巻末資料,用語解説でさらなる学習をサポート.
●学部学生の授業の予習・復習から心理実習,国家試験対策まで使用できる,公認心理師を目指す全ての人に向けた標準テキスト.
序文

 2015年9月に公認心理師法が制定され,2018年9月に第1回公認心理師試験が実施されました.2022年度には第5回の公認心理師試験が予定されています.そして,これまでに5万人超の公認心理師が誕生し,その数は臨床心理士の約4万人を上回っています.
 一方,公認心理師試験の経過措置期間終了に伴い,今後は実務経験を有していない受験者が大多数を占めることになります.つまり,大学学部で公認心理師養成カリキュラムを履修した人が大学院修了後(一部,指定機関での実務経験を経た後)に,受験資格を得るようになり,これまでとはいくぶん経緯の異なる公認心理師が生み出されることになります.
 このテキストは,そのような経過措置期間終了後の,特に大学学部で最低限必要となる基礎的な情報・知識をコンパクトにまとめたものです.1つひとつの項目が,原則として見開き1 ページで構成され,要点やポイントを押さえられるようになっています.重要な語句や法制度などは側注を施しました.この側注も公認心理師試験などでは重要なものですので,公認心理師をめざす人が調べ学習を進めるための手引きになればと考えております.同様の趣旨で,用語解説も限られた用語数ではありますが収録しました.こちらについても調べ学習を進めることで,必要な情報・知識を確実なものにできます.
 本書の作成にあたっては,厚生労働省が示す公認心理師養成のための大学における必要な科目や日本心理研修センターが公表する公認心理師試験出題基準・ブループリントなどを参照し,これまでの過去問も踏まえて項目を選定いたしました.それぞれの領域で豊富な実務経験を有する執筆者が,基礎基本となる事項を精選して記してあります.
 本書は,①心の健康に関連する教育研究を行う教師が,限られた期間で行われる授業のテキストとして,②学部学生が各授業科目で学修した内容の要点整理の参考書として,③公認心理師をめざす人が試験対策の準備を行う復習資料として,④経験の浅い公認心理師有資格者が必要な情報を得る参考資料として,活用することができます.
 公認心理師の養成・採用制度が徐々に整い,早晩,研修体制についても整備されていくことになると思います.国民の心の健康の保持増進に寄与するという公認心理師の目的を高いレベルで達成することができるよう本書が役立つことを念願しています.
 最後に,本書は,文光堂・編集企画部の中村晴彦様,古川ゆふ様の心血を注いだご支援なしに完成させることは不可能でした.時には専門的なご助言をいただいたことにも感謝を申し上げます.

2022年6月
執筆者を代表して
大石幸二
Ⅰ 職責・査定・支援 
 1.公認心理師の職責と倫理
  1 公認心理師の業務と職能
  2 公認心理師に課される倫理
  3 公認心理師が行う多職種連携
 2.観察と検査
  1 さまざまな観察法
  2 さまざまな記録法
  3 機能分析とケースフォーミュレーション
  4 さまざまな検査
 3.代表的な心理療法
  1 精神分析的心理療法
  2 行動論に基づく心理療法
  3 来談者中心療法
  4 その他の心理療法
 4.アウトリーチ
  1 訪問支援
  2 自殺の予防
  3 災害時における支援
  4 援助要請
 5.心の健康教育
  1 予防
  2 リスク因子と防御因子・補償因子
  3 健康日本21
  4 支援者のメンタルヘルス

Ⅱ 実験・研究法・統計
 1.心理学史
  1 構成主義と機能主義
  2 ゲシュタルト心理学
  3 精神分析
  4 行動主義と新行動主義
 2.実験計画
  1 文献研究
  2 研究法
  3 データ解析
  4 研究倫理
 3.心理統計
  1 母集団と標本
  2 尺度
  3 相関
  4 確率分布
  5 仮説検定
  6 分散分析
  7 因子分析
  8 共分散構造分析

Ⅲ 人体・神経・生理
 1.身体機能と身体疾患
  1 成長
  2 交感神経と副交感神経
  3 生体恒常性
  4 循環器系疾患
  5 筋・骨格系疾患
  6 呼吸器系疾患
  7 感染症
  8 先天性疾患
  9 内分泌代謝疾患
 2.脳神経と精神疾患
  1 ニューロンとシナプス
  2 神経伝達物質
  3 大脳皮質
  4 器質性精神病
  5 統合失調症
  6 妄想性障害
  7 気分障害
  8 ストレス障害
  9 身体症状症および関連症候群
  10 パーソナリティ障害
  11 高次脳機能障害
  12 認知症

