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日本の脳神経外科診療のスタンダードを示す!

脳神経外科診療プラクティス  6

脳神経外科医が知っておくべきニューロサイエンスの知識(電子版のみ)

カバー写真
  • 編集:三國信啓(札幌医科大学教授)
  • 編集 深谷 親(日本大学准教授)
  • B5判・236頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2406-3
  • 2015年10月1日発行
定価 16,500 円 (本体 15,000円 + 税10%)
なし
在庫
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内容

序文

主要目次

脳神経外科医が診療上で生じたニューロサイエンスに関する疑問を解決する辞書として,あるいはニューロサイエンスに興味をもった若手脳神経外科医の入門書として活用できる.神経科学の基礎,神経系の機能ー局在からネットワークまでー,神経生理機能の基礎,脳機能検査法の理解,神経科学と新たな治療の接点,の5章を設け,膨大なニューロサイエンスの分野の中から脳神経外科診療にとって,特に重要と思われる項目を取り上げた.
☆図版90点,表組20点,カラー写真58点,モノクロ写真24点
序文

 ニューロサイエンスは,脳神経外科疾患の病態を理解し,診療を行うための基盤領域です.本領域では多くの専門書がすでに出版されており,また,脳神経外科医の中にもニューロサイエンスの研究を積極的に行っている医師もいます.ところが,標準的な脳神経外科医にとっての教科書としてニューロサイエンスの基礎から最新知見までを取り上げた解説書は見当たりません.このような背景から,私どもは脳神経外科診療プラクティスシリーズ「脳神経外科医が知っておくべき
ニューロサイエンスの知識」を企画いたしました.
 本書は,脳神経外科医が診療上で生じたニューロサイエンスに関する疑問を解決する辞書として,あるいはニューロサイエンスに興味をもった若手脳神経外科医の入門書として活用できるような構成にしています.神経科学の基礎,神経系の機能-局在からネットワークまで-,神経生理機能の基礎,脳機能検査法の理解,神経科学と新たな治療の接点,の5章を設け,膨大なニューロサイエンスの分野の中から脳神経外科診療にとって,特に重要と思われる項目を取り上げました.第一線で活躍し,当該分野で高い評価を得ている多くの基礎系医学研究者にもご執筆いただいております.
 読者は,脳神経外科研修医から専門医取得後の医師まで広く想定しております.十分な時間がなく通読することが難しい読者が大部分でしょうから,必要な時に必要な部分のみを読むという状況を想定して編集してあります.以下の点が今までになかった本書のユニークなところといえます.
 ・ 教科書的・網羅的記載には必ずしもこだわらず,診療を行うにあたって実践的で重要なことを記載し,なぜそうなのかということが理解できる.
 ・ 背景となる病態生理や神経解剖の記載を積極的に取り入れ,それにより診断や治療を行ううえでニューロサイエンスを理解することの重要性を感じ取れる.
 ・ 各項目間には若干の連続性はあるものの,基本的にはそれのみで完結するように記載し,その項目のみを読んでも理解できる.
 ・ できるだけ多くの図表や写真を用いることによって視覚的に理解できる.
本書によって読者の先生方の日常診療が一層深厚なものとなれば望外の喜びです.

札幌医科大学 三國信啓
日本大学 深谷 親
I. 神経科学の基礎
 1.脳の進化
 2.ニューロンの発生
 3.ニューロンの分子構築と機能
 4.神経組織の細胞構築
 5.ニューラルネットワークの仕組み
 6.グリア細胞の機能とその異常
 7.シナプス伝達と可塑性
 8.レセプター
 9.イオンチャネル
 10.トランスポーター
 11.活動電位
 12.神経伝達物質
 13.ミエリン
 14.栄養因子
 15.神経再生
 16.ニューロンの寿命
II. 神経系の機能─局在からネットワークまで─
 1.局在論と全体論 大石高生
 2.Brodmann野と機能局在
 3.大脳皮質間連絡
 4.運動制御
  a.末梢神経レベル
  b.脊髄レベル
  c.脳
 5.運動機能損傷後の機能回復
 6.体性感覚系の機能解剖
 7.学習と記憶のメカニズム
 8.言語機能と失語の新しい考え
 9.言語機能損傷後の機能回復
 10.痛み認知のメカニズム
 11.大脳基底核の機能解剖
 12.視床の機能解剖
 13.認知と注意
 14.情動と脳
 15.交感神経と副交感神経
 16.循環器系自律神経
 17.膀胱直腸系自律神経
 18.聴覚─ヒト聴覚皮質でのトノトピー─
 19.平衡感覚
 20.視覚
 21.筋と運動ニューロン
 22.姿勢制御と歩行
 23.睡眠覚醒
III. 神経生理機能の基礎
 1.頭蓋内圧
 2.血液脳関門
 3.脳循環の自動調節能
 4.脳循環代謝
 5.脳虚血と耐性
 6.脳浮腫と脳腫脹
 7.髄液
 8.下垂体ホルモン
 9.脳と水電解質
 10.脳と呼吸
 11.脳挫傷における組織変化と挫傷性脳浮腫
 12.脊髄損傷後の組織変化
 13.末梢神経損傷後の回復過程
IV. 脳機能検査法の理解
 1.脳波の基本原理─古くて新しい検査─ 
 2.脳波でわかる脳機能
 3.機能的MRI(fMRI)の基本
 4.機能的MRI(fMRI)でわかる脳機能
 5.デフォルトモードネットワークによる病態解明
 6.PETの基本
 7.PETでわかる脳機能
 8.脳磁図(MEG)の基本
 9.脳磁図(MEG)でわかる脳機能
 10.近赤外分光法(NIRS)の基本
 11.近赤外分光法(NIRS)でわかる脳機能
V. 神経科学と新たな治療の接点
 1.iPS細胞─神経領域での可能性─
 2.脳波と脳磁図─最新の知見─
 3.磁気刺激による新知見と臨床応用
 4.ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の最先端
 5.深部脳刺激療法(DBS)の新たな適応
 6.ニューロリハビリテーション
 7.てんかんのニューロモデュレーション治療
 8.定位放射線照射の最先端
 9.脳動脈瘤に対する血管内治療の最先端
 10.精神疾患の新たな治療
 11.認知症の新たな治療
 12.遺伝子解析─最新の知見─
 13.分子イメージング─光学蛍光色素,PET,MRI,近赤外分光法(NIRS)─
 14.脳神経外科術中脳機能マッピング・モニタリングの変遷
 15.難治性疼痛の新たな治療
索引