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肩関節・肘関節を機能で診る!船橋整形外科での臨床実践の集大成!

機能でみる

船橋整形外科方式 肩と肘のリハビリテーション

  • 編集:菅谷啓之(船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター)
  • 編集 高村 隆(船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター)
  • 編集協力:高橋憲正(船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター)
  • 編集協力 鈴木 智(船橋整形外科病院理学診療統括部)
  • 編集協力 澤野靖之(船橋整形外科クリニック理学診療部)
  • B5判・456頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-2741-5
  • 2019年11月7日発行
定価 7,700 円 (本体 7,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

船橋整形外科病院グループの第一線で活躍する,または同病院で研鑽を積んだ医師・理学療法士により,同病院で行われている機能改善を目指す肩関節・肘関節の診断と治療,そしてリハビリテーションを具体的に解説.複数の施設の先生方によって書かれた一般的なテキストとは異なり,船橋整形外科病院グループとそのコンセプトを踏まえた医師・理学療法士たちにより書かれているため,治療理念とアプローチを一貫してレクチャー.患部のみならず,患部外も含めた機能評価,全身性な理学療法,トレーニングのノウハウが満載.肩と肘診療を行う全ての医療者必読の一冊.
序 文

 船橋整形外科病院に入職し,今日まで22年間,整形外科領域で理学療法を担当してきました.当時の理学診療部部長であった,故 脇元幸一先生から運動器疾患は,患部のみならず,患部外も含めて機能評価し,全身性に理学療法,トレーニングを行う必要性を学びました.そのおかげで,とっつき難いとされていた肩関節領域への入り口は,比較的入りやすかったことを覚えています.しかし未だに若手の先生方から肩関節はよくわからない,難しそうだとよく耳にします.特に投球障害などスポーツ傷害では,とたんに局所のみの評価,治療アプローチとなってしまうことも見受けられます.いつも若手の先生には,「歩くと膝が痛い,起き上がると腰が痛いなどと訴える患者さんの歩行や起き上がり動作などは確認,動作分析するだろう.それと何ら変わりないよ」と言い続けてきました.今では,競技未経験者であっても投球フォームや競技動作をチェックし機能的な問題点が動作として,どのように現れているかを確認する姿が普通に見られるようになりました.これは,簡単そうで難しいことです.言い続けてだいぶ期間はかかりましたが,船橋整形外科らしい取組みの一つだと思っています.
 我々,船橋整形外科病院の肩関節・肘関節グループおよびリハビリスタッフのチームとしての強みは,「The practice of medicine is an art, based on science.」 を念頭に患者さん,選手たちにとことん寄り添うサポーター力と少しでも機能改善させるための継続と忍耐力であると思っています.そして一番の強みは菅谷啓之先生を中心とする医師と理学療法士,作業療法士のコミュニケーションの深さと意思疎通であると思っています.また,チーム医療として,看護師,放射線技師,トレーナーとの連携も図り,地道に学術,そして臨床を積み上げていく努力が船橋整形外科方式なのかも知れません.当初より,菅谷啓之先生と 「すべては患者のために! 患者さんを良くしよう」 との合い言葉のもと理学療法に取り組んできました.
 このたび,保存療法を中心に肩関節・肘関節治療の集大成として,医師の肩関節・肘関節グループとリハビリスタッフが協力して船橋整形外科病院の肩関節・肘関節における診断と治療,そして理学療法に対する考え方や取組みについてまとめました.
 各章との繋がりや十分に表現しきれていなかったところがあり,十分満足するような内容には届いていないかも知れませんが,整形外科領域の理学療法に携わる先生方に,少しでも臨床で結果を出すための一つのきっかけとしてご利用いただけるものと思っております.
 終わりにあたり,本書の制作に尽力してくれた鈴木智先生,澤野靖之先生や分担執筆に加わってくれたスタッフ一同に感謝すると同時に,理学療法の基礎である解剖学をわかりやすく解説いただいた,東京医科歯科大学の那須久代先生,二村昭元准教授,秋田恵一教授に感謝いたします.また,編集に携わっていただいた文光堂の皆様に,この場を借りて厚くお礼申し上げます.

2019年10月
船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センター
高村 隆
1章 総説ー船橋整形外科での肩と肘の診かたー
 1.リハビリテーションを進めるための情報収集
  1)肩・肘の画像診断のポイント
   ①X線
   ②MRI
   ③超音波
   ④CT
  2)病歴聴取・問診のポイント
 2.リハビリテーションプログラム立案のポイント
 3.肩関節の病態別アプローチ
  1)肩関節痛の診断と治療
  2)肩の痛みに対するアプローチ
  3)筋力低下に対するアプローチ
  4)肩関節可動域制限に対するアプローチ
  5)不安定症に対するアプローチ
  6)肩こりに対するアプローチ

2章 疾患別リハビリテーションー船橋整形外科での臨床実践ー
 1.肩の機能障害
  1)肩関節周囲炎
   ①診断と治療のポイント
   ②リハビリテーションのポイント
  2)腱板断裂
   ①診断と手術のポイント
   ②保存療法
   ③術後リハビリテーション
  3)人工肩関節置換術
   ①TSAのポイント
   ②TSA術後リハビリテーション
   ③RSAのポイント
   ④RSA術後リハビリテーション
  4)肩関節不安定症
   ①診断と手術のポイント
   ②外傷性肩関節不安定症ー総論ー
   ③非外傷性肩関節不安定症ー総論ー
  5)肩鎖関節炎・肩鎖関節脱臼
   ①診断と手術のポイント
   ②リハビリテーションのポイント
 2.肩・肘のスポーツ外傷・障害
  1)スポーツ外傷(不安定症)
   ①診断と手術のポイント
   ②ラグビー選手におけるメディカルリハビリテーション
   ③ラグビー選手におけるアスレティックリハビリテーション
   ④柔道:受け身・釣り手・投げ技動作の獲得
   ⑤野球:投球側スローイング動作の獲得
   ⑥バレーボール:スパイク動作の獲得
   ⑦体操:SLAP損傷後の肩関節機能の獲得
  2)投球障害肩
   ①診断と手術のポイント
   ②少年:野球肩
   ③成人:腱板断裂
   ④上方関節唇損傷
  3)投球障害肘
   ①診断と治療のポイント
   ②野球選手の離断性骨軟骨炎
   ③体操選手の離断性骨軟骨炎
   ④内側障害:成人肘内側側副靱帯損傷ー診断と治療コンセプトー
   ⑤内側障害:成人肘内側側副靱帯損傷ーリハビリテーションのポイントー
   ⑥後方障害
   ⑦変形性肘関節症
  4)投球相・投球フォーム
  5)投球障害予防のトレーニング

付録
 1.肩・肘疾患ホームエクササイズ
 2.機能解剖ミニレクチャー

索引