Ⅳ.知覚・認知・学習・言語
 1.知覚と認知・思考
  1 心理物理学
  2 信号検出理論
  3 受容器と効果器
  4 さまざまな知覚
  5 ボトムアップ処理とトップダウン処理
  6 さまざまな記憶
  7 さまざまな推論
  8 確証バイアス
  9 認知神経科学
  10 脳機能イメージング
 2.学習と言語
  1 刻印づけ
  2 オペラント条件づけ
  3 社会的学習
  4 学習性無力感
  5 言語的理論
  6 言語の処理過程
  7 ナラティヴ
  8 言語障害

Ⅴ.発達・教育・学校・障害
 1.生涯発達と自己
  1 発生的認識論
  2 社会・文化の内在化論
  3 知能
  4 向社会的行動
  5 アタッチメント
  6 サクセスフル・エイジング
  7 感情制御
  8 実行機能
  9 自我同一性
  10 エピジェネティクス
 2.発達障害・知的障害
  1 自閉スペクトラム症
  2 注意欠如・多動症
  3 限局性学習症
  4 知的能力障害
  5 早産・低出生体重児
 3.学校と教育心理学
  1 動機づけ
  2 自己効力感
  3 不登校
  4 スクールカウンセラー
  5 コンサルテーション
  6 チーム学校
 4.障害・教育関連法規
  1 国際障害分類と国際生活機能分類
  2 DSMとICD
  3 障害者総合支援法
  4 発達障害者支援法
  5 障害者差別解消法
  6 特別支援教育
  7 TEACCH
  8 ペアレント・トレーニング

Ⅵ.感情・人格・社会・集団
 1.人格と社会
  1 パーソナリティの形成過程・個人差の形成
  2 感情の理論1
  3 感情の理論2
  4 パーソナリティ
  5 パーソナリティの一貫性論争
  6 ビッグファイブモデル
  7 パーソナリティの測定
 2.集団と行動
  1 グループダイナミクス
  2 対人行動の特徴
  3 社会的促進と社会的抑制
  4 ソーシャルサポート

Ⅶ.組織・産業
 1.職場と労働安全
  1 ストレスチェック制度
  2 過労死
  3 ハラスメント
  4 障害者の就労支援
  5 リワーク
  6 EAP
 2.組織行動
  1 リーダーシップ
  2 職業的キャリア
  3 安全文化
  4 組織風土

Ⅷ.家族・福祉
 1.家族機能と家庭内問題
  1 アタッチメント障害
  2 不適切な養育
  3 家庭内暴力
  4 家族システム論
  5 生態学的システム
  6 家族力動
  7 個人主義と集団主義
  8 異文化適応
 2.児童虐待の防止
  1 社会的養護
  2 要保護児童と養育困難
  3 要保護児童対策地域協議会
  4 児童虐待
  5 家族再統合
  6 夫婦間暴力
 3.認知症高齢者の包括的ケア
  1 老人福祉法と老人福祉施設
  2 介護保険法
  3 高齢者虐待防止法
  4 新オレンジプランと地域包括支援

Ⅸ.非行・犯罪・司法
 1.少年非行
  1 少年非行
 2.社会内処遇と医療観察
  1 保護観察制度
  2 少年院
  3 児童自立支援施設
  4 保護司
  5 医療観察制度
  6 犯罪被害者等基本法

Ⅹ.健康・医療・臨床
 1.ストレスと災害支援
  1 ストレス
  2 バーンアウト
  3 サイコロジカル・ファーストエイド
  4 災害派遣精神医療チーム
 2.地域精神保健
  1 医療法と医療計画制度
  2 精神保健福祉法
  3 精神障害者保健福祉手帳
  4 心神喪失者等医療観察法
 3.精神疾患と向精神薬
  1 薬物療法
  2 向精神薬
  3 精神薬理学の基礎
  4 薬剤性せん妄
  5 精神刺激薬による精神疾患
  6 薬物治療ガイドライン

文献
巻末付録
用語解説
索引