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神経疾患の診療に必須の神経機能解剖を視覚的に学べる,新たな定本

図説 神経機能解剖テキスト

カバー写真
  • 編集:浦上克哉(鳥取大学医学部生体制御学講座教授)
  • 編集 北村 伸 (日本医科大学武蔵小杉病院認知症センター教授)
  • 編集 小川敏英(鳥取大学医学部病態解析医学講座教授)
  • B5判・344頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-1546-7
  • 2017年4月13日発行
定価 17,600 円 (本体 16,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

神経機能解剖の知識は,神経疾患の診療の前提となる基盤の知識である.各神経系で章分けし,各章の総論では正常の神経機能解剖を,各論では各神経系での代表的疾患(「Alzheimer型認知症」「脳血管障害」「筋萎縮性側索硬化症」など)を解説し,臨床に役立つ内容となっている.全編カラーで画像とシェーマがふんだんに用いられ,解剖と機能が視覚的に学べる工夫がなされている.内科医,特に神経内科医必携の1冊.


 私は約30年前に神経内科学を学び始め,神経学の面白さに魅せられました.しかし,当時神経内科学は難しいという声が多く,敬遠されがちでありました.神経学が難しいと感じる理由は,「機能解剖と臨床」「立体的な位置関係」「臨床症状と画像との関係」などがとてもわかりにくく,そのことを明快に解説してくれる教科書や参考書がなかったからです.かねがねこの問題を解決でき,神経学をよりわかりやすく解説した学びやすい本を作りたいと考えておりました.このたび文光堂より,そのような私の長年の願いを実現できる本の企画をいただき,本書の出版に至りました.本書の企画には臨床神経学の大家である日本医科大学武蔵小杉病院の北村 伸特任教授,神経放射線医学の大家である鳥取大学の小川敏英教授に加わっていただくことができました.両先生は私の思いに賛同くださり,ご多忙にもかかわらず熱心に編集に参加くださいました.
 神経機能解剖から臨床神経学,そして神経放射線画像の関連を,わかりやすくご理解いただける本と考えております.さらに,以前では想像もできなかった錐体路を描出する画像技術である拡散テンソルトラクトグラフィーの画像なども紹介されており,最新の神経放射線画像の知識を得ることが可能です.神経内科専門医と神経放射線科医を対象に企画しましたが,医学生から研修医,そして一般医の先生方にもお役立ていただけるものと期待しております.より多くの皆様に神経学をわかりやすく学んでいただき,神経学の面白さをよりご堪能いただければと心より願っております.
 最後に,このような企画を提案してくれた文光堂の担当者の皆様,編集に尽力いただいた北村 伸先生,小川敏英先生,各項を分担執筆頂いた先生方,および本書の作成に関わっていただいた皆様にお礼申し上げます.

2017年3月

鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座環境保健学分野 教授
日本認知症予防学会 理事長
浦上克哉
1.脳神経系
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる脳神経のアウトライン
  脳神経各部の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  Tolosa-Hunt症候群
  脳腫瘍(脳幹部)
  脳血管障害(脳幹梗塞,脳出血)
  Kallmann症候群
  Miller Fisher症候群
  Bell麻痺
  neurovascular compression
2.運動系
A.錐体路
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる錐体路のアウトライン
  錐体路の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  脳梗塞
  筋萎縮性側索硬化症
  脊髄性進行性筋萎縮症(脊髄性筋萎縮症IV型)
  副腎白質ジストロフィー
  Wallerian degeneration of the corticospinal tract
  HTLV-1関連脊髄症(HAM)
  慢性トルエン中毒
B.錐体外路系
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる錐体外路のアウトライン
  錐体外路の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  Parkinson病
  Wilson病
  Huntington病
  chorea-acanthocytosis
  多系統萎縮症
  二次性(症候性)ジストニア
  口蓋ミオクローヌス(口蓋振戦)
  肝性脳症
  Creutzfeldt-Jakob病
3.感覚系
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる感覚系のアウトライン
  感覚系の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  脳血管障害(視床梗塞)
  脊髄癆(tabes dorsalis)
  脊髄腫瘍
  脊髄の血管障害
4.大 脳
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる大脳のアウトライン
  大脳の主要な構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  Alzheimer型認知症
  Lewy小体型認知症
  前頭側頭型認知症
  Parkinson病
  多発性硬化症
  大脳皮質基底核変性症
  プリオン病
  脳腫瘍
  Huntington病
  Wernicke-Korsakoff症候群
  Marchiafava-Bignami病
  脳膿瘍
5.小脳・脳幹
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる小脳・脳幹のアウトライン
  小脳・脳幹の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  脊髄小脳変性症
  進行性核上性麻痺
  脳腫瘍(小脳,脳幹)
  脳血管障害(小脳梗塞,小脳出血)
  Joubert症候群
  神経Behçet病
  Marinesco-Sjögren症候群
  福山型筋ジストロフィー
6.脳血管
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる脳血管のアウトライン
  脳血管各部の走行
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  脳梗塞
  脳出血
  一過性脳虚血発作
  血管性認知症
  動脈瘤
  脳静脈洞血栓症
  もやもや病
7.脳脊髄液系
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる脳脊髄液系のアウトライン
  脳脊髄液系の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  正常圧水頭症
  髄膜脳炎
  癌性髄膜炎
  類上皮腫
8.脊 髄
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる脊髄のアウトライン
  脊髄各部の構成とその機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  筋萎縮性側索硬化症
  脊髄腫瘍
  tabes dorsalis(脊髄癆)
  血管障害
  横断性脊髄炎
  脊髄空洞症
  亜急性脊髄連合変性症
  Brown-Séquard症候群
9.自律神経
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる自律神経のアウトライン
  自律神経の構成とその機能
10.末梢神経
 1)正常の神経機能解剖
  目でみる末梢神経のアウトライン
  主な末梢神経叢の機能
 2)代表的疾患の神経機能解剖アプローチ
  Guillain-Barré症候群
  慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
  腕神経叢損傷
  血管炎による神経障害
  糖尿病による神経障害
索 引